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シンエイ通信【令和4年3月1日作成 147号】

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シンエイ通信【令和4年3月1日作成 147号】

◇針葉樹合板 さらに値上げ続く

国産針葉樹売合板は、東西双方の合板メーカーが3月出荷分から12mm厚3x6判の建値を今月比100円値上げとなる。

原木価格の上昇が続くうえに接着剤価格も上がるなど国内合板メーカーの想定を上回る勢いで生産コストが上昇、価格転嫁を進めざるを得なくなった。

12mm厚以外では、24mm厚3x6判・28mm厚3x6判がともに、200円値上げとなる

値上げの要因の一つは内外産原材料の上昇。東北地方では、西部での杉丸太価格の上昇が東部にも波及している。集成材メーカーとの競合が続いているうえに、東北域外の企業が丸太を手当てしていることから、一段と上昇。合板用杉丸太の中心価格は1万5,000円(立方㍍合板工場着)と前月比1,500円高となっている。さらに、カラマツ丸太は2万2,000~5,000円(立方㍍合板工場着)と3,000円高。こちらも製材や集成材メーカーとの競合で値上がりが続いている。しかも、ロシア産カラ松単板が船操り問題や冬場の日本海の悪天候で納期遅れが続くなかで、必要度は一段と高く、高値でも手当てせざるを得ない状況だ。米松丸太も日本側が確保したいほどの数量は集まらないうえに現地価格が上昇している。

さらに、接着剤価格の上昇も続いている。石油・天然ガス価格の高騰で接着剤原料の値上がりは収まらず、昨年末から今年初めにかけても一部の接着剤メーカーは、合板など大口顧客に対して段階的に値上げを依頼している。需要は、プレカット会社を中心に引き合いは依然として強い。「降雪地域などで一服感もあるが、かいを緩めれば春先からの仕事に影響するリスクがあるので、通常数量の手当てを継続している」供給を上回る需要が続く中、需給のひっ迫と国産材丸太を中心とする生産コストの上昇が収まる兆しは見えない。

◇マグ・イゾベール全製品の値上げ

マグ・イゾベール株式会社、2022年 4月1日出荷分よりグラスウール全製品の販売価格を20%値上げします。
マグ・イゾベール株式会社は、グラスウール全製品の販売価格を見直し、2022 年 4月1日出荷分から新価格を適用します。
弊社では、生産効率の向上や経費削減及び業務改善など、コストダウンに努めて参りましたが、昨今の原燃材料の高騰、輸送費の上昇など全般にわたる費用増加を、自助努力では吸収し続けることが困難となったため、やむなく価格改定をせざるを得ない状況と判断いたしました。

■対象商品:グラスウール全製品(住宅用、建築用、設備用、産業用、船舶用、その他全用途)

■実施時期:2022年4月1日出荷ぶんより実施

■改定幅:20%アップ 

 

 

◇大建工業、最新カタログ発刊に合わせ最大15%の値上げ

大建工業は2月21日、カタログ掲載製品のメーカー希望小売価格を4月21日出荷分から改定すると発表した。対象製品と改定率は下表のとおり。

石化製品や木質原料などの原材料価格や輸送コストの上昇が止まらず、企業努力だけでは現状価格での製品供給が困難な状況となった。4月21日に総合カタログを新たに発刊するのに合わせて価格改定に踏み切った。

 

 

◇ハウステック、4月1日から最大25%程度値上げ

 

 

ハウステックは、住宅用設備機器の全般を4月1日受注分より、最大25%程度値上げする。

価格改定内容での見積もりは3月1日依頼分から実施。原材料の高騰が続くなか、生産性の向上、合理化によるコストダウンなどに取り組んできたものの、企業努力での吸収可能な範囲を超えたという。対象製品は以下の通り。

■手配対応内容・3月29日迄の手配:改訂前価格となります。・4月1日以降の手配:新価格となります。■見積り対応内容・4月1日より新価格でのお見積りとなります。

◇TOTO、最大20%値上げ「コストアップへの対応が困難」

 

TOTOは希望小売価格を10月1日受注分から最大20%値上げする。

同社では全社をあげて合理化によるコストダウンに取り組んできたものの、原材料価格の上昇が続いており、企業努力だけではコストアップに対応することが困難になったという。

