シンエイ通信【令和2年6月1日作成 126号】
シンエイ通信【令和2年6月1日作成 126号】
◇高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業
一般社団法人環境共創イニシアチブは5月11日、一定の省エネ効果(15%)が見込まれる高性能建材(断熱材・ガラス・窓)を用いた住宅の断熱リフォーム事業を支援する2020年度「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業(断熱リノベ)」の戸建て住宅・集合住宅(個別)の一次公募を開始した。
補助率は、3分の1以内で、補助額の上限
戸建て住宅が1住戸あたり120万円
集合住宅(個別)が1住戸あたり15万円
締切は7月17日17時必着となります。
1.事業趣旨
既存住宅において、省CO2関連投資によるエネルギー消費効率の改善と低炭素化を総合的に促進し、高性能建材を用いた断熱改修を支援する。また、戸建住宅においては、この断熱改修と同時に行う高性能な家庭用設備(家庭用蓄電システム・家庭用蓄熱設備)の導入・改修支援も行う。
2.補助事業名
令和2年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(建築物等の脱炭素化・レジリエンス強化促進事業(新築集合住宅・既存住宅等における省CO2化促進事業))(高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業)
3.事業規模各住宅区分における一次公募の内訳は以下の通りとする。
•戸建住宅:約100百円 •集合住宅(個別)約30百円 •集合住宅(全体)約1,300百円
4.事業の要件以下の要件を全て満たす事業を対象とする。
①本事業の補助対象製品を用い、「-事業要件の詳細」に従った既存住宅※1の断熱改修を行うこと。
②本事業に係る建物本体(各部位の解体、仮設足場等を含む)の工事は、本事業の交付決定通知書
※2に記載する交付決定通知日以降に契約・工事着工すること。
③完了実績報告書を提出期限内に提出すること。
④本事業の補助対象には、他の国庫補助金を受けたものが含まれていないこと。
◇環境省、新型コロナで飲食店の高機能換気設備に補助
環境省は新型コロナウイルス対策として飲食店などに向け、換気時に室内の熱を外に逃がさない高機能換気設備の導入に対し補助を行う。
4月30日に成立見込みの補正予算案に30億円を計上している。
高機能換気設備には密閉状態にならないよう換気能力があるだけでなく、室内の熱を室内にとどめたまま換気ができる機能がある。
空気の入れ替えを行っても熱が逃げない、夏は空調による冷気が逃げないことから、省CO2の効果が高いという。
環境省では、中小企業が運営する飲食店など不特定多数が利用する業務用施設への高機能換気設備の導入に費用の3分の2、それ以外の業務用施設に2分の1を補助する方針。
さらに、民間の団体などに委託し、補助対象事業者の協力も得て、環境対策やいわゆる3密対策を行う飲食店などの利用者が増加しているかを検証。
換気・空調・空気清浄設備のさらなる高機能化に向け評価・検証を行うという。補正予算成立後、補助事業については6月に詳細を決定する予定としている。
◇換気の基礎知識
換気とは?
部屋の中の空気と、外の空気を入れ換えることで、部屋の空気中にある汚染物資(人間に対して悪い物)を、部屋の中から外へ出したり、薄めたりすることです。
汚染物質とは?
汚染物質(人間に対して悪い物)は、⼆酸化炭素(CO2)、⼀酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、ハウスダスト、花粉、細菌、ウイルスなどがあります。
換気をすることで、これらの汚染物質を部屋の外に出したり、薄めたりすることが期待できます。
なぜ換気しないといけないの?
①汚染物質を部屋の外に出したり、薄めたりするため閉めきった部屋は、空気が部屋の外に出にくいため、汚染物質がずっと部屋の中に存在したり、増えたりしたままの状態になってしまいます。そして、その空気が、人間に対して悪い影響を与えるからです。
これらの汚染物質を部屋の外に出したり、薄めたりするためには換気がとても大切です。
②なにもしないと汚れた空気が部屋にたまってしまうためみなさんの住んでいる、家やマンションなどの住宅の多くは、「気密性」が高くて、汚れた空気が部屋の外に出にくいのです。このような住宅では、なにもしないと十分な換気ができず、汚れた空気が部屋の中にどんどんたまっていきます。
エアコンで換気はできないの?
エアコンから出ている空気は、家の外から取り入れたものだと思って、エアコンを運転すれば換気ができると誤解していませんか?
エアコンは、「部屋の中の空気を吸い込んで」、その空気を冷たくしたり温かくしたりした後に「部屋の中に戻す」ことで、快適な環境をつくるものです。
部屋の中の空気と外の空気を入れ換えてはいません。
そのため、ほとんどのエアコンでは換気ができません。
エアコン以外のやり方で、換気をする必要があります。
エアコンの仕組み
夏場 部屋をすずしくするとき 冬場 部屋をあたたかくするとき
住宅での換気の知恵
家の換気、結局どうしたらいいの?
