シンエイ通信【令和2年12月24日作成 133号】
住宅ローン減税等を延長 2021年度税制改正大綱を閣議決定
政府は12月21日、住宅ローン減税と住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置の延長等を盛り込んだ2021年度税制改正大綱を閣議決定した。民需主導の好循環の実現等に資する住宅投資の喚起を通じて、新型コロナウイルス感染症の影響により落ち込んだ経済の回復を図ることを目的とするもの。ただし、今後の国会で関連税制法が成立することが前提となる。
住宅ローン減税に関しては、現行の控除期間13年の措置について、契約期限と入居期限をともに1年延長する。契約期限は注文住宅が2020年10月~2021年9月、分譲住宅等が2020年12月~2021年11月、入居期限は2021年1月~2022年12月を満たす者に適用する。また、上記の控除期間13年の措置の延長分については、床面積要件を40m2以上に緩和し、40m2以上50m2未満については、合計所得金額1000万円以下の者に適用する。
住宅取得等資金に係る贈与税非課税措置に関しては、2021年4月~12月の住宅取得等に係る契約について、2020年度と同額の非課税限度額(最大1500万円)を措置する。また、床面積要件は40m2以上に緩和する。40m2以上50m2未満については、合計所得金額1000万円以下の者に適用する。
住宅支援策4本柱を再整備
第三次補正予算で再び住宅購入補助の4本柱が整った。国土交通省は16日、2020年度第三次補正予算概要を公表した。
8日閣議決定の総合経済対策における、ポストコロナと防災・減災、国土強靭化に向けた対策だ。
グリーン住宅ポイント制度を創設し、住まい給付金の延長、住宅ローン減税の延長、住宅取得時の贈与税非課税(最大1500万円)の延長した。
東京一極集中を是正するた、テレワーク拠点整備も盛り込まれた。
補正予算の国費総額は3兆2912億円で、このうちコロナ対策に1兆4168億円、防災・減災、国土強靭化推進に1兆8751億円を計上した。
ポストコロナ対策では、大きくデジタル革命・グリーン社会の実現に1261億円、経済構造の転換・イノベーションによる生産性向上に909億円。
地域・社会・雇用における民需主導の好循環実現に1兆3244億円となる。デジタル革命・グリーン社会実現では、国土交通省行政のオンライン化、マイナンバーカード利用の高速道路調査、スマートシティー推進、インフラのデジタル・トランフォーメーション、さらに省エネ性能の高い木造住宅の普及促進で10億円。
グリーン住宅制度で1094億円がついたが、住宅購入ポイント制度の予算額としては過去最低になる。
また地域・社会・雇用に対する補助では、Gotoトラベルに1兆311億円1400万円、観光拠点の再生に549億円、航空機能強化に財政投融資2540億円、テレワーク拠点整備に27億7100万円。
さらに住宅市場安定化対策として住まい給付金の延長に777億3600万円も計上した。
現在の住まい給付金の期限は21年度末までで、8日発表の21年度税制改正では住宅ローン減税の22年度末まで延長や、贈与税非課税措置の拡充と面積要件の緩和も決めている。
グリーン住宅ポイント制度は新築住宅、リフォーム、既存住宅の購入契約が対象になる。持ち家は12月15日から21年10月31日までの契約、戸建て分譲やリフォームなどは売買契約で有効になる。
同制度の中で新築や既存住宅購入の際に東京件から地方移住すると、特例としてポイントが基本の40万ポイント加算される。これも東京一極集中是正の観点から出、種に東京23区に通勤する人が対象となる。
12月から同制度の事務局を公募して21年2月に開設、準備が整い次第ポイント発行申請を開始する。
グリーン住宅ポイント制度の概要(出典:国土交通省)
エアコン1台+ファンによる全館空調ユニット
