シンエイ通信【令和8年4月1日作成 196号】
新築住宅着工戸数は停滞したままで、プレカット工場からは2月の受注低迷が指摘されており、稼働率が落ちている。熊本県では大手半導体工場の拡大などでアパートや分譲住宅ほかへの波及が期待されたが、現状で需要底上げ要因にはなっていない。
リフォームや非住宅木造建築でも畜舎などの仕事はあるが、九州内の資材荷動きは回復感に欠ける。一方、消費地向けの国産材製品の荷動きは、外材や杉集成材管柱の不足感からKD材を中心に杉製品製品への引き合いが出ている。一部地域のメーカーはこれを機に2,000円~3,000円(立法㍍)の値上げを顧客に打診している。
中国木材も杉集成材管柱や米松平角などの値上げを打ち出しており、全体的に製品価格が上昇に向かうのか注目される。一方、桧製品は荷余り感が解消されず、価格も弱基調になっている。
国産材原木は、製品荷動きが回復していることから安定した引き合い。直材は居所高で推移しており、輸出、発電燃料用も好調で、低質材が全体を下支えする。一方、桧は製品と同様に引き合いが弱く、土台適寸が2万円を割る地域も。ただ、現価格が底という見方が多い。
【国産構造材】
杉値上げへ
住宅需要の減少により需要は伸びていないものの、外材や杉集成管柱からの切り替えが進んでおり、杉製品の荷動きは好調だ。メーカーはこれを機に値上げを唱えていく方針で2,000~3,000円(立法㍍)の値上げを顧客に案内している。どこまで浸透するかは不透明だ。
一方、桧製品は需要が冷え込んでいるため全体的に荷余り。一部安売りしているメーカーもあることから弱含んできており、今後が懸念される。
【国産羽柄材】
荷動き好調続く
杉KD間柱、杉KD小割に加え、AD間柱、AD小割も引き合いが好調。
リフォームや牛舎など非住宅向けの好調は続いており、外材の代替需要も後押しする。
電気代や人件費、運送費など製材コストの上昇を理由に採算性が悪化していたメーカーは、構造材同様、値上げを唱えている。この流れは今後も段階的に続いていく見通しで、どこまで浸透するかが注視される。
【外材】
全般に価格上昇へ
米松最王手メーカーが米松KD平角などの値上げを打ち出し、製品価格は全般に上昇基調に入った。
欧州材構造用集成材もラミナ入荷減や円安などによるコスト高で値上げ要請を続けてきたが、ようやく潮目が変わる可能性が出てきた。
杉集成材管柱や杉・米松異樹種構造用集成材などの値上げも進められることで、杉KD製品などにも影響することが考えられる。
現状で米松KD平角は、3,000円(立法㍍)の値上がりが見込まれている。
【集成材】
第2・四半期交渉開始遅れ
年明けからプレカット工場の稼働は鈍い状態で、それに伴い構造用集成材の需要も全体としてはほぼ前年並みで推移している。ただ、昨秋から輸入完製品の入荷が低水準となっているため、これを補填する需要が国内集成材メーカーに出ている様で、国内産の受注はメーカーにとって「悪くない」状況にある。
ただ、Wウッド・Rウッドのラミナ仕入れコスト高が半年以上続いており、現状、「作れば作るほど赤字」というメーカーはも少なくない様子。そのため国内集成材メーカーは、3月~4月にかけて値上げ姿勢を強めている。現行からおおむね3,000円程度引き上げる(立法㍍)本来であれば第2・四半期契約分の交渉が始まっているタイミングだが、3月中旬時点で、集成材は産地側からの提案が出そろわず、ラミナはほぼ動きが出ていない。前回の交渉が長引いたため、新規交渉の開始時期もズレている様子。ホルムズ海峡封鎖に伴い、コンテナ船大手5社が一斉に緊急燃料サーチャージの導入を表明したことも、要因の一つとなっているようだ。
【合板・建材】
安定確保重視で強基調
針葉樹構造用合板は全国各地で値上げが進められている。
九州では他地域に比べ居所高が維持されてきたが、域外からの製品を含めて相場全体が強基調で推移する。
住宅需要の低迷で合板メーカーの生産調整が続くなか、各種資材やトラック運賃の上昇などコスト高は変わりなく、安定した合板供給のために値上げは避けられない流れになっている。
輸入型枠合板は、円安などで引き続き居所高。供給量も減少傾向で、ゼネコンやビルダーなどから国産材活用の型枠合板の引き合いが増えている。
家具用の薄物合板などでも、型枠と同様に新たな資材を探す動きがある。
◇みらいエコ住宅2026事業 概要
みらいエコ住宅2026事業は、2050年カーボンニュートラルの実現に寄与する良質なストック形成を図るため、「ZEH水準住宅」や「長期優良住宅」の新築、特に高い省エネ性能等を有する「GX志向型住宅」の新築及び省エネ改修等への支援を実施し、物価高の影響を受けやすい住宅分野の省エネ投資の下支えを行う事業です。
1、予算
国土交通省:長期優良住宅・ZEH水準住宅分 1,250億円 既存住宅リフォーム 300億円
環境省:GX志向型住宅分 750億円
2、補助対象住宅と補助額
床面積が50㎡以上240㎡以下の住宅について、その省エネ性能に応じた補助額とします。尚、一部の地域に立地する等(立地等除外)の住宅は補助対象になりません。
①GX志向型住宅
