シンエイ通信
シンエイ通信【令和元年12月26日作成 121号】
- 2019.12.26 | シンエイ通信
■ 2020年度環境省予算案
環境省は12月20日、2020年度当初予算案の概要を公表した。合計額は対前年度比115%の1兆174億円。住宅関連では、2019年度からの継続事業として、ZEH支援事業に2019年度と同額の64億円を確保した。補助額は60万円/戸。蓄電池を設置した場合、上限20万円/台で、2万円/kWh。
「建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業」に2019年度比118%の99億円を計上した。既存建築物の省CO2化促進の改修や自治体施設を対象に停電時に電力供給ができるレジリエンス強化型ZEB実証事業などを進める。
既存建築物の省CO2化改修では、民間事業者や自治体を対象とし、補助率は3分の1で上限5000万円。空き家を利用した場合は補助率3分の2で上限未定。実施期間は2023年度とする。
レジリエンス強化型ZEB実証事業は、延べ面積1万m2未満の新築および2000m2未満の既存建築物および面積上限のない公共建築物を対象とし、補助率は3分の2で上限額は未定。実施期間は2023年度を予定する。
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■ 2020年度国交省予算案
国土交通省は12月20日、2020年度当初予算案を取りまとめた。臨時・特別措置を含めると6兆7363億円。
自然災害に対応した、安全・安心な社会づくりをめざした防災・減災、国土強靭化の取り組みや住生活環境の整備などを進める。
住宅関連では、災害に強い住まいの推進や空き家対策、既存住宅流通の活性化、住宅の質と生産性の引き上げを支援する事業を推進する。
新規として、大工技能者の育成確保等の取り組み支援に5億円、既存住宅の有効活用を目的とした買取再販やリースバックの活用環境整備に3000万円、住宅セーフティネット機能強化のための居住支援活動に10.5億円を確保した。また、老朽化マンションの長寿命化改修に17億円、BIM活用の体制整備に2億円を新規に計上した。 継続事業では、工務店連携によるZEHや住宅の省エネ改修に2019年度比1.04倍の135億円。ZEH化リフォーム実証事業や地域の気候風土に応じた省エネ対策に同0.91倍の90.7億円。長期優良化リフォームに2019年度と同額の45億円を盛り込んだ。 まちづくり関係では、新規に立地適正化計画に伴う中核都市と複数都市の広域連携促進に700億円、居心地よく歩きたくなる「まちなかウォーカブル推進事業」に1.5億円を付けた。 |
■ 卒FIT認知
電通のエネルギー関連のグループ横断組織、チー「DEMS(ディームス)」は12月20日、全国の20~69歳の男女5600人を対象に実施した「第9回エネルギー自由化に関する生活者意識調査」の結果を発表した。それによると、自宅の太陽光発電を売電している人のうち、「固定価格買取制度(FIT)における買い取り期間が2019年から順次終了となる」ことを知っている人は86.4%で、前回より12.2ポイント増加した。
「家庭用電力の小売り自由化」の認知率は94.7%と高いレベルにあり、「電気の購入先」を実際に変更した家庭は前回の12.4%から18.2%と大幅増となった。
電力会社を変更した63.4%、料金プランを変更した55.5%が「電気代が安くなった」と回答しているものの、いずれの場合も2割以上が「変わらない気がする(電力会社変更21.9%、料金プラン変更26.2%)」と感じている。「電力の送配電分離(発送電分離)」についての認知率は56.7%で、内容まで知っている人は11%だった。
また、59.2%が「送配電分離することのメリットが分からない」と考えていることがわかった。
「ガス小売り自由化」については、認知率が81.2%となり、「ガスの購入先」を変更した家庭は前回の10.4%から14.8%に増加した。各社が提供する有料サービス(見守り、トラブル時の駆け付けサービスなど)の登録状況を聞いたところ、電力会社のサービスを「現在登録している」のは4.4%、ガス会社は3.9%だった。
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■ 2020年の景気見通し
