シンエイ通信【令和3年11月1日作成 143号】

シンエイ通信【令和3年11月1日作成 143号】

 

◇11月1日より、吉野石膏 石膏ボード製品30%値上げ

吉野石膏は、11月1日出荷分から石膏ボードをはじめとする石膏製品を値上げすることを決めた。

輸入石膏(天然石膏)の上昇に加え、輸送のための用船料の高騰、添加剤やエネルギーコスト、製品配送費などが軒並み上昇し、自助努力によるコスト高吸収が限界に達した。

同社では、現価格比で30%以上高の浸透を目指したい考えだ。値上げは、2013年以来8年ぶりとなる。

同社によると、天然石膏の世界的な需要増により、石膏原料価格は毎年上昇している。また、輸入石膏輸送に使うばら積み貨物船の用船料は現在、19年比で3倍に跳ね上がっているという。

上昇率では、オイルショック時に匹敵する。米国や中国の急速な景気回復で船腹が不足したうえに、新型コロナウイルス感染拡大の影響で港湾業務が滞り、船腹の需給バランスが大きく崩れた。近海船の用船では特に、近年急速に輸送量が増加しているPKSなど他資材輸送との競合が加わり、慢性的な船腹不足に陥っている。

同社は石膏ボード原料の半分を輸入石膏が占め、用船料の値上がりが大幅なコスト高につながっている。

さらに、排煙脱硫石膏などを輸送する内航船も、慢性的な労働力不足によりフレートは上昇基調で前年比10%高となっている。また石膏ボードの原紙は、古紙が17年比で2割~3割高になっているなど、近年強含みで推移。さらに、添加剤のコーンスターチは16年比で50%以上高、強化石膏ボードなどの原料の一部であるガラス繊維やバーミュキュライトは、中国や欧州の需要回復により値上げ基調で、ここに原油や石炭などエネルギーコストの上昇が重なり製造面でのコスト高にもつながっているという。

さらに同社は、国内での製品配送を担保するため優良なドライバー確保を目的に、基本運賃を含む運賃体系を改定していた。

 

 

チヨダウーテは、12月1日出荷分から自社生産しているすべての石膏ボード製品を値上げする。

値上げ幅は、現行価格から30%。原材料となる石膏や石膏ボード用原紙、原材料輸送費の高騰などが理由で、石膏ボード製品の値上げは2019年9月以来となる。

既に顧客への周知を進めており、値上げの浸透後は生産性向上につながる設備投資を進める方針だ。

◇九州の木材製品市況

九州では構造材の荷動きは依然として好調で、値上げも通っている。

杉・桧などの柱角で前月比1万5000円(立方㍍)の値上げが生じた。しかし、一部の杉小割材で減産する製材所もあり、製品市は総じて天井に近い様相となっている。

福岡県北九州市の製品市場では、9月から杉KD柱の販売価格を1万円(立方㍍)16%値上がりとした。

宮崎県都城の製材所も、10月から1万円(立方㍍)14%値上がりとした。

大分県日田市でも、桧KD柱が前月比1万5000円値上がりとなった。

日田市の事業体関係者によると、値差はあるが杉KD1万5000円(立方㍍)の値上げ、桧KD土台2万円(立方㍍)の値上げ。メーカーによっては桧KD柱1万5000円~2万円(立方㍍)の値上げで推移している。

羽柄材は、都城市で杉KD間柱芯去り材が10月から1万円値上がり。ただ荷動きは軟化してきており、現在は強気姿勢で値上げも通っているがこれ以上の値上げは難しいという。筋違や小割材も品薄感が解消されたため、弱含みで推移している。

九州北部の複数の製材所社長によると、杉KD小割は量産工場が生産回復したため、地場工場には減産の動きがある。製品価格と原木価格のバランスは良く、「このまま高値維持できれば山側にも還元できる」と話す。

製品市ではKD材の出品が少ない。熊本県央の今月中旬の製品市では市売価格が下がると見込みKD材は特売で売っていたため、出品の大半がグリン材だった。買い方は価格が上がると予想して6月、7月に在庫を手当てしており、その分が消化できていないため様子見姿勢だ。杉母屋1万円(立方㍍)値上がりで前月比横ばいなど。グリン材は特に引き合いが弱く、落ちついた札入りだった。

