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シンエイ通信【令和3年10月1日作成 142号】

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シンエイ通信【令和3年10月1日作成 142号】

 

◇ドライ・ビーム、杉集成管柱 10月1日納品分から1万円値上げ

中国木材(広島県呉市)は、需要が旺盛なドライ・ビーム(平角・正角)、杉集成管柱の1万円(立方㍍)値上げを10月1日納品分から実施する。

丸太価格が高値に引張り付くなか、船運賃の高騰が著しい。杉丸太の供給不足は変わらない。

北米産地では秋を迎えてようやく山火事が落ち着きだしたようだが、米松丸太の価格は高値に張り付いたまま推移している。

米国は丸太の積み荷港で船が滞船、荷役労働者の不足による集荷遅れ、積み込み遅れが目立つ。特に丸太以上い高騰している船運賃は先行きが全く読めない状況だ。

また、同社工場では外国人実習生が集まらず人手不足のまま、フル生産するために日本人従業員を増やしているが、人件費の上昇等コスト高を招いている。また、杉丸太の供給不足も変わらない。8月は出材が減少しる時期だが、さらに各地で豪雨や長雨が続き丸太の伐採に影響が出ている模様だ。

今回の値上げは受注制限を続ける需要の多いドライ・ビーム(平角・正角)、杉集成管柱の3品目。それぞれ1万円(立方㍍)の値上げで、10月から市場相場はドライ・ビーム(平角)10万2000~4000円(問屋着立方㍍)、ドライ・ビーム(正角)11万4000~6000円(問屋着、立法㍍)、杉集成管柱12万1000~4000円(問屋着、立法㍍)についている。

北米製材市況は、9月第2週の構造材15種平均価格が前週比22ドル高の418ドル(1000BM、ノミナル)となり、2週連続で上昇している。

山火事や丸太不足による工場の減産、新型コロナウイルスの感染再拡大、米国南部を襲ったハリケーンなど供給面での不安が台頭する一方、9月に入り秋需を見据えた仕入れの時期に差し掛かったことが背景にありそうだ。相場急落のきっかけになったホームセンター需要の回復も指摘される。5月下旬から3か月続いた下落局面から脱することができるどうかが注目される。

 

 

◇集成管柱減産幅4割に強化 国産材ラミナ乾燥能力は拡充へ

ティンバラム(秋田県南秋田郡)は、10~12月のWウッドとRウッド集成管柱の減産幅を40%に強化する。

6月から同製品の35%減産を継続してきたが、7~9月のラミナ契約交渉が不調に終わり、10~12月はWウッドラミナを中心に従来比6割ほどの入荷しか見込めないことに対応する。管柱はもう一段階の値上げを余儀なくされる見通し。一方、国産材構造用集成材は製品生産量を拡充するため、来年初めをめどに国産材ラミナの乾燥設備を稼働させる予定だ。

同社はウッドショックによる深刻なラミナ不足を予測し、得意先への継続供給に取組むため、4月から構造用集成材全体で25%の減産(減産前は月間約7000立方㍍の生産実績)を開始。また、6月からは集成管柱で35%、全体で30%の減産を続けてきた。

だが、欧州材の産地価格は現状でも高止まりが続いており、同社集成管柱用ラミナの主力調達先だったフィンランドの製材工場が6月に閉鎖した影響も大きく、10~12月のラミナ入荷は欧州材集成材業界全体としても厳しい状況になると予測されている。

同社は様々な代替供給策に取り組み、梁、土台については生産量を徐々に回復させているが、特に管柱用Wウッドラミナの入荷は改善どころか悪化しており、金子社長は「住宅需要が前年比増で推移する中で、流通業者の皆様の要望に応えられず申し訳なく思っている」と話す。

また、7~9月に続き、10~12月の契約交渉でも欧州産地の提示価格は下がっておらず、国内の製品価格全般は来年1~3月も現状の値上げ基調を維持せざるを得ない見通しだ。

米ヒバのラミナは産地価格が下がり始めているものの、山火事の影響で丸太出材が不透明で、実際にはものが出てきていない。

同社は米ヒバ土台などの生産調整を続け、国産材の桧土台への切り替えを進めている。

一方、国産材構造用集成材の生産能力拡充への取り組みを開始した。

JKホールディングス(東京都、青木慶一郎社長)が旧・協同組合秋田県北木材センターの跡地と乾燥設備を購入し、ティンバラムがそれを借りて同社大館花岡第2工場という形で運営することで、国産材ラミナの乾燥能力を大幅に拡充する。来年初めから乾燥設備を稼働させる予定で月間約1000立方メートルの国産材ラミナ乾燥が可能になる。

杉、ヒノキなどのラミナ集荷は、関東など消費地での製材品価格が高止まりするなか、引き続き厳しい状況が続いているが、受け入れ態勢を整備することで、様々な国産材構造用集成材への供給要望に対応していく。

◇配置換え自由な脱着式キャットウォール発売

LIXIL(東京都江東区)は、レイアウトを自由に変えられるマグネット脱着式のキャットウォール「猫壁(にゃんぺき)」の一般販売をオンラインショップで11月1日に開始する。

ステップ、トンネル、ボックスの3つの機能パーツを、猫の性格や成長に合わせて何度でも配置換えできるキャットウォール。

丸みを帯びた安心感のあるデザインとし、インテリアに馴染む5色を用意した。
取り付け補助部材+工事込みの税込参考価格は「猫壁セット(小)」が17万6000円(壁パネル幅900×長1200mm×2枚、ステップ×3、トンネル×1、ボックス×1)。

