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シンエイ通信【令和5年1月1日作成 157号】

シンエイ通信【令和5年1月1日作成 157号】

    謹賀新年

    新年おめでとうございます

    旧年中はご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます

    輝かしい新年を迎え 皆様のご健康とご繁栄を心よりお祈り申し上げます

     令和5年元旦     

         SHIN-EI社員一同 心よりお待ち申し上げております。

 

◇九州木材商況 着工は前年比6%減

九州・沖縄8県の10月の新設着工戸数は合計8,369戸で前年同月比10%減となった。

プレカット工場は昨年より落ち着いた稼働であるが、受注状況は上向いている。アパートや分譲住宅の受注は好調だが、注文住宅の受注は依然低調だ。2月以降の見通しは立っておらず、厳しくなるとみられている。

非住宅の動きは活発化しており、今後も好調が続く見通しだ。非住宅の受注に力を入れ、設計事務所と協力し大規模木造建築物の普及に向けセミナーを開催しているプレカット工場もある。

製品価格は徐々に値下がりしている。外材の在庫が徐々に少なくなっており、国産材の方が安値水準であるため、杉KD間柱などから荷動きが上向くとみられている。ただ、現在の在庫よりも安値で入荷した外材が現状より安価で取引きされ、国産材の価格が急に下落することを警戒する声もある。11月に九州各地で開かれた記念市では、広葉樹や優良材の売れ行きが良かった。一般材の原木価格は軟化傾向にある。

出材量が増加した杉は若干値下がりした。一方で桧は出材量が減少し11月上旬に下げ止まり、以降は安定した価格で買われている。

【国産構造材】

全体的に引き合いは落ち着いている。九州南部の製材メーカーによると昨年の価格高騰ピーク時より製品価格は全体的下がってる。

昨年よりは採算悪いが、ウッドショック前より原木価格と製品価格のバランスは取れているという。例年12月以降は年度末や秋需の終了などで需要が低迷するため、今後に動きはさらに落ち着きそう。製品は徐々に値下がりしている。

【国産羽柄材】

外材の全体的な在庫が減少しており、来年3月までに消費されるめどが立ったとの声も聞かれた。そのため今後杉KD間柱から荷動きが上向くとみられている。小割も間柱より時期は遅くなるが、在庫が少なくなれば荷動きが活発化する見込みだ。ただ、製材メーカーは外材製品価格の動向を踏まえて、国産材製品の価格が急落する可能性を警戒している。

住宅受注が好調な福岡や鹿児島では製品の荷動きも順調だ。反対に住宅受注が伸び悩む熊本では製品荷動きは低調。

【外材】

国内挽き米松材製品価格は保合。外材全般も住宅着工数に連動した荷動きで勢いには欠けるが、杉製品よりは価格水準が高い。

小割類は米松材のほかWウッドKD材なども九州北部地域の一部で流通している。ただ国産材量産工場が安定量を供給していることもあり、全体をみれば杉材への依存度が高い。メーカーのほか販売店などの流通業者も積極的に杉材を提案している。

【集成材】

Rウッド・Wウッド構造用集成材の市況は、6月下旬から弱基調が長引いている。構造用集成材の需要は、夏場から不振が目立ち始め、秋需の盛り上りも見られないまま年末を迎えた。一方、供給は7月、8月をピークに輸入完製品とラミナが大量に入荷し、倉庫に入りきらず置き場の確保に苦慮するほど在庫過多の状況になった。需要が鈍い中で、在庫を減らすための売り攻勢が強まった結果、構造用集成材の相場は地合いが緩み、6月まで17万で推移していたRウッド集成平角は、12月に入ると12万まで落ち込んだ。

Wウッド集成管柱は、Rウッド集成平角よりも輸入完製品が重く、その分、輸入完製品を中心に売り圧力が強いと言われている。

杉集成管柱は、ウッドショック以前からWウッド集成材管柱の一段下につけていたが、ウッドショック後はより割安な杉集成材管柱を求める動きが強まった。

【合板・建材】

国産材針葉樹構造用合板について、メーカーの工場稼働率はじわじわと上向いている。価格は横ばいで、全体コストを圧縮できることから、メーカーは大型非住宅分野での針葉樹構造用合板の需要増にも期待をかける。

戸建て向け内装材は、住宅市況が振るわないなかで着工数に連動する荷動きとなる。内装材製品全般も値上がりしており、建材問屋筋は「本来手ごろな価格帯の製品にも割高感が出ている」と指摘する。

 

◇大建工業、室内ドアや収納、造作材、階段部材など値上げ

大建工業(大阪市)は、室内ドアや収納、造作材、階段部材など一部製品のメーカー希望小売価格を、2023年4月1日出荷分から改定すると発表した。値上げ幅は6%~10%。

石化製品・木質原料などの原材料価格やエネルギーコスト、物流コストが急激に上昇するなか、生産性向上や合理化によるコストダウン、経費削減などの企業努力だけでは、現状価格での製品供給が困難になったためとしている。