熊本県南の10月上旬製品市でも価格は横ばいで推移した。5月ごろから値上がりし始め、7月以降高止まりしているという。杉柱1万円(立方㍍)値上がり、杉小割1万円(立方㍍)値上がりでいずれも前月比横ばいなど。出品量は少なく、KD材の出品はなかった。原木価格は依然として高い。外材の入荷状況との兼ね合いもあるため、年内は急な落ち込みはなく横ばいから弱含みで推移するとの見方が強い。年明け以降は見通しづらいと関係者は口を揃えている。

 

◇大建工業 11月に床材第三弾値上げへ

大建工業は、11月21日出荷分からMDF+エコ合板の複合基材やMDF単層基材の床材(複合フロア)を厚みにかかわらず一律6%値上げする。

同社では、6月に輸入南洋材合板基材の床材、7月にはMDF+エコ合板の複合基材やMDF単層基材の床材をそれぞれ価格改定した。今回、第3弾となる床材の値上げは、国産材合板や植林木合板、MDFの価格が7月の第2弾の価格改定時の想定を大きく上回る状況となっているためだ。「さらなるコスト上昇に対して、生産の合理化や経費削減等の自社努力によるコスト吸収も限界となり、現状価格での製品供給が難しい状況となり、製品の安定供給のためには価格改定に踏み切らざるを得ないと判断した」という。

今回の値上げ対象製品は次の通り

天然木床材(フォレスナチュラル床暖房タイプ・フォレスナチュラル・フォレスハード・フォレスティア床暖房タイプ・フォレスティアJMJA)、特殊加工化粧シート床材(トリニティ・ハピアフォロアトレンドウッド柄・同銘木柄・同ベーシック柄・同スクエア・同石目柄Ⅱ

戸建用各種用途床材=各種用途床材(キッチンケア)・リモデル用床材(エクオスファイン6T・ハピアフロア6Tベーシック柄・フォレスティア6T・ワンパークフロアスリムⅣ)

戸建用和風床材=住宅用和風(タフアートえんこうエコ)

 

◇国産合板、11月出荷分より更に値上げへ

国産針葉樹合板は国内合板メーカーが12ミリ厚3x6判の建値を、11月出荷分から120円値上げとなる。

合板用国産材丸太の集荷環境は依然として厳しく、輸入原材料も産地高に加えて、コンテナ不足による物流の混乱で納期遅れも発生している。

さらに、石油や天然ガス価格の上昇で接着材の原材料価格も値上がりし、生産コストを一段と圧迫する状況だ。

12ミリ厚品の値上げに合わせて、24ミリ厚・28ミリ厚3x6判も10月比で250円以上値上げとなる。

国内合板メーカーの集材環境は厳しい状況が続いている。杉や桧、カラ松はいずれもそれぞれの地域で製材や集成材など他の木材産業との競合が激しく、国産材丸太の集材難が解消する兆しはみえていない。「希望する数量の7~8割程度しか集めることが出来ない」とほとんどの合板工場が丸太の確保に苦労している。さらに、輸入原材料ではロシア産カラ松単板が船舶需給のひっ迫で船が確保しづらくなっている影響から入荷遅れが発生しており、使用する合板工場の在庫は少ない。米松丸太も供給不足が続いており、内外産原材料はいずれもやりくりが非常に難しい。

しかも、原木に加えて接着剤価格も上昇している。今月に入って北海ブレント原油が1バレル80ドルを超え、石油化学製品がさらに値上がりするとの懸念が生じている。既に、ベンゼンの今月の契約価格も985ドルと、7,8月の1000ドルを超える水準よりは一服したものの、高値圏で推移している。

これに加えて、中国での電力不足による現地の化学製品プラントの生産効率悪化で尿素など一部化成品の供給に影響が出ている。

こうした中で接着剤の原材料や副資材となる化成品も値上げが続いており、接着剤メーカーからは「合板メーカーは特に接着剤の使用量が多く、毎月の様に値上げをお願いしている」との声も出ている。

生産側が原材料の価格・供給双方の問題で苦労する一方、足元の需要は旺盛で、国産針葉樹合板への引き合いは強い。プレカット会社では、納期遅れが続くなかで合板のやりくりに苦心しており「顧客に上棟日程を確認しながら、その日ごとに優先順位をつけて対応している」状態だ。