この「猫壁」は、ペット保険のアニコム損害保険(東京都新宿区)の協力を得て、LIXIL Housing Technology Japanの新規事業部門「ビジネスインキュベーションセンター」で開発。2020年12月から応援購入サービスのMakuakeを利用してプロジェクトを実施、1700万円以上を売り上げたという。プロジェクト終了以降も商品化を希望する声があったことから、今回、取付工事付きで一般販売することになった。発売に伴い、オフィシャルサイトとInstagram公式アカウントを開設。

◇窓に貼ることで景色が濃く鮮やかになるフィルム開発

三井化学(東京都港区)と丹青社(同)は、窓やショーケースに貼ることで景色や展示物を鮮やかに見せる「ポジカフィルム」を共同開発。

三井化学の100%子会社である三井化学ファイン(東京都中央区)が9月から販売を開始する。

2社の協業第1弾として、三井化学がメガネレンズ材料分野で築いた「くっきり色素」技術を使って今回のポリエステルベースのウインドウフィルムを開発。窓に貼ると、青空や海、木々の緑や花の色が濃く鮮やかに感じられたり、雲がより白く見えたりするという。

 

◇20代の住宅購入額や借入金額の平均は?

働き始めてからの年数が短く、まだ収入が少ない人が多い20代。

厚生労働省の「人口動態統計」によると、2019年時点の平均初婚年齢が、男性が31.2歳、女性が29.6歳であることからも分かる通り、20代のうちは「結婚をするかしないか」という段階の人が多いようです。この時点で早くも住宅購入を決断した人は、どの程度の頭金を準備しているのでしょうか。親からの資金援助を受けているのか、そして購入した住宅の金額や借入金額についても調査をしました。

20代の住宅購入者と、住宅購入を予定している人に、「頭金」をどのくらい用意したか(用意しているか)調査をしたところ、「頭金なし」の人が最も多く29.4%を占めました。次いで「50万円以上100万円未満」が25.5%、「100万円以上300万円未満」が17.6%という結果に。6割以上の人が、頭金なし~100万円未満で対応しています。

用意した頭金のうち、親から資金援助を受けた金額を問うと「資金援助なし」が50%と、ちょうど半数という結果でした。以下「50万円未満」「50万円以上100万円未満」がともに16.7%と援助なし~100万円未満の人が8割以上を占め、親から多額の資金援助を受けている人は少数派のようです。

20代で住宅を購入した人は、どのような条件で家を購入しているのでしょうか。
20代の人が購入した住宅にかかった金額は平均2,849.9万円(中央値3,000万円)。

そのうち借入金額は、平均2,255.88万円(中央値2,500万円)、毎月の住宅ローン返済額は平均6万3,675円(中央値7万円)で、住宅ローンの借り入れ期間は平均30.46年(中央値35年)、完済予定期間は平均28.67年(中央値31.5年)でした。

早期の住宅購入とあって、時間をかけて返済しようと考えている人が多いようです。

20代の平均的な金額の住宅を購入した人は、どのような内訳で住宅を購入し、住宅ローンを借り入れているのでしょうか。

子どもが産まれ、一人娘のため親と同居をすることに。

築55年の古家を解体する費用として200万円+新築費用として2,600万円をかけて注文住宅を建てました。

住宅ローンは【フラット35】の35年ローン。毎月返済額は7万円です。父の退職金を充てて15年で完済予定です。(

静岡県/29歳/女性/世帯年収700~800万円)

結婚を機に、住宅購入を決意。夫婦共働きのため、最寄駅から徒歩3分の立地に惹かれ、3,300万円の建売住宅を購入しました。住宅ローンは変動金利の35年ローンで、毎月返済額は9万円です。(大阪府/27歳/男性/世帯年収700~800万円)

片働きで、子どもを授かってからでは費用の捻出が難しくなること、住宅ローン金利が低いことから、注文住宅を建てることに。

土地代として700万円+新築費用が2,300万円かかりました。メインバンクで借り入れた住宅ローンの、毎月返済額は7.3万円です。35年ローンのため早期返済したいですが、難しそうです。(栃木県/25歳/男性/世帯年収500~600万円)

20代のうちは結婚や出産、転勤、転職といった不確定要素が多く、収入もまだ少ないため頭金を十分に用意できないなど、住宅購入を決断しづらいと感じるかもしれません。しかし、年齢が若い分、返済期間を十分にとれるため、住宅ローンの借り入れ時に余裕を持った返済計画を立てやすい一面もあります。20代で住宅購入を検討している人は、今回の調査結果を参考に計画を立ててみてはいかがでしょうか。

◇パナソニック、気流コントロールで清潔な空気環境の実現へ

パナソニック(大阪府門真市)は、気流をコントロールすることで、清潔で快適な空気環境を実現する「エアリーソリューション(ブースタイプ)」の受注を10月から開始する。新型コロナにより一層多様化する働き方だが、リアルでのコミュニケーションや共同作業などのためオフィスに出社する必要性も再認識されている。会議室、コミュニケーションエリア、執務スペースなど様々な場所に設置し、空気環境を清潔に保つことで安心して円滑なコミュニケーションが図れるとする。

天井に設置したルーバーから流れる誘引気流技術を活用した均一なダウンフロー(面気流)により、エアロゾルの滞留を抑制し、HEPAフィルターで浄化する仕組みで、毎分1万2000リットルの浄化された空気をブース内に供給する。また、設置エリアの空気環境は常時モニタリングでき、定期的にレポートを発行し、問題点の発見や改善提案も行う。

エアリーソリューション ダウンフローの気流イメージ