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シンエイ通信【令和3年7月1日作成 139号】
シンエイ通信【令和3年7月1日作成 139号】
◇世界的な木材急騰「ウッドショック」波及
世界的な木材価格高騰「ウッドショック」の影響が鹿児島でも顕著になってきた。
鹿児島県内相場の目安となる隼人木材流通センター(霧島市)の6月の杉丸太平均落札額は、1立方㍍当たり1万6800円と25年ぶりにの高水準に上昇。3か月で6割も跳ね上がっており、相場高に困惑が広がっている。
隼人木材センターで開かれた原木市では、「材長4メートル、中目(直径20~22センチ)」杉が山積みされた場内に競り人の声が響くと、製材業者が一斉に札を入れ始めた。
通常は数千円程度で取引される大きく曲がった原木も1万円前後で落札されている。「いくら出せば欲しい木が買えるのか?」結果が出るたびに業者からため息が漏れる。
この日の最高落札額は、直近5年間の6カ月平均価格より8割高い2万4000円。入札を仕切る末吉所長も「昨年までなら考えられない価格」と驚いた。
日本は木材不足、国産材の値上がり!
ウッドショックは、新型コロナウイルス禍からの経済回復が進む米国、中国で木材需要が高まった事に端を発する。両国に木材が集中したため、需要の6割を輸入材に頼る日本は木材不足し、国産材も値上がりした。
鹿児島は中小、零細製材業者が多く、原木高騰は経営に重くのしかかる。霧島市の業者は「なんとか製品価格を1割ほどあげられたが、全然足りない。このままでは含み損が広がるばかりだ」と厳しい表情を見せる。
高騰に拍車が掛かっているのが、日本から木材を調達しようと動く中国の存在が大きい。
地理的に近い南九州は引き合いが強く、林業関係者は「対中輸出は従来、梱包材用の低質材が中心だったが、今や国内製材に回すべき材質の木も持っていかれている」と口をそろえる。
熊本県の木材輸出額、24億5000万円で過去最高
2020年度の熊本県の木材輸出額は、米国向け製材品の輸出が本格化したことと中国の新型コロナウイルス感染拡大後の経済回復に伴う原木輸出額の増加などを受け、過去最高を記録した。
県内事業者による熊本県外港を使った事例もある。そのため今年度から熊本港、八代港、三角港、水俣港に加え、博多港、志布志港の実績も盛り込んだ。
中国向けは杉原木、韓国向けは桧原木、米国向けは杉製材品がメイン。
今年増加した米国向けは主にデッキ材に使用される。以前から輸出が行われていた中国、米国、韓国、台湾、ベトナムに加えマレーシアへ原木を輸出した。
昨年度台湾で行われた展示会で県産材の魅力をPRした。県内で15年度から木材加工業者や職人等が連携し県産材と建築技術を「和の空間」として提案する取り組みを行っている。
その一環をして、巣ごもり需要に合わせ内装材3種を提案。県は今後も付加価値の高い製品の輸出を増やす方針。原木輸出について、有力輸出事業者は6月中旬時点での中国向け杉原木価格は170~180ドル程度だと説明。中国側の集材意欲は旺盛で、価格には先高観もあるという。県担当者は「中国の買い気はしばらく続くだろう」と見込んでいる。
桧丸太、4万円超え!!