補助額125万円(地域区分1~4地域の場合)110万円(地域区分5~8地域の場合)
②長期優良住宅
補助額80万円(地域区分1~4地域の場合)75万円(地域区分5~8地域の場合)
③ZEH水準住宅
補助額40万円(地域区分1~4地域の場合)35万円(地域区分5~8地域の場合)
④省エネ・断熱リフォーム
対象となる建物は、自身が所有する自宅、自己所有のアパート・別荘など。また、子育て世帯でなくても当補助金の対象となります。
すべての世帯が対象で、補助金の条件さえ満たせば申請可能です。ただし、人の居住用であることが確認できない建物、居室、区画等に行う工事は対象外となります。最大100万円(1戸あたり)※省エネ性能に応じて上限額は変わります
・【必須】一定の省エネ性能を確保するリフォーム
(開口部断熱改修・外壁断熱改修・屋根床天井の断熱改修・エコ住宅設備の設置などの組合せ)
・【附帯】住宅の子育て対応改修
・【附帯】バリアフリー改修等
3、新築住宅の省エネ性能
①GX志向型住宅
断熱等性能等級 等級6以上、一次エネルギー消費量削減率 35%以上
②長期優良住宅
断熱等性能等級 等級5以上、一次エネルギー消費量等級 等級6以上
③ZEH水準住宅
断熱等性能等級 等級5以上、一次エネルギー消費量削減率 20%以上
◇マグ、グラスウール断熱材24K新標準を「λ34」に
マグ・イゾベール(東京都千代田区)は、熱伝導率0,034W/(m・K)を実現したグラスウール断熱材「イゾベール・スタンダード λ34(ラムダ34)」を6月に発売する。
24K品を進化させ、熱伝導率を現行のλ35からλ34に変更する。
これにより、断熱上位性能へのスムーズな対応が可能になるほか、高断熱窓や付加断熱とあわせることでGX志向型住宅水準の外皮仕様にも対応する。密度を下げすぎず、現場での使い勝手も両立させた。
今回の「λ34」発売に伴って「λ35」は2026年秋に生産終了予定。これでイゾベール・スタンダードは、16K品λ38と24K品λ34のラインアップとなる。
◇14年連続で上昇、平均4.5%引き上げ 大工は+3.1%増
国土交通省は2月17日、2026年3月から適用される公共工事設計労務単価を公表した。全職種単純平均で前年度から4.5%引き上げられ、14年連続での上昇となった。加重平均値は2万5834円となり、初めて2万5000円を超えた。
公共工事設計労務単価 全国全職種平均値の推移
公共工事に従事する割合の高い主要12職種の平均は2万4095円で、前年度から4.2%上昇。「大工」の全国平均は3万331円で同3.1%上昇した。伸び率が最も高かったのは「交通誘導警備員B」の1万6749円(+6.7%)。次いで「交通誘導警備員A」1万8911円 (+5.8%)、「型枠工」3万1671円(+5.0%)、「運転手(特殊) 」2万9442円(+4.8%)、「鉄筋工3万31267円(+4.6%)などで大きく上昇している。
主要12職種の平均労務単価
大工の単価を都道府県別に見ると、最も高いのが「宮城県」の3万34800円。次いで、「秋田県」3万34400円、「愛知県」3万4000円、「岐阜県」「三重県」3万3800円の順。
なお、労務単価には事業主が負担すべき人件費(必要経費分)は含まれていないため、下請代金に必要経費分を計上しない、あるいは下請代金から値引くことは不当行為に当たるとしている
◇ファン付き作業服への補助拡大を検討 全年齢
厚生労働省は3月2日に開いた「第4回職場における熱中症防止対策に関わる検討会」の中で、熱中症防止のための報告書案およびガイドライン案を提示した。
報告書は、2025年12月からの同検討会での議論をとりまとめたもの。同年6月に改正された「労働安全衛生規則」に基づく重篤化防止措置の徹底や、熱中症の罹患(りかん)リスクを低下させる予防策、熱中症対策機器(ファン付き作業服など)への補助金の対象拡大などを盛り込んだ。
◇パナ、家庭用燃料電池「エネファーム」の戸建て住宅向け新製品
ナソニック エレクトリックワークス社(大阪府門真市)は、家庭用燃料電池「エネファーム」の戸建て住宅向け新製品を4月1日に発売する。カーボンニュートラル推進やGX志向型住宅の補助継続、2027年度からの「GX ZEH」要件化など、住宅分野でのエネルギー自立・最適化が求められる中、HEMSとの連携強化や新たな快適装備により、社会的要請と生活ニーズの双方に応える仕様となっている。
新製品は、太陽光発電の余剰電力予測をHEMSから取得し、エネファームの発電時間を自動調整する「HEMS連携おてんき連動」機能を搭載。固定価格買取制度(FIT)終了後に高まる自家消費ニーズに対応し、太陽光活用を最適化する。
また、要望の多かったマイクロバブルバスユニットとの接続にも対応し、入浴体験を向上させる。
さらに、ECHONET Lite通信によるデマンドレスポンス(DR)制御にも対応。電力需給に応じて発電・停止を行い、系統安定化に寄与する分散型電源としての役割も担う。同社はエネファーム普及を通じ、カーボンニュートラルとウェルビーイング向上への貢献を目指すとしている。