①今すでにある24時間換気システムをきちんと「正しく」使いましょう
あなたの住んでいる家やマンションが2003年7月より後の建物であれば、もともと換気をする仕組み(換気口・24時間換気システム)がついています。
しかし、正しく使われていないことが本当に多いのです。
部屋の壁や天井には「換気口」がついています。
生活をしていて、お風呂やトイレ、洗面所などの換気扇を使うと、換気口から部屋の中の汚れた空気が建物の外に出され(排気)、同時に建物の外から新しい空気を取り込む(給気)よう設計されています。
家やマンションの換気ではこの換気システムが最も一般的で、2時間で室内の空気をまるまる一回入れ替えることができます。まずは今すでにある24時間換気システムをきちんと「正しく」使うことが基本です。
②窓を開けて換気するときの時間と回数の目安は、1時間に5~10分程度と言われています。
ただし、窓や部屋の大きさや、室内に浮遊している汚染物質の種類によって外に出るスピードは異なるため、どの程度の換気であれば確実に感染症リスクが抑えられるのか、換気の効果について一概にはいえません。
また、1時間に10分の換気を1回するよりも、1時間に5分の換気を2回する方が換気の効果は高くなります。
できるだけ、回数を多く換気をすると効果的です。
窓開け換気時に花粉が気になる場合は、窓の近くに空気清浄機を置くことで花粉の侵入をある程度抑制することができます。またレースのカーテンも花粉対策に有効といわれています。
空気の通り道を作る窓の開け方
窓開けで換気をする時は、1か所の窓だけでなく、2カ所の窓を開けることで空気の通り道ができて効率的な換気ができます。窓から風が入る場合は、窓を開けましょう。2つの窓は対角線上にあるとさらに効率的です。
良い例:対角線上にある窓を開けると効率的
近い2つの窓をあけた場合、部屋全体の空気が流れないため、対角線よりも換気の効率は悪くなるので注意してください。
悪い例:近くの窓を開けると狭い範囲で空気が循環して非効率的窓を開けても風が入りにくい場合
窓から風が入りにくい場合は、風や空気は、小さい隙間から勢いよく入り、大きい隙間から(小さな力で)出ていきやすいという性質があるため、外から空気が少しでも入ってくる側の窓は小さく開けて、外に空気が出る側の窓を大きく開けると効率的な換気ができます。
風が入りにくい場合は窓の開け方を工夫(小さく入れて、大きく出す)
開ける窓が1つしかない場合
窓が1つしかない場合は、部屋のドアを開けて、扇風機などを窓の外に向けて設置すると効果的です。
扇風機を窓の方へ向け、部屋の外に空気を流すのが上手な使い方です。扇風機を部屋の方へむけて、窓の外の空気を部屋に入れるやり方では、外の空気は部屋に入ってきますが、汚れた部屋の中の空気が外に出ずに部屋の中にとどまることがあるからです。
窓が1つしかない場合は窓のそばに扇風機を置いて風の流れを作る窓がない部屋の場合
窓がない部屋の場合は、部屋のドアを開けて、扇風機などを置いて部屋の外に空気が流れるようにしましょう。浴室や洗面室、トイレなどに設置されている換気扇を運転すると、他の部屋から流れてきた空気も効率的に家の外に出すことができます。
窓がない部屋の換気方法
③台所の換気扇を活用しましょう
住宅の換気扇の中でも排気量が特に大きい台所の換気扇を運転することで効果的に換気することができます。その場合は、台所に近い窓を開けると部屋全体の空気が換気されにくいので、台所からできるだけ離れた窓を開けるようにしましょう。窓を2つ開けている場合でも、台所の換気扇を運転することで、換気をアシストすることができるので、窓開けと換気扇の併用はおすすめです。
家の換気方法 まとめ
お住まいの環境に応じて、今まで説明した、①今すでにある24時間換気システムをきちんと使うこと、②窓を開けて空気の通り道を作ること、③台所の換気扇を活用することをうまく組合せて、換気を効率的に行いましょう。
◇コロナ禍の“換気”を実態調査。
半数以上が「エアコンで換気ができる」など誤解
■24時間換気システムも宝の持ち腐れ?
新型コロナウイルスの感染拡大により、室内の空気の換気の重要性が叫ばれる中、ダイキン工業は、4月24日から26日の3日間にわたり、男女500人を対象に「換気に対する実態調査」を実施した。
調査結果によると、「直近3カ月で、換気に対する関心は高くなりましたか」という質問に79.2%の人が「高くなった」と回答。また、「換気ができているか」という質問には74.5%の人が「十分できている」「どちらかというとできている」と回答し、換気への関心の高さがうかがえる。
しかし一方では、「ほとんどのエアコンでは換気ができないことを知っていましたか」という質問では「知らなかった」が54.4%、「2003年以降に建てられた住宅には必ず設置されている24時間換気システムを使用していますか」という質問では、「使用していない」「わからない」が55.8%といずれも過半数を超える結果となった。「上手な換気の方法を知りたいと思いますか」という質問では、77.5%の人が「はい」と回答するとともに、換気に関する困りごとを聞いた自由回答では「正しい換気の方法がわからない」「今の換気のやり方が合っているか不安」「1日に何回、空気の入れ替えをすればいいのかわからない」などの声が挙がった。
今回の調査結果から、「多くの人が換気に対する正しい情報を求めていることが推察され、上手な換気の方法を伝えることの重要性が浮き彫りとなった」と指摘する。同社ではひとりでも多くの人に正しい換気の情報を知ってもらおうと、WEBサイトコンテンツ「上手な換気の方法」を4月10日より提供しているが、SNS上では「めっちゃわかりやすい」「最高に役に立つ!」「実践的」「目から鱗」といったたくさんの好意的なコメントとともにシェアされるなど好評だ。4月30日からは英語版“Expert Ventilation Methods”を公開した。
「新型コロナウイルス感染拡大の防止へ、企業は在宅勤務を推奨し、学校は休校になるなど、多くの人が外出を控えて家の中で過ごしている。WEBコンテンツ『上手な換気の方法』は、“空気で答えを出す会社”を掲げる企業として、家で過ごす多くの人に、少しでも生活に役立つ情報や困りごとの解決につながる情報を発信するために制作したもの。公開以降、多くの人に閲覧されている。これからも、安心で快適な空気を世界中に届けるとともに、空気の新たな可能性を追求し続け、空気の大切さを広く伝えていきたい」と訴える。