2023年3月下旬に、対象製品の価格を改定した総合カタログを発刊予定。

◇ウッドワン、2023年4月1日から建材価格を値上げ

ウッドワン(広島県廿日市市)は、建具、収納、床材、階段部材などの建材について、カタログ掲載の設計価格を2023年4月1日受注分から改定すると発表した。改定率は最大で階段センター柱の75%。床材は12~15%、壁材は12%のアップとなる。

燃料、エネルギー価格や原材料の価格高騰が続く中、生産性の向上や経費削減の企業努力を重ねてきたが、木材原料、化学原料等の調達コストが更に高騰、運送等のコストも上昇が続いており、円安傾向も相まって、企業努力だけでは現状価格での製品供給が難しい状況になった。

対象製品と設計価格改定率は以下の通り。

◇東京、太陽光義務化条例が成立 住宅対象は全国初、25年春から

 全国で初めて新築一戸建て住宅への太陽光パネル設置を義務化する制度に関連する改正条例が、東京都議会定例会の最終日の15日、賛成多数で可決、成立した。家庭部門の温室効果ガス排出削減が狙い。

事業者支援や住民周知のための準備期間を経て、新制度は2025年4月から始まる。

 都によると、住宅など延べ床面積2千平方m未満の建物は、大手住宅メーカーにパネル設置を義務付ける。

購入者側には努力義務として住宅の環境負荷の低減を求める。

 都は、4キロワットのパネルを設置した場合、初期費用98万円は売電収入により10年で回収でき、都の補助金を使えば6年で済むと試算している。

◇こどもみらい、突如申請終了 「差額を自社負担」5割超

国土交通省は「こどもみらい住宅支援事業」の補助金申請額が予算上限に達したとして、交付申請・予約の受付を終了すると発表した。想定外の早い終了に、申請が間に合わず、補助金の交付を受けられなくなったケースが続出している。新建ハウジングが行ったアンケートでは、6割が何らかの影響(損害)を被ったと回答。事業者からは顧客対応への苦悩や、制度の不備を指摘する声が多数挙がっている。

こどもみらい住宅支援事業は2021年度の補正予算で実施され、今年4月には5カ月(23年3月末まで)の延長が決まった。しかし、11月に入ってから急に申請が増加。28日、申請額が予算の93%に達したと発表され、同日18時前に終了となった。

あまりに早い終了に、申請が間に合わなかった工務店も少なくない。12月9日~12日に行ったアンケートでは、早期の受付終了による影響(損害)を受けた割合は61.0%に達した。

そのうち50.3%は、そのうち50.3%は、交付を見込んでいた分の金額を「自社で負担することになった」と答えている。一方「顧客に負担してもらうことになった」は28.7%だった(下グラフ)。

 

こどもみらい「国交省に救済措置を求める」民民主党の玉木雄一郎代表

「こどもみらい住宅支援事業」の予算が11月28日に上限に達し、申請受付を終了したことについて、国民民主党の玉木雄一郎代表は12月13日に開かれた記者会見の中で、同支援事業を受けられなかった人たちへの救済措置の必要性を述べ、国土交通省との交渉に当たる姿勢を示した。

玉木代表は会見で「今、『こどもみらい難民』が発生している。中には資材価格の高騰のために着工を待っていたところ、事業の終了で支援が受けられなくなったケースがあると聞く。同じ制度でつなげれば良かったが、後継の『こどもエコすまい支援事業』は別事業の扱いとなっており、その隙間に入って支援が受けられなくなっている。政府全体として推進している政策であるため、自動車のCEV補助金と同様に、同じ制度で空白をつないで適用することはできないものか」と話している。

「こどもみらい住宅支援事業」は子育て支援および2050年カーボンニュートラルの実現、省エネ性能を有する住宅ストック形成などに向けて2022年3月28日より開始。新築住宅では省エネ性能などに応じて60万円~100万円、リフォームでは5万円~60万円を補助するもので、令和3年度補正予算時に542億円、令和4年度予備費などで600億円を計上した。契約・交付申請期限は当初2022年10月31日を予定。その後、原油価格・物価高騰による着工数の伸び悩みを想定し、4月26日に申請期限を2023年3月31日まで延長している。

実施状況については毎月公開され、申請金額は8月には432億674万円、9月には561億6974万円を達成。11月17日には「予算額の75%を超えた」との発表があった。予算上限に達した場合、申請期限前でも予約を含む交付申請の受付が終了することから事業者の対応が急がれたが、11月28日午前0時時点で93%、同日午後5時53分に100%に達した。

政府では後継事業として、2022年度補正予算で「こどもエコすまい支援事業」(1500億円)を計上。ただし11月8日以降の契約を申請条件とし、事業者登録前の着工分は補助金の対象外となっていることから、いわゆる「こどもみらい難民」が発生する要因となった。