木建ルートでも引き合いが強く、特にルートでの在庫の少ない厚物合板の品薄感が強い。12ミリ厚品も入荷があればすぐ売り切れてしまうため、流通在庫も限られている。直需・木建ルートともひっ迫感は月を追うごとに強まっている。

住宅着工数が徐々に持ち直し需要が戻る一方、メーカーは新型コロナウイルスの流行の影響で人手を減らしており供給体制が追い付かない。

梁などに使う製材品も高値が続いており、住宅の建設コストを押し上げる要因になる。

農林水産省によると、針葉樹合板の在庫量は8月末に9万2498立方㍍と、前年同月比で38%少ない。通常在庫は十数万立方㍍台で推移するが、4カ月連続で10万立方㍍を割る低水準が続き、品薄感が広がっている。

需要の伸びに合板の供給が追いつかない。8月の木造住宅の新設着工戸数は4万4587戸で、前年同月比16%増えた。

9月以降も「秋はもともと住宅の需要期で引き合いは強い」(合板メーカー)合板を買って加工するプレカット工場も、夏ごろからフル稼働に切り替えた。一方、合板メーカーの稼働率は需要を補うほどには上がらない。8月の生産量は24万3404立方㍍と、減産していた前年同月と比べると17%増えたものの、コロナ前の19年8月比では5%少ない。

新型コロナ禍で需要が激減した20年の春から夏にかけ、合板メーカーは2~3割の大幅な減産体制を敷いた。工員を減らしたメーカーもある。

すぐに再雇用することは難しく、稼働能力が上がらない。

原料の丸太の価格も上昇している。世界的な木材不足で国産材の需要が伸びている。

農林水産省によると、合板に使う杉丸太の価格は(9月)1万2400円(1立方㍍あたり)と前年同月比で1700円(16%)高い。

供給不足を背景に、合板メーカーが打ち出した値上げが流通段階で浸透している。

木材問屋からは「メーカーから提示された価格がそのまま通っている状況。年内は上昇基調が続くだろう」との声がきこえる。

輸入合板も最高値を更新した。

コンクリート型枠用合板は指標の12mmの輸入品の問屋価格(東京地区)が1枚1580円と前月比50円(3%)上昇した。主産地の東南アジアではコロナ禍が収束せず、合板工場の稼働率が下がっている。現地工場は加工率が高く高値で売れる塗装型枠用合板を優先して生産しており、塗装していない型枠用などの供給が減少している。梁や柱に使う製材品も、値上がりは一服しているものの依然として最高値にある。合板を含めた木材は木造住宅の建設費の約一割を占めていると言われている。

値上がりが続くと住宅メーカーの採算を圧迫しそうだ。

米住宅着工、9月1.6%減 許可・完成件数は約1年ぶり低水準

[ワシントン 19日 ロイター] – 米商務省が19日発表した9月の住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比1.6%減の155万5000戸となった。建設用資材や労働力の持続的な不足が住宅市場や経済活動全体を圧迫する中、市場の増加予想(162万戸)に反し減少し、4月以来の低水準となった。

8月の着工件数は、当初発表の161万5000戸から158万戸に下方改定された。

着工件数の先行指数となる9月の許可件数は前月比7.7%減の158万9000と、1年ぶりの水準に沈んだ

◇長期リフォーム支援の申請期間延長

国土交通省は10月15日、本年度「長期優良住宅化リフォーム推進事業」(通年申請タイプ)の交付申請の受付期間を、現行の12月24日から来年1月31日までに延長すると発表した。

併せて、事業者登録の期限を来年1月7日(現行11月30日)、住宅登録の期限を来年1月21日(現行12月17日)に、それぞれ延長する。

完了実績報告書の提出期限(来年2月18日)は変更なし。

同事業は既存住宅の性能向上や子育てしやすい環境等の整備に資する優良なリフォームを支援するもので、戸建て住宅、共同住宅ともに対象。

▽リフォーム工事前にインスペクション(建物の現況調査)を実施すること、

▽一定の住宅性能を有するようリフォーム工事を実施すること、

▽リフォーム工事の履歴と維持保全計画を作成すること――が主な要件。

補助率は補助対象費用の1/3、補助限度額はリフォーム実施後の住宅性能に応じて100~250万円/戸。

三世代同居対応改修工事、若者・子育て世帯の改修工事、既存住宅を購入し改修工事を実施する場合は50万円/戸加算される。