西日本を中心に値上がりが続いていた桧丸太は、柱、土台取り共に4万円超が聞かれる。
日田市森林組合で「材長4メートル、中目(16~18センチ)に4万690円が付き前回市比7,200円高となった。
原木共販売所でも桧土台取り価格が4万円(立方㍍)台を突破した。土台取りには熊本地域の市場でも同日時点で3万9,000円台が入っており、限りなく4万円に近付いている。
国産製材品への引き合いは依然として強く、製材メーカーにも多くの注文が殺到している。
杉丸太価格には一服感が見られるが、桧丸太は量産工場や地場製材所がせり合い、市を重ねるごとに値上がりする展開となっている。原木に高値がついていることを背景に山側の出材意欲も高く、梅雨時期ながら有力市場には大量の出材があった。
日田市森林組合の職員の一人は「26年間勤めているが、桧並み材に4万円台は聞いたことがない」と話した。
同日に行われた肥後木材の市売で土台取りを高値で落札した量産工場社長は、「原木価格の先行きは分からない。ただ径級16センチの丸太を4万円で買いKD105ミリ角を市売する場合、歩留まり50%で製材・乾燥・輸送費などを計算すると14万円程度で売らないければならない」と説明した。
他の桧量産工場も、取引先との交渉はこれからだが、7月からKD材価格の大幅な引き上げを予定している。
桧丸太はその他もC材の4メートルx18センチ以上に3万円台が付き、A材の3メートル柱適寸価格より高値が付く異様な光景が見られた。24~28センチ3万円、その後入札に掛けられた18~22センチ3万900円。普段は直材の競合を避ける製材工場が札を入れるが、この日は合板工場が立ち合いに加わったため値上がりした。
この価格水準では、輸出業者は手が出せないという。市場担当者は「競合の多い4メートル材と3メートル材では全く価格が違う。素材業者には4メートル造材をお願いしている」と話した。
◇国産合板不足感増す
国産針葉樹合板の荷動きは依然として活況だ。木材製品不足によるプレカット会社の受注制限が本格化しているが、「全体的には中量は大きく減少していない」との声が多い。
品薄感と先高観が広がりに加えて、製品不足が続く中で、発注量を減らせば木材製品がある程度確保できるようになった際に仕事に影響が出かねないとの懸念がある為だと見られている。
木建ルートは在庫確保の動きが中心だが、代替需要などで針葉樹合板への引き合いは強い。直需・木建ルートとも活発な引き合いが続く中、メーカー在庫は減少傾向が続く。
5月の針葉樹合板の生産量24万6400立方メートルに対し、出荷量は25万4400立方メートル。
出荷量が生産量を上回ったため、在庫量は9万6300立方メートルとなっている。国内合板メーカーでは生産した製品を出荷するような状況が続いているうえに、納期遅れも発生している状況。
既に7月の受注枠もほぼ完売しており、しばらく在庫の回復は見込まれない。
国内合板メーカーは、国内原木など原材料の安定的確保に向けて、東西両方とも7月からの値上がりを打ち出している。流通業者の間では、すでに7月の値上がりを前提とした販価を打ち出し始めた。
2月に閣議決定した長期優良住宅普及促進法の改正案を受け、国土交通省は「長期優良住宅認定基準の見直しに関する検討会」を設置し、認定基準の見直しに着手した。
省エネ対策も見直しの対象で、6月29日の第1回検討会では、認定基準をZEH基準の水準に引き上げ、住宅性能評価も上位等級を創設する案が提示された。
省エネ対策の見直し案は、新築の認定基準をZEH Orientedの水準まで引き上げ。
一次エネルギー消費量も、省エネ基準から20%削減(BEI0.8以下)を認定基準に追加するとした。
住宅性能評価は、最高等級の断熱等性能等級5(ZEHの外皮基準相当)、一次エネルギー消費量等級6(BEI0.8以下)を新設する案を提示。
平成4年基準以下相当の等級も残される。
新設される災害配慮基準は、国が示す基本方針に沿って、自治体ごとに具体的な基準を定める。
基本方針は、土砂災害特別警戒区域の住宅は認定対象から除外するなど、災害リスクの高低を基準とする考え。その他、共同住宅の基準も見直しを進める。
◇2020年度長期優良住宅 新築戸建ては10万戸
国土交通省は6月29日、今年3月末時点での長期優良住宅の認定件数を発表した。
それによると、全国の所管行政庁の2020年度の認定実績は、新築一戸建て住宅で昨年度比94.2%の10万503戸となった。
新設住宅着工戸数に対する割合は25.5%だった。割合としては過去最高で、共同住宅等を含めると12.5%。
2009年6月~2021年3月までの一戸建て住宅の累計戸数は121万1258戸となった。
◇英国製宅配ボックス専用の機能門柱
ボウクスは(神奈川県川崎市)英国発の戸建て住宅用宅配ボックス「brizebox(ブライズボックス)」を効果的に設置できるアイテムとして「機能門柱バイナルスタンド」を発売。
サビ・腐食・変色が起こらないPVC樹脂製の宅配ボックス専用の機能門柱。
オプションで、別売りのマリンランプを吊り下げたり、ハウスナンバーを入れることができる。
H2130xW1000xD700mm。税込39万9600円(ブライズボックス、インターホン別)