◇住団連、新型コロナ対応でローン減税緩和など自民に要望
自民党は3月19日、経済成長戦略本部・新型コロナウイルス関連肺炎対策本部合同会議を開催。
業界団体の一つとして住宅生産団体連合会(東京都千代田区)からのヒアリングを実施した。
住団連からは12月末までの入居が条件となっている住宅ローン減税の控除期間拡大について、
入居期限の緩和などの要望がなされた。
消費増税に伴う措置として、住宅ローン減税の控除期間がこれまでの10年間から13年間に
拡大された。
この条件が12月末までの入居となっている。
新型コロナの影響で中国から部品などの輸入が滞り、建材や住宅設備の納入の遅れが
でていることから、住団連では12月末までの顧客の入居が確約できず、
商談にも影響があるとして、入居期限を延長することを要望した。
中小事業者への無利子のつなぎ融資の円滑化や、消費増税に加え新型コロナによって
経済の悪影響が拡大していることから、住宅投資を促す経済対策も訴えた。
自民党の岸田文雄政調会長は「感染拡大防止と経済対策のバランスが大事だ」とし、
「いき過ぎた自粛にならないよう、現実的な対応を政府・関係者には考えてほしい」と述べた。
◇日本ボレイト、「空間除菌施工」開始 関東の工務店に4月から
日本ボレイト(東京都千代田区)は、工務店向けに微酸性次亜塩素酸水を使った空間除菌施工
「クロリッシュプロ」の提供を、4月1日から関東限定で開始する。引き渡し前の住宅や
オフィスのほか、見学会やイベントの前後に実施することで、除菌や消毒を希望する施主に
安心を提供する。微酸性次亜塩素酸水は、次亜塩素酸(HClO)を主成分とする水溶液で、
消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウム(カビ除去剤主成分)と同等以上の殺菌・ウイルス
不活化性能を持つ。有機物に触れると分解して水になるため、安全で残効性もないという。
新型コロナウイルス(COVID-19)への有効性は実証されていないが、同タイプのインフル
エンザウイルスやさらに抵抗性の高いノロウイルスへの抗ウイルス活性は確認されており、
有効だと推察されている。
新開発した「バームクーヘン」
キーテックは既にLVL積層面のツキ板内装材「キーラム不燃シート」を販売しているが、
デザインのラインアップを追加・拡充し、新しい商品名としてバームクーヘンと名付けた。
シート状のバームクーヘンは約0.28㎜厚で、LVL積層面+普通紙+アルミ箔+普通紙が
基本構成で、表面塗装は昨年9月に取得し、認定番号はNM5006。
一方、バームクーヘンをグラスロックに張り付けたパネル製品は「バームクーヘン化粧パネル」
従来からの基材の種類は、石膏ボード、金属板、アルミ板だったが、今回はタイガー
グラスロック(吉野石膏の5ミリ厚ガラス繊維入り石膏板)を使用した不燃認定を追加した。
施工方法は、2種類で、建築現場で張られたグラスロックや石膏ボードに
バームクーヘンを張った化粧パネルを現場で張る方法がある。
シートは平面だけでなく、曲面やL字型など施工の自由度が上がり、
化粧パネルは簡易に壁面施工ができる。
表面仕上げ材は天然素材を生かしたLVLで、
「印刷物とは異なり、木にこだわった商品にした」と
商品コンセプトを説明した。
吉野石膏グラスロックを供給し、ビックウィルが
バームクーヘンまたは同化粧パネルを製造し、
キーテックが総販売元となる。
◇流通でトイレの入荷一部再開
ようやく一部のメーカーから流通業者に納期回答が出始めた。
新型コロナウィルス感染症の影響で2月半ばから住設建材メーカーは受注を
停止していたが、その当初に発注したトイレがひと月たって一部入荷し始める。
ただ住宅会社や施工現場の混乱はピークに達しており、建材メーカーや問屋など代理店に
おける受注残も累積。
中国での住設機器の生産は回復傾向にあるものの、事態はようやく第二段階に入った
ところだとの見方もある。
現場の混乱はピークに3月上旬から中国における感染者数の減少が報じられ、
住設関係の工場も徐々に動き出しているという話も聞こえていたが、このほど、
大手流通業者に対してトイレ数百台の納期のメドがついた。
食洗器なども納期回答が出始め、4月以降の納期であれば数量限定で新規受注も
受け付けだしたという。
ただトイレはIHクッキングヒーターやエコキュートに比べるとまだ品薄感が強く、
状況も刻々と変わり事態はまだ収束していない状況。
一部トイレメーカーの受注残は推定で一万台、流通業者全体では何万台もあると
いわれている。「平時の7倍近くの住設受注残を抱えているメーカーもある」
2月半ばには先行きの住設ひっ迫への危機感から多くの事業者が建材メーカー
数社に対して発注を重ねたため、仮需としても累積。
これらの処理について、ようやく端緒についた段階だといえる。
こうした背景から「トイレの出荷を再開したメーカーは、納期回答が正常な
状態にもどるのは6月ごろだとみている」という。
