シンエイ通信

シンエイ通信【平成30年2月28日作成 99号】

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平成30年2月28日作成 99号


■ 熊本県森連 新事務所11月末に完成

 熊本県森林連合会は、熊本市東区戸島に2階建ての新事務所を建設する。
主に県産流通材を使用し、一部にBP材やCLTも活用する。今年11月末の完成予定
旧事務所は2016年4月に発生した熊本地震により全壊した。同連合会は現在、市内の仮事務所を使用している。

 新事務所は敷地面接が2212.19平方㍍で延べ床面積が1階530.95平方㍍、2階355.
90平方㍍、その他43.05平方㍍で計929.90平方㍍となる。総工事費は3億8666万98
40円だ。工事費には熊本県中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業を活用する予定で、現在交付申請中だ。臨時総会で移転先が承認された後の先月24日から工事が始まり、同26日に起工式が行われた。発注先は建築が味岡・技建日本建設工事共同体、設計が太宏設計事務所。
 旧事務所が手狭だったこともあり、新事務所は郊外で駐車場が確保できることなどを条件に選定した。場所は、高速道路のインターチェンジに近く交通の便も良い。事前に、県外のCLTを使用した施設なども視察した。仮事務所との契約が切れる来年3月までには移転したい考えだ。
 新事務所に採用されるBP材は工芸社・ハヤタ(熊本県山鹿市)が開発した、杉や桧の角材を積層接着した複合軸材料だ。杉BP材はA材を活用でき、構造材としてほとんどの場所に使えるなどのメリットがある。メーカー側も同材の普及に向け、供給拠点の拡大や全国に向けて広報活動をしている。地元同業の会社として応援していきたい。

■ 貸出金等統計

 日本銀行が8日発表した貸出金等統計によると、2017年(1~12月)の国内銀行による個人向け住宅ローンの新規貸出額は、前年比8・79%減の15兆2658億円だった。減少に転じたのは14年以来3年ぶり。夏期に超低金利となった2割近い伸びを見せた前年度の反動減の側面もあるようだ。新規貸出額が減少する一方、17年12月末時点の貸出金残高は、前年同期比2・86%の増加の124兆6595億円だった。06年末に0・69%減となってから後、11年連続での増加。

■ ワイテック 福岡工場で月間8000坪生産へ

 ヤマエ久野グループでプレカット加工を行うワイテックは、福岡プレカットセンターに最新鋭の構造材加工機等を導入し、本稼働を開始した。金物加工への対応とともに生産能力向上を図る。
 同社のプレカット工場は、福岡プレカットセンター(福岡市)、鹿児島プカットセンター(鹿児島市)、さつまセンター(薩摩川内市)、そして16年末に稼働した沖縄プレカットセンター(沖縄県糸満市)の4工場。同社の特徴は、地域の優良ビルダーから工務店まで幅広い顧客を持ち、ムク材の取り扱いが多いこと。構造材加工能力は現状で年間約17万坪だ。設備を更新した福岡プレカットセンターでは、横架材加工機(平安コーポレーション)をこれまでの2ラインから1ラインに集約した。加工能力は従来の1.3倍。柱加工機の加工能力も1ラインで従来の1.5倍に上がり、これによって構造材加工能力は月間8000坪(2シフト)となった。これまでは月間6000~6500坪でフル生産し、500坪を外注に出していた。今回の更新で外注を中止し、余裕をもって加工できる。さらに、金物加工を併用しており、テックワン、ノードHSS、クレテック、テクノストラクチャー、SSマルチに対応する。既に同社鹿児島プレカットセンター、沖縄プレカットセンターでは金物加工を行っている。熊本地震以降、金物工法の受注が増える傾向にあることから、工務店はもとより金物対応の多い地域ビルダーへの販路拡大を目指す。このほか、小屋束加工機や集塵機、5軸モルダー、4面プレーナー、カットプレーナー、1面プレーナーを更新。ムク材の仕上げ用として設備を充実し、精度アップを図っている。
 同社は、中・大型木造物件への取り組みとして、5年前に長さ8㍍ 180×600㍉に対応する大断面加工が可能な設備を整えた。しかしこの2年間は住宅需要の増加もあり、現状の加工量は全体の10%から進んでいなかった。今回の生産能力増強に合わせて中・大型物件の受注にも力を入れる。

■ 桧家ホールディングス 「留守番ポスト」

桧家ホールディングス(桧家HD、東京都千代田区、近藤昭社長)とナスタ(東京都港区、笹川順平社長)が共同開発したオリジナルのビルトイン型宅配ポスト「留守番ポスト」は、2017年3月の販売開始から12月までの新築注文住宅を中心とした導入実績が100棟だったことがわかった。同社では、価格設定の問題をはじめ、設計的に設置の制約がある規格型の間取りプランや狭小住宅においては門柱型を設置していることから、「ビルトイン型の導入について、想定よりも導入実績に伸びが見られなかった。当社にとっては売りの商品の一つなので、今後はビルトイン型の設置を前提とした間取りプランの展開も考えていく」(近藤社長)としており、年間500棟での設置を目指す。

