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シンエイ通信【令和8年3月1日作成 195号】
シンエイ通信【令和8年3月1日作成 195号】
◇九州木材商況
九州・沖縄8県の2025年12月の新設着工戸数は、7060戸で、前年同月比0.4%増だった。
前年を若干超えており、25年4月の建築基準法改正後、確認審査の渋滞が続いていたが解消してきていることも影響している。分譲住宅の建設は好調に進んでいるものの注文住宅を中心に地場工務店の苦戦は続いている。
26年も九州各地で公共・民間を問わず木造非住宅や木質化の計画が進行している。住宅会社やプレカット工場は非住宅の受注に力を入れているものの、住宅需要が振るわないなかで非住宅の受注状況に左右せれる場合もある。
製品価格はほぼ変わっていないが、桧製品は安売りしているメーカーがあるため市場価格も弱保合。
一方、杉製品は長らく続く円安による外材の代替需要や木材価格を下げるためのプレカット工場の樹種変更などにより比較的荷動きが良い。メーカーはウッドショック以降、製品価格が徐々に下がってきたなかで、電気代、人件費など製材コストの上昇に伴う採算性の悪化を理由に値上げのタイミングを探ってきた。3月以降の値上げを唱えているメーカーも出てきており、今後の動向が注視される。
【国産構造材】
桧土台が苦戦
住宅着工の減少で全体的な荷動きは良くない。ただ、杉柱が売りづらい状況が続いてたが、円安による外材の代替需要や木材価格を下げるため、杉集成管柱から杉KD柱に変更する動きなどにより荷動きが上向いてきている。
一方、着工減と全体の数量増加により桧KD土台は特に荷余り気味で、安売りされている場合もあり先行きが懸念される。
製品価格はほぼ横ばいだが、メーカーが値上げを唱えると徐々に浸透していく可能性もある。
【国産羽柄材】
引き合い安定
住宅価格の高騰により好調なリフォーム向け、非住宅向けの好調は続いており、杉KD間柱、同小割ともに引き合いは安定している。製品価格はほぼ横ばいだが、電気代や人件費に加え原木価格の高止まりなどによる製品コスト上昇を理由に、メーカーが値上げを唱える雰囲気が高まっており、全体的に値上げを決めたメーカーもある。
【外材】
欧州材集成材値上げ唱え
入荷の不安定さや円安などからコスト高になっている欧州材構造用集成材は、値上げ要請が強まっている。
ただ、住宅需要は低調なままで、横架材では米松平角が横ばい。プレカット工場は輸入製品の入荷懸念もあり、国内メーカーからの手当てを継続する意向だが、値上げは一部にとどまっている。非住宅木造物件は需要回復が見込まれているが、予算面は厳しくなっており、杉KD材など地域材が優勢して使用される見込み。
羽柄・小割材は米松・欧州材とも居所高のまま。流通業者の国産材取扱比率がより高くなってきた。
【集成材】
第1四半期成約量伸びず
2、3月は需要の端境期で、プレカット工場の稼働は想定通り落ち込んでいる。構造材の荷動きも全体的には鈍さが目立つ。そのなかで国内産の構造用集成材は、1月の生産量は全体的に前年同月より多くなったようだ。これは、昨年1月に本格稼働を始めた新工場の生産分が、今年は年初から実績として出てきたためとみられる。2月も、中十までの稼働に大きな落ち込みは見られず、少なくとも前年同月並みは確保される見通し。
実需の不振にもかかわらず国内産の受注が堅調な背景には、輸入構造用集成材の入荷減少がある。輸入品は昨年10月から入荷量が減少し、年明け以降も同程度か若干増の低水準で推移しているとみられている。そのため、輸入品から小屋内さんへの需要シフトが続いているようだ。
今年第1四半期契約分の輸入Wウッド・Rウッド構造用集成材は、420ユーロ前後を中心に、前回から約10ユーロ程度下振れした。1ユーロ180円台の歴史的な円安が続いているため、入荷コストは前回からほぼ変わらず、今春も足元のコスト高が続く資産となっている。入荷コストが高止まりの見通しとなったことで、販売価格への稼働に苦戦している日本側の買い気は伸びず、成約量は前回の交渉時より縮小したとみられている。そのため、6月までは輸入品の入荷量が大きく増えることはなさそうだ。
【合板・建材】
針葉樹構造用が保合
針葉樹構造用合板の荷動きは低調。住宅需要は先行きも厳しい見通しで、プレカット工場、流通業者とも必要買いに徹している。ただ価格は横ばい。九州内はメーカーの生産訂正が続くなか影響は見られない。
比較的順調な出荷が続いているのは厚物合板で、非住宅物件や省エネ対応などに安定した手当てがある。今年は非住宅木造建築の計画などが多めで、先行きにも期待感。長尺合板は賃貸住宅などで年度末向けの需要が一巡した。
輸入型枠用合板は入荷減、円安によるコスト高などから売りづらい。大型建設プロジェクトが資金難で延期、縮小する事例などが増えており、今後の需要も不透明なまま。
◇25年着工、74.1万戸 持ち家は法改正が大きく影響
国土交通省が1月30日に公表した2025年の新設住宅着工戸数は74万667戸(前年比6.5%減)で、3年連続の減少となった。24年同様、持家、貸家、分譲宅の全てが減少。過去10年間では最も少なく、かつ1963(昭和38)年以来の低水準となった。
持家は20万1285戸(同7.7%減)で、4年連続で減少。建築基準法改正に伴う駆け込み着工の反動減に、建築確認の審査期間が35日に延びた影響も重なり、戸数としては1958(昭和33)年の18万8656戸に次いで低い水準となった。
貸家は32万4991戸(同5.0%減)で3年連続の減少。分譲住宅も20万8169戸(同7.6%減)で、3年連続で減少した。マンション(同12.2%減)が減少し、一戸建て(同4.3%減)も価格上昇の影響で販売が弱含みしていることなどから減少が続いた。
◇ヒノキヤGの木造住宅93棟で不適合 仕口金具の性能が不足
国土交通省は1月30日、ヒノキヤグループ(東京都千代田区)の「パパまるハウスカンパニー」が供給した木造住宅の一部で、建築基準法の規定に適合していない可能性があると発表した。
同省は同社に対し、所有者など関係者への丁寧な説明と迅速な是正、原因究明・再発防止策のとりまとめ、相談窓口の設置を速やかに行うよう指示している。
同事案は、2025年10月9日に同社から報告を受けたもので、木造住宅93棟で仕口に性能を満たさない金物が取り付けられている可能性があるという。このうち1棟では構造安全性の検証により建築基準法の規定(建築基準法施行令第47条第1項)に不適合だったことが判明した。残りの92棟についても引き続き、検証および是正を行う。
設計チェック体制に不備
対象住宅は、2008年10月1日から2023年8月31日に設計した「パパまるハウス」ブランドの物件住宅1万3076棟のうちの93棟。県別の内訳は、長野県34棟、新潟県16棟、茨城県10棟、山形県8棟、その他25棟となっている。
柱や梁・土台など2本の部材が接合される仕口は、国土交通大臣が定める構造方法によりその部分の存在応力を伝えるよう緊結しなければならない。構造方法については、平成12年建設省告示第1460号「木造の継手及び仕口の構造方法を定める件」により定められている。
同社によると事案の発生当時、設計図完成に至るまでのフローでチェック体制が不十分だったため設計上のミスが発生した。再発防止のため2023年9月に設計図のチェック体制を構築したほか、構造計算業務の方法の変更、外部委託の開始、社内研修の実施などを進めている。
◇住友林業、米住宅王手を6500億円で買収 全米5位

