シンエイ通信
シンエイ通信【平成30年5月31日作成 102号】
- 2018.05.31 | シンエイ通信
■ 「TDYリモデルコレクション 2018」
TOTO(喜多村円社長)、大建工業(億田正則社長)、YKKAP(堀秀充社長)の3社は17日から19日まで千葉の幕張メッセで「TDYリモデルコレクション 2018」を開催した。3社共同のリモデルコラボフェアは3年ぶり。憧れの暮らし方の事例を〝十人十家(じゅうにんといえ)〟をテーマに10の空間展示として、それぞれを3社の最新商材に加え、協賛企業の照明や小物・雑貨といった実際の空間に置かれる商品も使い具現化した。来場者は〝自然を楽しむ〟がテーマの空間展示『太陽と風と仲良くすごす家』や〝ペットと暮らす〟をテーマとする『ネコと本と日だまりと』など高い質感の空間展示に見入っていた。「TDYリモデルコレクション 2018」の10の空間展示は、現在も3社共同のリフォーム情報サイト『リモデル.jp』内のコンテンツ『十人十家 くらしの想いを わたしらしく』で、(1)ビフォー・アフターの平面図(2)リフォームのポイント(3)リフォーム後の写真およびパノラマ動画――が閲覧できる。
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■ 住宅金融支援機構のリバースモーゲージ型住宅ローン
住宅金融支援機構のリバースモーゲージ型住宅ローン商品への申込・実績が、ここにきて好調に推移し始めた。実績戸数は前年度の4倍以上。高齢者人口の増加だけでなく、当初リフォーム対象に限っていたものを、徐々に借り換えや建設、購入にも使途を拡充してきたところ、取扱金融機関が増加。使いやすい環境が整いつつあるためとみられる。また、金融機関と連携し、住宅の住み替えを支援する事業者の取り組みも申請増加の一因。高齢者人口が増えただけでなく、長寿命化、ライフスタイル・価値観の多様化も背景にあり、これまで住宅ローン融資の対象となりにくかった高齢者の需要掘り起こしにつながりそうだ。
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■ LCCM住宅への補助
国土交通省住宅局は、住宅の省エネ・省CO2支援事業の説明会を開催し、LCCM(ライフサイクル・カーボン・マイナス)住宅への補助について解説した。LCCM住宅への補助は、サステナブル建築物等先導事業の省CO2先導型のLCCM住宅部門として今年度から新たに始まった。補助事業の実施により、LCCM住宅の普及を図り、地球温暖化の対策とする。対象は新築の住居専用戸建住宅で、1戸あたり125万円までを補助する。採択には、あらかじめ事業者が補助金対象となるLCCM住宅の予定戸数を事業として提案。評価委員会による審査を経て採択戸数と補助額が決定される仕組み。採択された戸数にしたがって交付申請を行い、基本的に今年度内に事業を完了させなければならない。ただし、個別事業の工事完了について、事情を勘案した上で柔軟に運用すると説明した。
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■ 2018年度の住宅着工戸数
建設経済研究所は4月26日、2018年度の住宅着工戸数が前年度比1・3%増の96万5400戸となる見通しを発表した。前年度の17年度を2・2%減の95万2800戸と予測した上で算出した。消費増税の駆け込み需要があると見込み、持ち家および分譲戸建住宅が増加すると予測する。ただし要因となる駆け込み需要について、前回増税の際ほどのインパクトはないとみているほか、影響は主に持ち家、分譲戸建てに対して出る傾向にあり、貸家、分譲マンションへの影響は限定的であることも加味して推計した。着工戸数の四半期ごとの動きを見ると第1四半期は2・1%減、第2四半期は0・5%減とマイナスを見込むが、第3四半期は4・3%増、第4四半期に4・1%増と伸びをみせると予測している。
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■ AI・ロボットを活用した住宅設計、見積もり、建築サービス |
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不動産テックのZWEISPACE JAPAN(ツバイスペース、東京都千代田区)は5月21日、不動産業を展開するPRESIグループのPRESI、PRESI-X、PRESI建設(東京都港区)と協業し、ロボット建築士兼鑑定士「オートカルク」を活用した戸建て住宅・賃貸併用住宅の設計、見積もり、建築サービスの提供を開始した。
「オートカルク」は建築士の約3万倍のスピードでアパートプランを作成可能という設計支援サービス。今回サービスを拡大し、賃貸併用住宅、戸建て住宅の見積もり作成に対応した。公正な査定ができるほか、相見積もりとしても利用できる。東京都23区の土地を中心に仕入れ、賃貸アパートを提供しているPRESIと協業することで、プラン作成から見積もり、建設までをワンストップで提供する。 |
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■ 建設現場で週休2日を
施工管理求人情報サービスのC4(横浜市)はこのほど、現場のリアルな事情を知るために実施したアンケート調査の結果を発表した。それによると、建設現場で週休2日を「実現するのは困難」だと考えている人が69%にのぼることがわかった。若手就業者を確保するため、国や業界団体は「週休2日」を推進しようとしているが、実際の現場では難しいと認識していることがうかがえる。
「週休2日」を困難にしている理由としては、「工期が間に合わない」33%、「給与が減る」26%、「建設現場の古い固定観念」17%、「下請けの多重構造」13%があげられた。休みが増えると職人の手取りが減ってしまうことは、以前より問題点として指摘されており、週休2日の導入を「すべき」とした人が52%に対し、「選択制にすべき」という回答も42%にのぼっている。「休むか稼ぐか個人で判断したい」という意見がある一方、「強制的にでも導入しなければいつまでも週休2日にならない」という意見も寄せられた。
建設業界では女性の就業者数を増やす取り組みを実施しており、現場でも86%が「女性の活躍は必要」と回答している。しかし「不要」だと考える人も7%いることから、同社では女性労働者の比率をあげるための環境づくりと同時に、意識改革の必要性についても指摘している。 |
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■ 『多能工化モデル事業』
国土交通省は5月29日、中小・中堅建設企業等が連携し、多能工の育成・活用によって生産性向上を図るモデル性の高い取り組みを支援する「多能工化モデル事業」の案件の公募を発表した。
複数の中小・中堅建設企業等からなる連携体、建設業団体、教育訓練機関等又はそれらの連携体により、多能工を育成するための研修プログラム等の作成や多能工の活用計画の策定・実施等の取り組みを支援するもの。 2018年度から起算して概ね3年程度の明確な行動計画及び目標数値を設定できること、2018年度内に支援額と同額以上を自己負担すること、などが要件となる。 支援額は、1案件あたり上限300万円(想定)を目途とする。具体的な支援額は、事業の計画と支援要望額の内容等を精査し決定する。応募期限は7月9日。 |
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■「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」
国土交通省は5月24日、全国の空き家対策を一層加速化させるため、今年度から創設した支援制度「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」の提案募集を開始する。
同事業は、空き家に関する多様な相談に対応できる人材育成や専門家等との連携による相談体制の構築、空き家の発生抑制等の共通課題の解決を行うモデルとなる取り組みを支援する制度。 市区町村、民間事業者等を事業主体とし、「人材育成と相談体制の整備部門」と「共通課題の解決部門」を設けて支援する。 補助率は定額。事業期間は2018年度〜2020年度。 応募締め切りは6月25日18時必着。採択事業の決定は7月頃を予定する。 |