平成29年2月28日作成 87号
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■優良中古住宅に認定マーク「安心R住宅」
国土交通省は品質基準を満たす優良な中古住宅に対する統一ブランドの制度案をまとめ、発表しました。耐震性や維持管理の履歴情報開示といった要件に適合する住宅を「安心R住宅」というブランドで販売することを認め、商標ロゴも表示できるようにします。今後はパブリックコメントなどを経て、夏以降の制度開始を見込んでいます。
政府は中古住宅の流通規模を約10年間で倍増する目標を掲げていますが、日本では中古住宅物件に「耐震性が不安」「汚い」「雨漏り」などのイメージがあり、消費者が安心して購入できるためのブランド化を検討していました。
新制度では住宅の性能要件として、建築士による住宅診断の結果、耐震性があることと構造上の不具合・雨漏りがないことの2つが設定されます。制度自体は原則、情報提供の仕組みという位置づけで、この2つの性能要件以外は、情報開示を求める項目を設定するにとどめる方針となっています。具体的には広告掲載時に提供する情報量を増やして、中古住宅の取引拡大につなげたい考えです。
耐震性の有無については、1981年6月1日以降に着工したもの、あるいは1981年5月31日以前に着工したもので、耐震診断などで耐震性が確認されたものを耐震性有りとする方針が示されましたが、これに対し、1981年6月1日以降に着工したものをすべて適法としてしていいのかという疑問が投げかけられています。国交省では告示化に向け検討していくとのこと。
構造上の不具合・雨漏りがないことの定義として、対象物件が購入予定者が既存住宅売買瑕疵保険を付保できる状態にあることとする方針ですが、最終的に保険を付けるかどうかは購入者に委ねられます。
見た目の汚さなどについては、各団体が基準を策定して、それに基づいて団体が判断し、そのままでは基準を満たさない場合でも、基準を満たすためのリフォームプランを提示することで「リフォームプラン付き住宅」として登録することも想定しているとのことです。