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シンエイ通信【令和4年7月1日作成 151号】

シンエイ通信【令和4年7月1日作成 151号】

 

 

深呼吸したくなる家「WB HOUSE」 会員工務店を募集

ウッドビルド(長野市)は、同社が展開する通気断熱WB工法の「WB HOUSE」を建てる会員工務店を全国で募集している。

 

WB HOUSEは、通気性のある壁によって躯体を長持ちさせるとともに、快適な室内環境を実現。壁のなかを空気が流れるため、無駄な湿気や夏の熱気が家にこもらず、木材も劣化しない。また、形状記憶合金で通気口からの冷気を遮断し、冬の冷え込みを抑える。土壁の原理を応用し、臭いも化学物質も湿気と一緒に壁を通過。換気システムに頼らなくても、深呼吸したくなる結露しない家をつくることができる。

現在、全国で約800社の工務店がWB HOUSEを導入している。会員工務店は、施工や営業戦略について定期的に研修を受け、技術や営業力を向上させたり、会員工務店同士の取り組み事例を学べる視察会や交流を通して実践情報を共有できる。またホームページの作成や完成見学会、イベントなどでのサポートなど、手厚いバックアップが受けられる。オンラインセミナーを定期的に開催中。

◇米5月住宅着工・建設許可件数とも急減、金利上昇で市場冷え込み

[ワシントン 16日 ロイター] – 米商務省が16日に発表した5月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比14.4%減の154万9000戸と、2021年4月以来の低水準に落ち込んだ。

住宅建設許可件数も前月比7.0%減の169万5000戸と急減。住宅ローン金利の急上昇で初めて住宅を購入する層の手が届きにくくなり、住宅市場の冷え込みが進んでいることを示している。

4月の着工件数は172万4000戸から181万戸に上方修正された。

ロイターがまとめた5月のエコノミスト予想は、着工件数が170万1000戸、建設許可件数は178万5000戸だった。

一戸建て住宅の着工件数は9.2%減の105万1000戸に急減。地域別では北東部で増加したが、中西部、南部、西部では減少した。5戸以上の集合住宅の着工件数は26.8%と大幅に減少し、46万9000戸となった。

一戸建て住宅の建築許可件数は5.5%減の104万8000戸、集合住宅の許可件数は10.0%減の59万2000戸だった。

◇吉野石膏 石膏系耐力面材軽量化

吉野石膏は、外壁下地用耐力面材「タイガーEXハイパー」をさらに軽量化することに成功し、「タイガーEXプログレ」をして今夏にも販売を開始する。同時に、内壁用耐力壁「タイガーハイパーハードT」の軽量化にも着手した。

EXプログレ(9.5mm厚3x10判)は重さ19.5キロで、現在販売しているEXハイパーに比べ1.5キロ軽量化した。

既に防火材料認定を取得しており、7月をめどに壁倍率認定(大壁仕様2.7倍)取得の見通しとなった。同認定が取得出来次第、本格的に販売を開始する。併せて、EXプログレと窯業系サイディング15ミリ、同14ミリとの防火構造認定の取得を進めるなど、使用環境を整備していく。

これにより、EXハイパー同様に、小屋裏などの面材施工の省力化が可能となる。

EXハイパーは、石膏ボードの防・耐火性能や加工・施工性・価格優位性を備えた耐力面材で、木質系耐力壁材に比べ、透湿抵抗値小さいという特性を持つ。

同社によれば、昨年来のウッドショックによる木質系耐力面材の価格上昇や品薄も追い風となり、EXハイパーの販売量は前期比で2倍となっているという。また、同社の石膏ボード製造拠点すべてでEXハイパーを製造できるため、石膏ボード同様の高い供給安定性も訴求材料となり、地域大手ビルダーを中心に標準採用の実績も積みあがってきた。「自社調べでは、筋違を含んだ耐力壁市場における販売シェアが10%を超えてきた地域も出てきた」という。EXプログレの発売を機に、市場における一層のシェア拡大を目指している。

◇新築戸建ての長期優良認定割合27.7% 国交省発表

国土交通省は6月16日、2021年度の長期優良住宅の全国の認定状況を公表した。新築戸建ての認定実績は11万9289戸で前年度より1万7786戸増加した。新設住宅着工戸数に占める割合は微増傾向にあるものの、前年度比2.2ポイント増の27.7%に止まり、3割には届いていない。

新築の共同住宅等の認定実績は3213戸。また、増築・改築の認定実績は戸建が233戸、共同住宅等が2戸だった。これまでの認定の累計は、新築の戸建てが133万333戸、共同住宅等が2万5986戸。増築・改築は戸建てが1404戸、共同住宅等が49戸となっている。

2021年度の認定を都道府県別で見ると、新築戸建ての認定は愛知県が最も多く1万4737戸。次いで東京都7398戸、神奈川県6845戸、静岡県6820戸、埼玉県6674戸、千葉県6329戸と続く。新築の共同住宅等は東京都2667戸、北海道88戸、大阪府79戸の順だった。

一方、増築・改築の認定実績は、戸建ては北海道が94戸で最も多く、新潟県30戸、福岡県18戸と続く。共同住宅等は新潟県と静岡県でそれぞれ1戸認定している。

長期優良住宅の壁量基準の見直しを検討

なお、長期優良住宅の現行の壁量基準は「耐震等級2又は3」だが、近年の省エネ性能向上の流れに伴い木造建築物が重量化していることから、「長期優良住宅認定基準の見直しに関する検討会」で、壁量基準の見直しも進めている。見直し案は、概ね長期優良住宅の求める性能を有する「耐震等級3」とし、太陽光発電パネル等を載せた場合は、仕様に関わらず「重い屋根の壁量基準を満たすもの」としている。

