お知らせ
シンエイ通信【令和2年12月1日作成 132号】
シンエイ通信【令和2年12月1日作成 132号】
☆接合強度の「見える化」推進
金物工法推進協議会は、金物工法の接合強度の「見える化」とプレカット工場による安全で合理的な構造計算を推進するため、ウォールスタットを使った伏図作成手法の確立と普及に取り組む。
【耐震性能の見える化】を実現!木造住宅倒壊解析ソフト wallstat(ウォールスタット)
ウォールスタットと直結し、金物工法の強度データを渡せるプレカットCADを活用。構造ブロックという概念を取り入れて設計された伏図データで耐震シミュレーションする。
実際の金物強度で安全性を確かめることで、耐震性に優れた金物工法の特徴をアピールできると見ている。設計手法の完成後はセミナーなどを通じて普及を図る。
ネットイーグルがプレカットCADと直結するインターフェースを開発。同社のプレカットCADで入力した在来工法及び金物工法データをウォールスタットに直接渡せるようにした。
ウォールスタットと直結するプレカットCADは初めて。従来はCEDXM(シーデクセマ)を使って連動させていた。CEDXMを読み込む場合、在来工法も金物工法も接合部がすべて同一の強度データとして受け渡されるため、個別の強度が反映されなかった。
ネットイーグルは、金物工法の正確な接合部強度でシミュレーションできるよう、耐震性能見える化協会で認証されたタツミのテックワン金物とBXカネシンのプレセッター金物の強度データを受け渡し、それぞれの強度で解析出来るようにした。今後、他のメーカーの金物データ渡せるようにする。
金物工法推進協議会は、安全で合理的な設計手法として、構造ブロック(荷重の流れを検討する際の基準となる最大5x5P構造単位)の設定と直下率(上下階の柱と壁の位置が一致する割合)チェックを提唱する。木造住宅デザイン研究会のユア・ホームとともに、セミナーなどで普及に取り組んできた。
協議会では、ウォールスタットでの解析に求められる設計情報が、構造ブロックを設定した段階の伏図情報で十分であることに着目。ウォールスタットで耐震性能を見える化できれば、金物工法のみならず、構造ブロックを取り入れた設計手法の普及にも繋がると判断した。
具体的には、プレカット工場が構造ブロックを設定し、伏図を完成させるという方向で検討している。
構造ブロックは、ネットイーグルの伏図作成支援ソフト「ステップ・ナビ」を活用すれば、容易に設定できる。
ウォールスタットは、プレカット確定図面で入力すると、入力すると、間崩れなどで不具合が起こる。必要な情報だけを入力するなら構造ブロックで十分、ウォールスタットの入力効率化にも繋がる。
CEDXM(シーデクセマ)の入出力に対応
プレカット専用CADで作成された構造伏図を「B-MOS」にそのまま取り込むことで、構造伏図の入力作業を軽減できるだけでなく、入力による間違いを防ぐことができます。
また、「B-MOS」の構造伏図データをCEDXMデータとして出力することも可能です。
取り込んだ伏図はB-MOSのプランデータに合成して、長期優良住宅等の申請図面や構造計算、積算見積にも反映することができます。
プレカットデータを有効活用して、作業効率を向上しましょう。
☆新しい住環境の理想形は?
コロナ禍での在宅勤務を経験した従業員1000人を対象とした「新型コロナウイルス感染症により変化する住まいのあり方調査」の結果を発表した。
“住まいのプロ”である従業員1000人を対象とした調査を行うことで、新築住宅・リフォームなどこれからの新しい住まいの考え方の参考資料として活用されることを目的としたもの。
緊急事態宣言中の5月と、新しい日常が定着してきている10月の2回にわたり、アンケート調査を実施した。
「住まいにあって良かったものランキング」では、玄関手洗い、抗菌グッズ、空気清浄機等の「ウイルス対策設備」が緊急事態宣言中・解除後ともに根強く評価された。1位以下のランキングについても、家族の在宅時間の増加に伴い、実際に役に立つと認識されたものが多くランクインした。
「在宅時間増加により、新たに取り組んだこと・大幅に費やす時間が増えたもの」ランキングでは、外出自粛によって家族で家にいる時間が増加したことで、自宅でアウトドア(グランピングやバーベキューなど)をする人や、新たな趣味として家庭菜園を始める人が増えた。子どものいる家庭では「公園などで遊ばせるより、庭で遊ばせたい」という意見も多くあった。10月は5月に比べて出勤回数が増えたものの、「家族と過ごす時間が多い」と回答した人は全体でも3割弱と高止まりが続き、子育て中の人が多い30代~40代では4割を超えた。
また、在宅勤務の増加により、新たに仕事部屋となる場所を設けた人が43%に達した。男性の場合、子ども部屋や寝室などで仕事をする人が多く、「仕事に集中できる個室がほしい」と望む声が多かった。一方、女性では、リビングで仕事をする人が男性に比べて2割程多くなった。「家事をしながら、子どもに目配りしつつ、リビングで仕事」が基本となっており、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)から、リビングの一角に女性の仕事スペースを設けるLTK(リビング・テレワークスペース・キッチン)の時代に変化していく可能性がある。
そのほか、家族の在宅時間増加により、光熱費の大幅増による家計への負担が大きかったという声が多かった。このため、省エネルギーや環境意識、災害時における電源確保への期待の高まりもみられた。
☆「換気の喚起」Webサイトで冬の効率的な換気シミュレーション
レンジフードの製造・販売を手掛ける富士工業(FUJIOH、神奈川県相模原市)は、レンジフードを活用した住宅の効果的な換気方法を紹介する「換気の喚起」Webサイトで、寒さをやわらげる冬の換気方法のシミュレーションを公開した。新型コロナウイルス感染症の感染リスク低減のための換気の重要性に着目したもの。
同サイトでは、レンジフードを活用し、冬場でもなるべく寒さを感じずに換気する方法として、「強」運転と「常時換気」機能運転を使用した際の温度変化を比較。床から70cmの高さ断面の場合と、床面・奥壁2面での場合の2パターンでシミュレーションを実施した。
その結果、レンジフードの「常時換気」機能運転では、「強」運転と比較して80%換気終了時の室内の平均温度が約3℃暖かく、床面・壁面の平均温度が約2℃高くなることが分かった。