システック環境研究所(東京都杉並区)は、エアコン1台で全館空調を可能にする空調システム「コンフォート24」の抗菌・抗ウイルス機能と加湿・空気清浄機能を強化し、「コンフォート24+ ウイルス抑制モデル」として発売する。すでに「コンフォート24」を導入済みの住宅にもこのウイルス抑制機能を付け足すことができるという。「コンフォート24」は、エアコンとファンをセットにした空調ユニット。新モデルは、日本住環境(東京都台東区)、倉敷繊維加工(大阪市)、シロカ(東京都千代田区)の協力を得て開発した。
日本住環境の第三種換気「ルフロ400」が、きれいな外気を空調ユニットに直接取り込んでホコリ・ウイルスを除去した後、各室に送風。そして、倉敷繊維加工の「抗菌・抗ウイルスフィルター」が、外気と室内を巡って帰ってきた空気をろ過して、ウイルスを不活性化する。さらに、空気中の汚染物質を水で除去すると同時に加湿を行う「エアワッシャー」のはたらきをする空気清浄器をユニット内に設置。きれいな空気と湿気を室内に送り出す。
住環境ジャパン、アクタスと共同企画した家具代込みのリノベプラン発売
住環境ジャパン(東京都世田谷区)は12月21日、マンション向け定額制リノベーションサービスの第8弾として、インテリアショップのアクタス(東京都新宿区)と共同企画した「HOW PACKAGE PLAN」(ハウ パッケージプラン)を発売した。
「HOW PACKAGE PLAN」インテリアイメージ
同プランは、「リノベーションの空間デザインを家具から考える。」というコンセプトのもと、アクタスが企画したオリジナル建材を使用した設計と、家具を含めたインテリアコーディネートをパッケージ化して提供するというもの。同プランのリノベーション設計および監修は、家具だけでなくホテルやショールームなどのインテリアデザインも手掛けてきたアクタスが行い、施工は住環境ジャパンが行う。
リビングドア・キッチン・洗面化粧台は、アクタスデザインのオリジナル商品を標準採用。木の質感を生かした天然素材で、北欧テイストの家具などとのバランスが心地よいデザインとなっている。集客は、アクタス直営店(新宿店)と、住環境ジャパンのワンストップリノベーションサービス「ReoLabo」にて実施する。
販売価格は、平米ごとに定額となっており、床面積70m2の場合は税別900万円。リノベーション費用には50万円相当のアクタス家具が含まれる。年間受注目標は20戸。
抗菌・抗ウイルス機能付き畳の受注生産を開始
畳材料卸・販売の嵯峨商事(富山県高岡市)は、抗菌・抗ウイルス性能を持たせた加工畳「エバーグリーン」を製品化。2021年1月22日に受注および生産を始める。
畳表には大建工業(大阪市)の和紙畳表「ダイケン健やかおもてシリーズ」を採用し、そこに抗菌・抗ウィルス剤による特殊コーティングを施した。SIAA(抗菌製品技術協議会)の認定も取得している。促進耐久試験により、効果は5年以上持続するとしている。
水濡れやキズ、劣化にも強い。カラーバリエーションは23色。
鍵を開けたら照明・家電が自動でON! 美和ロック×リンクジャパン
鍵メーカーの美和ロック(東京都港区)と、IoTスマートホーム専門企業のリンクジャパン(東京都港区)はこのほど、連携を開始すると発表した。これにより、リンクジャパンのスマートホーム統合アプリ「HomeLink」から、美和ロックのスマートロックの施錠・解錠操作が可能となるなど、入り口から室内までを同アプリで一括管理できるようになる。
同アプリのプラットフォーム上のIoT機器とスマートロックを連動させることで、鍵を開けると家電や照明が自動でオンになり、鍵を閉めれば自動でオフになるなど、連動した活用が可能に。また、鍵を閉め忘れた際のアプリ通知や、GPS連動による自動解錠、来客用・空室内覧用のワンタイムパスワード発行も可能。家族用の鍵はアプリで無償追加できる。スマートロック設置時は配線工事不要で、コンセントに挿すだけで完了するため、後付けも可能。シングルロックはもちろん、上下ツーロックの設置にも対応する。
そのほか、同アプリのホームセキュリティー機能と連動させると、留守中に鍵が開けられた場合にアプリへ即通知する。リンクジャパンの在宅ヘルスケア事業では、緊急時の入室救助にも対応できるようになる。