米国子会社「スミトモ・フォレストリー・アメリカ」の傘下に新たに立ち上げる子会社とTPHが合併する。2026年4〜6月期中に買収が完了する見込み。同日開いた記者会見で光吉敏郎社長は「中長期の成長のための布石となる」と話した。
住友林業は10年代に入り、米国においてM&Aを進めている。24年時点で1万1300戸を供給し、ホームビルダーでは第9位につける。今回の買収により、現地での年間供給戸数は計1万8000戸となり、全米第5位となる見込み。
エリア拡大による事業成長も見込む。TPHは、住友林業が未進出のカリフォルニア州とネバダ州において事業基盤を持つ。特にカリフォルニア州の人口は3900万人と多く、住宅需要も高い。富裕層も多く住み、戸建て住宅の販売価格は他州に比べて高い。

同社にとって米国は経常利益のうち6割を占める主力事業だ。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「米国の住宅市場は中長期的に成長期待が高く、投資の方向性は評価できる」と指摘する。
米国は人口増加により住宅需要の増加が見込まれている。同日発表した26年12月期の連結決算では売上高は10%増の8620億円を見込む。足元では高金利が続き住宅需要は縮小しているものの、住友林業は30年に米国での年間供給戸数を2万3000戸まで伸ばす目標を掲げる。
日本国内は住宅市場の縮小が進む。25年の新設住宅着工戸数は前の年に比べ7%減の74万667戸となり、1964年以降で最低となった。野村総合研究所は40年度には61万戸に落ち込むと予測する。
日本では市場が縮小する中、国内の大手住宅メーカーでは、米国事業の成長に向けたM&Aが相次ぐ。積水ハウスは24年に米ビルダーのM.D.C.ホールディングス(現セキスイハウスU.S.)を約7500億円で買収した。

大和ハウス工業も25年11月、米南部アラバマ州を中心に戸建て住宅を手掛けるレンから買収し、同年9月には中小住宅メーカーのウィンザーから戸建て住宅事業を取得した。24年には住宅メーカー向けに宅地を造成する土地開発会社も買収している。
住友林業は同日、株式と社債の両方の特徴を持つ「社債型種類株」の発行登録書を関東財務局に提出した。最大で1000億円を調達する。社債型種類株は会計上の資本に認定され、普通株式の希薄化に回避した資金調達ができる手法でANAホールディングスなども導入している。今回のトライ社の買収も含めて、今後の海外M&Aを見据えて財務の健全性に配慮した資金調達を進める。
◇アキレス、猛暑対策に使える高遮熱✕透明フィルム
アキレス(東京都新宿区)は、猛暑対策製品の新ブランド「アキレス ソーラークリア」から、窓に貼ったり、間仕切りとして使って遮熱する透明軟質塩化ビニルフィルムを22月2日に発売した。
日射透過を約65%カットする「アキレス ソーラークリアW」(窓貼り用)と、日射透過を約40%カットしつつ消防法に基づく防炎性能を備えた「アキレス ソーラークリアS」(間仕切り用)をラインアップ。
「W」は、窓に貼って室内温度の上昇を抑える透明フィルム。
遮熱しながら室内の明るさは保ち、紫外線を約99%カットするため家具や床材の色あせや日焼けを防止する。自己粘着タイプのため、接着剤を使わずにガラス面に繰り返し貼り付けることができ、剥がしてものり残りしない。
間仕切り用の「S」は高い遮熱性と防炎性を備え、「W」と同じく室内温度の上昇を抑制し紫外線も約99%カットする。消防法施行令第4条の43で定める防炎性能の基準に適合し、難燃性が求められる工場や倉庫の間仕切り、カフェテラスやグランピングなどの屋外施設の間仕切りに適する。
厚さ0.2mm×幅100cm×巻数20m・厚さ0.5mm×幅137cm×巻数30m



