平成29年11月30日作成 96号
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■ 多能工育成校が着工 大手住宅設備商材流通の紅中(大阪市)はハウスリフォーマー育成学院(長崎県)と提携し、旧高槻支店を同学院大阪校として利用する。2018年1月プレオープン、2018年4月開校を目指し、7月に着工した。近年、職人不足が深刻化するなか、国・民間企業を問わず職人育成に乗り出す動きが増えている。国土交通省は複数の技能を持つ「多能工」育成を議論を進めている。そうしたなか、同社は8月に同学院と提携を結び、旧高槻支店をハウスリフォーマー育成学院大阪校として利用することを決定。18年4月開校を目指して取り組んでいる。大阪校では、12日間・合計80時間のハウスリフォーマー(多能工)育成プログラムを実施する。自社で多能工を抱えることで、コスト削減や工期短縮などの利点がある。LIXIL、パナソニック、TOTOなどの建材を活用して施工法を実践学習する。現在、1クール・12日間の研修生6人を募集している。
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■ リバースモーゲージ普及へ 1991年創業のハウスドゥは不動産仲介から事業を始め、リフォーム業や不動産金融業、ハウス・リースバックなどへと事業領域を拡大。全国に直営16店舗、FCは462店舗の計478まで増加し、2015年3月に東証マザーズに上場、16年12月には東証1部へ市場変更した。 リバースモーゲージは持ち家を担保に金融機関から融資を受けられる制度で、月々の支払いは利息のみ。自宅に住みながら受けた融資を亡くなるまで自由に使えるもので、持ち主が亡くなると不動産を処分して金融機関が元金を返済してもらう仕組みだ。 高齢化社会において、自身が亡くなっても相続人がいないケースも増え、生存中は楽しく豊かに暮らしたいという人も多い。通常の銀行融資なら返済計画なども必要だが、同制度なら自宅に住みながら自由な使途での資金確保が可能になる。 同制度は米国では普及しており、日本でも1981年に導入され全国46機関で扱っているが、認知度も低く浸透しているとは言い難い。利用期間が長期にわたるため不動産売却で元金を返済する際に、融資査定時より不動産価値が下落しかねない。不動産処分を専門としない金融機関にとっては、対象物件の制度や担保評価における融資限度額に慎重にならざるを得ない。 また仮に金利が上昇した場合、同制度を利用した高齢者が月々の金利返済を続けられるのかという不安もある。長生きするほど返済額は膨らむため、仮に返済不能に陥ったとしても生存中に自宅を処分することは難しい。そこで同グループのネットワークやノウハウを生かし、不動産の価値を銀行の代わりに保証。顧客からの返済にも債務保証することで、銀行の貸し倒れリスクを回避する商品を開発した。同社は銀行からの保証料を収益とする仕組みだ. 顧客全員が長生きするわけでもなく、早く亡くなる方もいる。先行きの不動産リスクに対しても同グループはエリア別の相場動向を常に把握しており、今後はデーター化して価値評価していく。安藤社長は「日本ではモノは動いているが価値ある大きい金額である不動産が動かず、市場のとってマイナスだ。換金性がなければ流動していかず、経済にも影響している。リバースモーゲージを普及させたい」と語る。
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■ 木造建築 2012年8月に建築基準制度のあり方について国土交通大臣から諮問があった。それを受け、13年2月に第1次答申をまとめて耐震改修促進法を改正。14年2月の第2次答申では木造建築関連基準等の合理化及び、効率的で実効性のある確認検査制度等の構築に向けてまとめられ、建築基準法が改正された。 こうした流れを受け、17年10月から今後の建築基準制度のあり方について第3次答申の審議を始め、12月、18年1月と論議を始めていく。 大きなテーマは3つだが、なかでも既存ストックの活用については、第2答申からの継続検討課題に挙がり、17年6月に閣議決定した未来投資戦略2017にも改革すべき事柄として記載されている。 その主な中身は、今後さらなる増大が予測される空き家の利・活用や、活用するのに当たっての基準法への適合に大規模工事が必要となる場合の課題。また既存建物を活用する際に、防火・避難規定等の合理化に向けた技術開発の実施(総合技術開発プロジェクト)が必要であることなどが中心となる。 