帝国データーバンクは12月13日、「2020年の景気見通しに対する企業の意識調査」の結果を発表した。
2019年の景気動向について、「回復」局面だったと考える企業は3.7%で、2年連続の1ケタ台となった。
「悪化」局面とした企業は31.2%と前回調査(2018年11月)から14.0ポイント増加し、7年ぶりの3割台に上昇した。「踊り場」局面とした企業は47.1%だった。
2020年の景気見通しについて、「回復」局面を見込む企業は6.8%で2年連続の1ケタ台。
「悪化」局面を見込む企業は37.2%となり、2年連続で増加し、過去3番目に高い水準となった。
「踊り場」局面を見込む企業は32.8%と前回調査(38.2%)より減少し、景気の先行きについて1年前より厳しい見方を強めている様子がうかがえた。
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■ 民間住宅ローンの貸出動向
住宅支援機構は「民間住宅ローンの貸出動向調査(2019年度)」の結果を発表した。2018年度の新規貸出額の金利タイプ別構成比では、「変動金利型」が前年度比6.5ポイント増の70.4%となり、2年連続で増加した。
「固定期間選択型(10年)」は同5.4ポイント減の14.3%となり、2年連続で減少した。新規貸出額に占める借り換え割合は、単純平均で同4.4ポイント減の15.4%と、2年連続で減少した。
今後重視する商品は、「新築向け」が84.6%で最多。ついで「中古住宅向け」(74.0%)、「リフォームローン」(65.9%)が続いた。前年度に比べると、「中古住宅向け」が6.1ポイント増、「リバースモーゲージ」(20.7%)が4.3ポイント増と伸びた。
同調査は、民間住宅ローンを取り扱う金融機関(317機関)に対して、フラット35を除く住宅ローンの貸出実績、取り組み姿勢、営業戦略、審査、リスク、証券化の動向などに関するアンケート調査を行うもの。調査時期は今年7〜9月。回答数は301件だった。
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■ アットホーム調べ
アットホームはこのほど、中古住宅のリノベーションを経験した人を対象に、中古住宅に対するイメージやリノベーションの実態についてアンケート調査を実施し、その結果を発表した。住宅購入にあたって、最初に検討したのが「中古」だと答えた人は68.9%、「新築」は12.3%だった。77.0%がリノベーション前提で中古住宅を購入したと答えた。 購入を検討し始めた当初の中古住宅へのイメージを聞いたところ、最も多かった回答は「価格が手頃」(83.8%)。次いで「立地が良い」(54.0%)、「自分好みにカスタマイズできる」(32.0%)となった。一方、ネガティブなイメージとしては、「見えない瑕疵がありそう」(41.1%)、「耐震性がきちんとしているか不安」(39.2%)など、見えない部分への不安が多く挙げられた。 リノベーションに踏み切った理由で最も多かったのは「内装を自分好みに変えたかったから」(65.0%)。「間取りを変えたかったから」(37.5%)、「新築の注文住宅よりも安くカスタマイズできるから」(29.8%)、「新築気分を味わいたかったから」(26.5%)と続いた。 リノベーションした部分の1位は「壁紙」(73.5%)、2位は「床の素材」(58.3%)だった。住宅タイプ別にみると、中古マンション購入者は65.7%が「床の素材を変えた」と回答しており、中古一戸建て購入者に比べ16.4ポイント高いという結果になった。リノベーションをして良かったか聞いたところ、95.5%が「良かったと思う」と答えた。住宅購入とリノベーションにかかった費用の総額は、中古マンション購入者では平均2857万円、中古一戸建て購入者では平2507万円。そのうち、リノベーションにかかった費用は、中古マンション購入者が平均456万円、中古一戸建て購入者が平均672万円だった。
調査期間は10月25日~28日。過去5年以内に中古住宅を購入し、リノベーションをした全国の20歳以上の男女309人を対象に、インターネット調査を実施した。
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