対象商品と改定率は以下の通り。

◇MDF、4月から15%~20%値上げ
ホクシンは、MDF製品を4月から、3月末価格に比べ15%~20%値上げすることを発表した。エネルギー、チップ、接着剤といったMDF製造にかかわる主要コストが一段高となり、昨年来値上げしてきた単価ではコストを確保できない状況に陥ってきているとして再値上げを検討している。値上げ要請は3月から開始する。
同社は昨年来、エネルギー関連や諸資材のコスト高を理由に、取引先に対しMDF製品について、今年3月末をめどに2021年3月末比で20%の値上げを進めてきた。しかし今回、あと1ヶ月を残して再度4月からの値上げを表明することになった。背景として、諸コスト高要因が強まり、値上げ済み価格でも限界コストに達することになるとして、再値上げに踏み切る。同社によると21年3月末に比べエネルギー関連全体で60%、チップ25%、接着剤40%の値上がり幅になるという。エネルギーは主要原料のLNG(液化天然ガス)が70%高となったほか、電力関連では再生可能エネルギー賦課金や燃料調整費の値上げなどで50%高となる。木質繊維の原料となる輸入チップは海上運賃(フレート)高や近海船の確保難などで総じて20%高となる。接着剤はLNGの値上がりから尿素が50%、メラミンが40%、接着硬化剤やワックス関連がそれぞれ20%、MDIが20%高と、接着剤関連で40%高となっている。
またニュージーランドほかからの輸入品も、為替が1ドル109円から115円以上の円安が見込まれることや輸出価格の値上がりを4月から提示する。
ホクシンは現在、月間でスターウッド(sw)8500立方㍍、薄物sw4500立方㍍の径1万3000立方㍍を生産しているがいぜんとしてMDF需要への引き合いが旺盛だ。swで0.9カ月、薄物swで1.5カ月と、同社が目指す適正在庫にはそれぞれ0.3カ月、0.5カ月少ない状態が続いている。
市中からの引き合い要請が依然つよいこともあるが、同社は顧客への新規価格受け入れを強く要望している。

◇バルコニー床を人工木デッキに変更、アウトドアリビングに

三協立山 三協アルミ社(富山県高岡市)は、バルコニーの床を人工木デッキ材に変えることでアウトドアリビングを演出する「躯体バルコニーデッキ ひとと木2・ひとと木キュアーズ」を3月1日に発売する。

リビングとつながりのあるくつろぎ空間がつくれる、木質感+耐候・耐久性を両立する人工木デッキシステム。
床板の「ひとと木2」は天然木の風合いを、「ひとと木キュアーズ」は自然な色ムラと浮造り風の質感を再現。板厚は46mmと30mmの2タイプあり、46mmタイプはカラーバリエションが豊富(7色)で、30mmタイプはサッシ下枠までの段差が小さいバルコニー床面にも設置できる。

施工は、支持脚金具をねじ止めしたアルミ形材の根太の上に床板を並べて固定するだけ。2タイプの根太と支持脚金具の組み合わせにより、床高さを最小84mm、最大211mmまで調節可能。参考価格7万6000円~(ひとと木2たて張り、間口1.0間×出幅3尺、高さ100~132mm、税別)。

「躯体バルコニーデッキ」ひとと木キュアーズ
カラー:アッシュナット、サイズ:間口2.0間×出幅5尺、納まり:たて張り
価格22万8900円(税別)

◇ドイツは断熱性だけじゃなく遮音も追求

騒音は、人間の健康に被害を及ぼす。WHO(世界保健機関)による欧州の調査では、騒音による健康被害を、空気汚染に次いで2番目に大きな公害と位置付けた。騒音は人間にストレスを与え、循環器系や代謝システムの機能を弱める。

ドイツ環境省が1700人のベルリンの高齢者を対象に行った調査(2003年)によると、騒音レベル55dB以上の寝室で寝ている人は、高血圧で医者にかかるリスクが、50dB以下の寝室で寝ている人の2倍以上ある。また同じく環境省の別の調査(2004年)では、日中の交通騒音が65dB以上の住居に住んでいる高齢者男性が、騒音60dB以下の住環境の同年代男性より、心臓発作リスクが20~30%高いことが確認された。

ドイツでの建物の建設においては、遮音に関する規制「DIN4109」があるが、これは省エネルギー規制よりも歴史が長く、1944年からある。
当時、集合住宅の界壁に求められていた空気音の遮音性能(D値)は、周波数100~3000Hzの領域で48dB以上と、現代の基準と大差はない。現行のDIN4109は2018年改訂のものであるが、界壁だけの遮音基準だけを義務付ける日本の建築基準法に比べ、外の騒音(交通など)に対する遮音性能から、界壁、界床、階段、ドア、機械設備での遮音性能まで、広範囲に及ぶ最低基準が定められている。

◇室内犬が滑りにくいマンション用直貼り防音フロア

朝日ウッドテック(大阪市)は2月、室内犬の関節疾患リスクを減らす滑りにくさと天然木の素材感を備えた、マンション用直貼り防音フローリング「Live Natural ネダレス145 for Dog」を発売する。

表面化粧材の突き板に特殊塗装をほどこすことで適度な滑りにくさと、抗ウイルス・抗菌・耐薬品・耐汚染性、床暖房に対応する寸法安定性を確保。防音性能は最も高い「LL-40」をクリアしている。
13.5×145×909mm。4樹種。税別1万8680円/平米〜。