2つめが木造建築をめぐる多様なニーズへの対応に向けた整備の円滑化で、地域資源を活用した地域振興を図ることも必要とする。 3つめが適切な維持管理・更新による建築物の安全性確保について。糸魚川市火災や埼玉県三芳町倉庫火災などを踏まえ、適切な維持保全・改修等により、建築物の安全性確保、密集市街地の解消に向けた措置をとっていこうとするものだ。 木造の建築・活用促進に向けては、完全性確保を前提に木の良さを生かしたデザインの実現を一層促進するため、総合技術開発プロジェクトでの研究開発を踏まえた検討を進めている。現行基準では高さに応じて一律の防火規制を課しているが、周囲の建築物への加害を防止できれば合理的な規制が可能なはずだ。そこで消火までの間、建築物の倒壊を防止するために必要な性能を確保する設計方法の導入や、周囲の空き地確保、また建て方の多様化を踏まえ、規制対象となる規模の見直しなどが図られている。 また、内部延焼を防止する構造方法として防火壁だけでなく床による区画を可能とする提案や、「延焼の恐れのある部分」の範囲設定を延焼防止上支障がない範囲で合理化するなどの論点も挙げられている。
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■ 非住宅需要が本格化 11月のプレカット調査 日刊木材新聞が全国プレカット工場27社を対象に実施している稼働状況調査によると、10月の全国稼働平均は106.8%(前年同月比3.8ポイント増)となった。 出遅れていた秋需が徐々に盛り上がり、全国平均では受注環境が改善されている。しかし工場間の受注格差は開いており、前年を上回る受注の大手工場をはじめ、集合住宅や分譲住宅比率が高い中堅工場が着実に実績を残す半面、地場主体の工場は苦戦が続く。一部の地場向け工場では、秋の長雨・台風の影響により多くの受注残を抱えているが「期待ほどの好調感はない」と印象が大勢を占める。 非住宅物件は中規模を主体に本格化の兆し。大型物件受注の話も聞かれており、年末にかけて加工のピークを迎えそうだ。 集合住宅は堅調だが「需要に天井感が出ている」と、勢いの鈍化を指摘する工場関係者もいる。分譲系も順調だが、大手ビルダーが好調なのに比べ、地域ビルダーはエリアによっては新築棟数の伸び悩みも見られる。また大工不足から現場作業の遅れも見られ、工場によては加工スケジュールに多少の影響が出ている。 地場工務店は物件数、新規の見積もりともに低調。見積もりの確定率も上がらず工場稼働率改善の足かせとなっている。 12月の市状は、市場をけん引する集合住宅・分譲住宅がやや落ち着いてきたため、厳しい予想が目立つ。加えて、欧州材や米材を中心とした資材の値上げも年末にかけて継続しそうで、利益を圧迫している。流通は、際立ったひっ迫感がなく、構造材、構造用針葉樹合板とも実需に見合った仕入れで在庫過多を回避している。
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■ リフォームのナカヤマ完全子会社化 ヤマダ電機は、日本最大級のネットワーク・サービスのIOT企業として、家電販売を中心とした新たな事業領域の開拓に取り組んでいる。家電と親和性の高い住宅関連事業がその一つで、ヤマダ・エスバイエルホームやヤマダウッドハウスを通じたスマートハウス提案、ハウステックの製品を提供する新業態店舗の展開などを行っている。 ナカヤマは商品開発から製造、販売、施工、アフターサービスまで一貫して手掛けている。直営店約100店、物流拠点5カ所、国内工場1カ所、海外工場1カ所を展開しており、独立系リフォーム専業店では全国トップクラスを走る。 両社は今年2月に業務提携し、スマートハウス・リフォーム事業を推進してきた。今後はハウステックとナカヤマの製造コラボレーション、オリジナル製品の共同開発など、両社の持つ強みやノウハウを生かして同事業の強化を図る。 アサヒ衛陶とは、ヤマダのオリジナルブランド「ハーブリラックス」向けのトイレや洗面化粧台を共同開発するほか、ヤマダグループとの商品・部品などの共通化、製造・物流拠点の相互利用による事業の効率化を図っていく。