国交省は近く壁量基準の見直しに関するパブリックコメントを実施し、8月頃に省令・告示を公布。10月1日から壁量基準の見直しを含む新たな長期優良住宅の認定基準を施行する予定だ。

◇エコ住宅は「金がかかる」から取り組めない

国土交通省は6月21日、2022年版の国土交通白書を公表した。

今回は「気候変動とわたしたちの暮らし」を特集テーマに、2050年カーボンニュートラルの実現を目指した、国土交通分野における「暮らしの脱炭素化」に向けた取り組みなどを紹介し、「地域の脱炭素化と生活の質の向上等を両立した『気候変動時代のわたしたちの暮らし』」を展望。脱炭素型のライフスタイルの取り組みに関する国民意識調査では、〝エコ住宅〟や〝再エネ〟に取り組めない理由として「お金がかかるから」が最も多く、さらなる助成制度の実施や、ライフスタイル全体を通してコスト低減できることの周知などの課題が浮き彫りになった。

意識調査は今年2月に全国に居住する18歳以上の成人1229人を対象にインターネットで実施した。

脱炭素型ライフスタイルのための取り組みのうち、エコ住宅(ゼロエネルギー住宅やライフサイクルカーボンマイナス住宅への住み替え、断熱改修、窓の断熱)に関しては、「取り組んでいる」が7%、「取り組んだことがある」が12%に止まる。

一方、「取り組んだことはないが今後取り組む予定」が20%、「取り組みたいものの具体的な予定はない」は24%にのぼり、関心は高いものの着手できていない現状が伺えた。

このエコ住宅の取り組みについて、取り組めない・取り組みたいと思わない理由としては、「お金がかかるから」が最も多く26%を占めた。脱炭素型ライフスタイルを取り入れるために、必要なサポートの内容については、「価格が安いこと」53%、「生活の不便さを伴わないこと」43%、「二酸化炭素削減以外の付加価値があること(快適、健康、安全・安心など)」37%となっており、助成制度の継続・拡充が求められる。

また、この間、国交省や住宅関連の機関・団体では、住宅の省エネ化・高断熱化が、ヒートショックや熱中症の予防だけでなく、さまざまな健康問題に直結すること等を訴えてきたが、国民一般には浸透していない現状が浮き彫りになったともいえる。住宅の高性能化によるメリットのさらなる発信・周知が求められる。

■脱炭素型ライフスタイルに十分に取り組めていない理由

◇【ウッドショック】米国製材市況価格高騰の第3波は否定的

住宅業界を直撃したウッドショック。樹種によっては「(価格高騰は)潮目を迎えつつある」との声も聞かれるが、今後、市場はどのような動きを見せ、工務店の経営や家づくりにどのような影響を及ぼすのか。

輸入関係の円安ドル高、接着剤等石油由来製品をはじめとした価格高騰など不確定要因は少なくないが、木材製品についてはこれ以上値上げが続くようだと建築材需要を蹴散らす恐れが強まっている。

ウッドショックの引き金となった米国製材市況は、急激な住宅ローン金利の上昇により、製材価格が急落。日本と同様、木材製品をはじめとした建築資材コスト高が新設住宅需要に水を差している。先進国市場に共通した変化と言える。

2022年5月下旬、米国製材市況の指標品目の一つであるカナダ産SPF2×4製材が急反落した。

2020年以降、2度目の大反落だ。先行してシカゴ商品先物市場でも暴落が始まっており、実取引市場もこれに連動したといえる。

カナダ産SPF製材は潮目

昨年春から始まった日本国内での内外産木材価格高騰で、日本市場に対し最初に直接的な影響を及ぼしたのは米国製材市況の急騰だ。

新型コロナ禍での世界的なサプライチェーンの混乱が相乗し、米国市場は誰も経験のない木材価格高騰に直面した。ここにきてロシアによるウクライナ侵攻が世界の木材需給の混乱を一層助長させて現在に至っている。

米国製材市況については、品目間で温度差はあるものの、カナダ産SPF製材については明らかに潮目を迎えたとの見方が支配的になっている。

ここでは米国製材市況の反落が日本市場に今後、どのように影響してくるのか予想するが・・・・

◇建設業のコロナ破たん累計385件 東京商工リサーチ調べ

東京商工リサーチ(東京都千代田区)は6月17日16時時点で、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1000万円以上)が、全国で累計3492件(倒産3339件、弁護士一任・準備中153件)にのぼったと発表した。負債1000万円未満の小規模倒産を含めると累計3676件。

2022年に入っても毎月100件越えのハイペースが続いており、5月までの累計は前年同期比29.2%増の817件に達した。6月も17日までに114件が判明している。外国人観光客の受け入れ再開や旅行補助「県民割」対象拡大の見通しなど、消費回復への期待が膨らんでいる一方、企業は経済活動の活発化によって運転資金確保が経営課題となるほか、アフターコロナに対応した資金需要の必要などにも迫られている。政府主導の「中小企業活性化パッケージ」の関連施策など企業支援策は引き続き拡充されているが、業績不振の長期化で過剰債務に陥った企業が増加。コロナ関連融資後に息切れするケースもあり、今後もコロナ破たんは高水準で推移するとみられる。

業種別で見ると、建設業は工事計画の見直しなどの影響を受け385件となり、6月2日(16時時点)から11件増加。休業要請などで打撃を受けた飲食業573件に次いで多い。

都道府県別では、東京都が728件と全体の2割強(20.8%)を占め、大阪府346件、福岡県177件、愛知県171件、神奈川県154件、兵庫県149件、北海道139件、埼玉県132件と続く。10件未満は1県、10~20件未満が4県、20~50件未満が25県、50件以上100件未満が9府県、100件以上は8都道府県に広がっている。