また、住設メーカーが本格的に受注を再開した際に、うまく交通整理しなければ
またもや仮需が膨れ上がる可能性も指摘される。
一方2月末から住宅建設の現場工事は、トイレやキッチンなどの供給停滞で
想像以上の件数が止まっているとみてよさそうだ。
住設機器は、住宅建設の8割方が終わった段階で設置する。
住設がいらないのと引き渡しできずローン収支も実行できない。
国交省は完了検査の円滑な実施を通達しているが、ライフレインが通じて
いない住宅に住めるわけもない。
そのため住宅会社には公示した8割の資材の支払期日が迫り、場合によっては
キャッシュフローが滞りかねない。そのため回収リスクが高まっており、
金融機関も資産背景が弱体化している住宅会社に融資するのも難しい。
また徐々に出荷が再開したといってもその割り振りも難しく、「争奪戦の
状態だ」一般的には自社ブランドとして年間何万個もOEM契約している大手
住宅会社向けが優先され、中小の住宅会社や流通業者向けは不利だとされている。
建材メーカー間の価格入札で仕入れる住宅会社も、こうしたときは立場が弱い。
流通業者も、まずは安定的に買ってくれる既存顧客に優先して回している。
◇LIXILグループ、事業子会社LIXILとの合併を検討
LIXILグループ(東京都江東区)は3月23日、経営・ガバナンスの進捗に関する説明会を、
インターネットを通じて開催した。
持ち株会社制を12月1日で完全に終了する他、国内営業であらゆる商材を扱っていた
LIXILジャパンカンパニーを4月1日付で廃止し、水まわりや建材といった商品を軸とした
体制に改め、8支社と50超あった支店を17支社にまとめる。
新型コロナウイルスの影響で生じていたキッチン、バス、トイレの一部の納品の
遅れは3月末から4月初旬にかけて解消に向かう見込みであることも明らかになった。
持ち株会社であるLIXILグループと主要事業会社のLIXILの合併を、3月23日付の
取締役会で決議した。合併予定日は12月1日。LIXILグループがLIXILを吸収合併
する形だが、新会社の商号は「株式会社LIXIL」となる。持ち株会社と主要事業会社
との合併で、事業ポートフォリオだけでなく、事業経営の監視・監督体制の強化にも
つなげる。4月1日付で実質的に統合し、役員を兼任させ意思決定機関を集約する。
国内営業体制はビルディングテクノロジー事業をハウジングテクノロジー事業に移管。
水まわりのウォーターテクノロジー事業、窓や建材などのハウジングテクノロジー
事業の下に17支社と営業所を置き営業部門を組み込むことで、商品を軸とした
体制とする。瀬戸欣哉社長は「地域性は商品ごとよりも違いは少ない。商品を軸にした
開発・生産を重視した体制とする」と説明。商圏や顧客の重複などを考慮し、
合計で60近くあった支社と支店を17支社として効率化を図る。
新型コロナウイルスの影響について瀬戸社長は「キッチン、バス、トイレの一部の
納品の遅れは3月末から4月初旬には解消できる」と説明。
日本と東南アジアの工場が寄与しているとした。
一方で、「他社需要を代替するほどの余力はない」とし、他社からシェアを
奪うことについては厳しい見方を示した。BCP(事業継続計画)の観点から、
主要部品の調達について再考することも課題とした。また、「今期(2020年3月期)
決算への影響は限定的」だと述べた。今後について瀬戸社長は景気悪化を懸念しつつも、
「健康・快適が重視されるポイントとなり、自宅を良くするという意味でリフォーム
を考えてもらえる可能性はある」と分析した。
◇次世代住宅ポイント、累計発行16.3万戸
国土交通省は3月13日、消費税率10%への引き上げ後の住宅購入等を支援する
「次世代住宅ポイント制度」の2月末実施状況を公表した。 累計の申請受付戸数は、
新築が10万4885戸、リフォームが15万3459戸の合計25万8344戸。 審査の結果、
発行した戸数/ポイント数は、新築が7万3825戸/254億338万4000ポイント、
リフォームが 8万9812戸/43億5759万7000ポイント、
合計16万3637戸/297億6098万1000ポイントだった。
ポイント発行申請期限は3月31日
(新型コロナウイルスの影響で着工が遅れる場合は6月30日まで)。
申請期限前であっても、予算額に達し次第終了となる。
◇ ヤマダ電機、注文住宅メーカーのレオハウスを買収
ヤマダ電機は24日、注文住宅事業のレオハウス(東京・新宿)を子会社化すると発表した。
ヤマダがレオハウス株の100%を親会社のナックから買い取ることで、ナックと基本合意した。
取得額は譲渡契約を結ぶ4月中旬までに詰める。 ヤマダは家電や住宅、家具などをそろえる店を
増やしており「相乗効果が高いと判断した」という。ヤマダは5月中旬に買収を完了させる予定。
レオハウスの2019年3月期の売上高は344億円、営業損益は6億円の赤字、
純損益は7億円の赤字だった。
同社の純損益は18年3月期も21億円の赤字、17年も4億円の赤字だった。