■ 経済産業省資源エネルギー庁と環境省

経済産業省資源エネルギー庁と環境省は、集合住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)化に力を入れる。評価基準のための新たなカテゴリーを設け、実現が困難と想定されてきた4~5階建て以上の住宅でも、強化外皮基準や省エネルギー率を満たすことでZEHの概念に根ざす住宅として認めようと検討を進めているところだ。2017年9月に設置した「集合住宅におけるZEHロードマップ検討委員会」で議論しているもの。戸建住宅と同様にZEHビルダー制度のようにデベロッパーなどの事業者登録制度を新たに設け、集合住宅のZEH化目標とその進捗を管理することも視野に入れている。ZEHロードマップに沿った着実な成果を目指す。

■ 国土交通省が発表した2017年新設住宅着工戸数

 国土交通省が発表した2017年暦年(1~12月)の新設住宅着工戸数は、前年比0・3%減の96万4641戸だった。増税前の駆け込み需要に次ぐ勢いを見せた前年に比べて3年ぶりの減少となったが、90万戸後半を維持した。利用関係別では、年の前半までプラスに推移した貸家や好調な分譲戸建てのほかマンションもプラスに推移した。一方で持ち家はリーマンショック後に最低戸数となった15年に次いで下から2番目に少ない。圏域別でも持ち家は増加したエリアがなく、減少幅では首都圏が最も大きい。金利引き上げの見通しもないなか、消費増税前までは、慌てずに検討を続ける市場の様子もうかがえる。一部のアナリストは今後もしばらく下降傾向が続くとの見通しを示している。

■ 「フラット35」2月の金利水準を公表

 住宅金融支援機構は1日、長期固定型の民間提携住宅ローン「フラット35」における2月の金利水準を公表した。それによると、融資期間21年~35年で最も利用の多い最低融資金利は、前月から0・04%上昇の年1・40%となった。「フラット35」の融資率9割超では、最頻値の金利は1・84%。

 融資期間20年以下の「フラット20」の最低融資金利および最頻値は融資率9割以下で1・32%、融資率9割超で1・76%となり、それぞれ前月より0・02%の上昇となった。

■ タマホテルズリノベホテル開業

タマホーム(東京都港区)の100%子会社でホテル事業を展開するタマホテルズ(東京都大田区)は、大阪市中央にキャビンタイプのホテルを3月4日に開業する。タマホテルズが運営するホテルとしては、羽田のビジネスホテルに続き、2棟目。タマホームが事務所として所有・利用していた8階建ての鉄骨造のビルを再利用したもので、施設延床面積は1727m。全122室。木をコンセプトにした内装などが特徴。旅館業法上の簡易宿所として運営する

■ ヤマダ電機 リフォーム子会社を吸収合併

 ヤマダ電機(群馬県高崎市)は2月26日、住宅リフォーム事業を展開する子会社ナカヤマ(埼玉県上尾市)を4月1日付で吸収合併すると発表した。ヤマダ電機は2017年にナカヤマを100%子会社化していた。今回の合併は、両社の店舗の融合、本社機能やインフラの統合などで経営の効率化と事業基盤の安定化を図ることが目的。


 ナカヤマの2016年12月期の売り上げは201億8700万円。営業損益は19億9000万円の赤字。

■ 建設技術者の有効求人倍率5.61倍

人材紹介事業を行うヒューマンタッチ(東京都新宿区)はこのほど、建設業界の人材市場に関する公的データをまとめた 『ヒューマンタッチ総研Monthly Report 2018年2月』 を発表した。

 厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、公共職業紹介所(ハローワーク)における建設技術者(建築・土木・測量技術者)の2017年平均の有効求人倍率は5.61倍に達し、現在の職業分類名称で集計を開始した2001年以降で最高値となった。2009年の0.84倍を底として2017年まで毎年上昇している。

2017年の月別の建設技術者の有効求人倍率と新規求人倍率の推移を見ると、有効求人倍率は上昇傾向が続き、12月には6.66倍に達した。有効求人倍率の先行指標となる新規求人倍率は12月に統計開始後初めてとなる10倍台に突入(10.68倍)。2018年も人材需給がさらに逼迫することが予想される。
 最新雇用関連データ(2018年1月30日総務省・厚生労働省公表)では、建設業の就業者数が494万人(前年同月比98.4%)、雇用者数が407万人(同98.5%)と、いずれも前年同月より減少。一方、公共職業紹介所における新規求人数は6万3914人(同109.8%)と17カ月連続で前年同月を上回った。

 建設技術職(建築・土木・測量技術者、常用・除くパート)の有効求人倍率は、前年同月比0.97ポイント上昇の6.66倍となり、過去最高を更新。前年同月比で31カ月連続の上昇となった。建設技能工(建設・採掘の職業、常用・除くパート)の有効求人倍率も、同0.90ポイント上昇の4.93倍となり、過去最高を更新。前年同月を32カ月連続で上回った。