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■ 『住みたい』既存住宅の流通へ 国土交通省は6日、「安心R住宅」の事業者団体登録制度を交付し、12月1日に施工する。既存住宅の流通を活性化させる取り組みで、「不安で汚く、内容が分かりにくい」といったマイナスイメージを払しょく、「住みたい・買いたい」と思える既存住宅を選択できる仕組みを創設した。2018年4月から安心R住宅の標章使用を開始、運用を始める。 これは既存住宅の広告に安心R住宅のロゴ(標章)を張り付けることで、国が認めた物件であることが一目で分かる仕組み。「安心できれい、わかりやすい」という要件を満たした物件が市場に増えることで、流通を促進させようとする取り組みだ。 安心R住宅の標章を付与できる既存住宅は、耐震性があり、インスペクション(建物状況調査等)され、リフォーム等についての情報提供がある物件。新耐震基準に適合し、インスペクション実施で構造上の不具合及び雨漏りが認められず、瑕疵保険締結の用意があるものに限る。 国の関与の下、事業者団体が標章(安心R住宅)を付与する仕組みだ。安心R住宅のRは、リユース(Reuse),リフォーム(Reform),リノベーション(Renovation)を意味する。 安心できれい、分かりやすい既存住宅の流通を図る施策として、リフォーム工事により汚いイメージを払しょくする。または費用情報を含んだリフォーム提案書により、工事後のイメージが分かることも要件だ。外装や主な内装、水回りの現況の写真が閲覧でき、きれいであることを開示。広告時に点検記録などの保管状況が示され、求めに応じて保険・保証などの詳細情報を提示することも必要だ。 国が標章と、それを使える既存住宅の要件を設定し、標章使用を希望する事業者団体を審査・登録し、標章使用を許諾する。事業者団体はリフォームの基準及び標章の使用について事業者が守るべきルールを設定し、団体構成員である事業者を指導・監督する。事業者は要件に適合した住宅について、団体の基準やルールに則って広告時に標章を使える。 事業者団体登録の申請受付は12月1日からで、国交省住宅生産課住宅瑕疵担保対策室が受け付ける。また同制度実施に当たり、関連補助事業として住宅ストック維持・向上促進事業の安心R住宅版も開始する。
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■ パナソニック中堅ゼネコン松村組買収
パナソニックは、中堅ゼネコンの松村組(東京都)の発行済の全株式を習得し、松村組を連結子会社化することを公表した。12月末までに松村組発行済み株式の過半数、2018年度上期中には全株式を取得する予定。 パナソニックは10月にパナホームを完全子会社化しており、今回買収でパナホームが得意とする住宅分野と松村組が得意とする非住宅分野の相互連携が予想される。 松村組は1894年の創業以来、総合建設業として施工技術の研鑽と、品質やアフターサービスの向上に努めた建築、土木、リニューアル事業案件を全国各地で手掛けている。16年度の業績は、売上高352億1200万円、経常利益25億6300万円、当期純利益25億4200万円と減収増益だった。 パナソニックは「松村組の高い施工能力やノウハウと当社の先進技術、企画設計力など、両社の経営リソースを融合することで、より付加価値の高い住空間ソリューションを創出し、事業拡大を図っていく」と述べている。
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■ 九州北部豪雨の流木受け入れ 九州電力
九州電力は、九州北部豪雨で発生した流木の受け入れを10月から開始した。苓北発電所で石炭混焼発電用燃料として利用する。立木の受け入れ量は毎月最大で2800トンで、2019年3月までに最大5万トンを予定する。 今年7月に発生した九州北部豪雨は、福岡。大分両県に甚大な被害をもたらし、山腹崩壊などが多く発生した。立木の発生量は約20万トンと推測されおり、なかには築後川を通じて有明海まで達したものもあった。 同グループはこの状況を受け、復興に協力していく方法を模索。福岡県からの委託を受けて福岡県産業廃棄物協会が管理している流木を購入することで合意した。回収された流木は仮置き場の矢部川浄化センターに集約されており、今後はこれを長洲港から海上輸送で苓北発電所に運ぶ。 苓北発電所は1、2号機合わせて最大出力140万KW。既に地域からの間伐材などを受け入れ、石炭混焼発電事業を行っていた。今回も発電所内のチップ化設備を活用できるため、丸太の状態で受け入れることが可能だ。
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