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シンエイ通信【令和元年11月30日作成 120号】

令和元年11月30日作成 120号


■「次世代住宅ポイント制度」の10月末実施状況

 

 国土交通省は11月12日、消費税率10%への引き上げ後の住宅購入等を支援する「次世代住宅ポイント制度」の10月末実施状況を公表した。

 累計の申請受付戸数は、新築が2万8540戸、リフォームが1万582戸の合計3万9122戸。審査の結果、発行した戸数/ポイント数は、新築が2万
3645戸/82億3730万6000ポイント、リフォームが4709戸/2億1228万4000ポイント、合計2万8354戸/84億4959万ポイン
トだった。

 なお、10月1日からポイントの商品交換の申し込み受付を開始している。

■ 「ミレニアル世代」
 
 読売広告社都市生活研究所はこのほど、1981~1996年度生まれの「ミレニアル世代」を対象に意識・行動・消費志向などを調査し、その結果を発表した。「多少無理をしても欲しいものを購入したい」と回答したミレニアル世代は47.0%と、その他世代(40.8%)を上回った。「モノを買わない世代」と言われることもあるミレニアル世代だが、高い購買欲求を持ち合わせている様子が見受けられた。

将来観について、「未来は明るいと思う」と答えたミレニアル世代は32.8%。交友関係について、「つながることよりも、適度な距離感を保つことのほうが大事だ」との回答は56.9%。「狭く深い人付き合いが多い」は49.1%だった。いずれもその他の世代を上回る結果となった。
■ 2020年度ZEH目標達成には

 

 国のエネルギー基本計画による2020年までに新築注文住宅の半数以上でのZEH実現目標は、現状のままでは達成が難しい状況だ。ZEH基準を満たす新築注文住宅の2018年度実績は5.5万戸。同年度の新築注文住宅全体は28万戸で、ZEH率は19.6%だった。2019年度は、環境省および経済産業省のZEH支援事業等の交付決定数を踏まえると、それ以上の実績に達しない可能性が強い。

 環境省によると、2019年度のZEH交付決定数は4421件で、2018年度の7100件と比較し62%にとどまっている。2019年度から公募の仕方を抽選方式にしたことで、選ばれない可能性もあったことから、積極的にZEHの営業が難しかったという声も一部ハウスメーカー等から挙がっている。


また、新規取り組みビルダーがZEH補助金を使いやすくするために、抽選方式の一般公募とは別枠で、抽選のない特別枠が設けられたが、特別枠でのZEH交付決定数は228件。予算は約1000件分とっていたが、達成率は2割強にとどまった。2020年度は、新規取り組みビルダー枠を継続するかは未定という。


一方、経済産業省の事業は順調だ。より高度なZEH供給を支援する
「ZEH+(プラス)実証事業」の2019年度の交付決定数は1667件と、2018年度の1956件と比較すると、15%減だが、2019年度から始まった災害対策を要件に盛り込んだ「ZEH+R強化事業」の交付決定数は1257件で、合計で2019年度は2018年度より968件増加している。

 

 ZEHの推進は、国交省も含め、3省連携で進められているが、2020年度目標を達成するには、事業の見直しが必要。

■ リフォーム市場規模、5兆7200億円

 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターはこのほど、2018年の「住宅リフォーム市場規模」の推計を公表した。増築・改築工事費及び設備等の修繕維持費を合計した市場規模は、前年比300億円減の5兆7200億円だった。

 また、「新設住宅」に計上される増築・改築工事と、リフォームに関連する耐久消費財・インテリア商品等の購入費を含めた「広義のリフォーム市場規模」は、同200億円増の6兆9000億円だった。

■ 10月の新設住宅着工戸数
 
 国土交通省が11月29日発表した10月の新設住宅着工戸数は、前年同月比7.4%減の7万7123戸で4カ月連続の減少となった。分譲住宅は増加したが持家と貸家が減少したため全体で減少した。季節調整済み年率換算値は、87.9万戸で前月比2.0%の減少となった。

 利用関係別では、持家が2万4495戸、前年同月比5.6%減で3カ月連続の減少。首都圏、中部圏、近畿圏、その他の地域の4地域すべてで減少した。前回の増税時ほどではなかったものの3月に一部で見られた駆け込み需要の反動減が一因とみられる。

 

 貸家は2万9417戸、前年同月比16.5%減で、14カ月連続の減少となった。分譲住宅は2万2896戸、同7.0%増で5カ月連続の増加で、マンション、一戸建て共に増加した。特にマンションは16.2%増となった。大阪や京都で大幅な増加となった。

■ 「IoT住宅」体験できるイベント

 

 マンションリフォーム専門会社、サンリフォームは、「IoT住宅」の操作を体験できるイベントを2020年2月22日に開催する。

IoT住宅とは、家電や設備をインターネットに接続することで遠隔操作できるようにした住宅のこと。今ある家電に後付けすることもできるが、家づくりの段階で導入を見込んで空間を設計することで、一層IoTの特性を生かした利便性の高い住宅にすることが可能。同イベントでは、スマートスピーカーの代表格である「AmazonEcho Show」を実際に体験できる。参加費は無料。予約も必要はない。

■ 「年末の家仕事」
 
 クリナップは、これから本格化する大掃除シーズンにあわせ、既婚女性を対象に「年末の家仕事」に関する調査を実施し、その結果を発表した。アンケート回答者のうち、7割以上が「年末に大掃除を予定している」と回答。大掃除に関して「時短や省力化を意識している」と答えた人は57%にのぼった。

 

 「時短や省力化を意識している」と答えた人のうち、主婦歴が10年以上の人に、「年末の大掃除にかける時間がここ10年で減りましたか」と尋ねたところ、37%が「減った」と回答。平均約3.5時間も削減されていることがわかった。

現在どのような方法で大掃除を時短・省力化しているか」尋ねたところ、年末にまとめてやらずに年数回に分けて行うといった、「タイミングの工夫」(72%)をあげた人が最も多かった。次いで、「便利グッズの活用」(41%)、「時短テクニックの実践」(28%)となった。「これから新しく試したい時短・省力化の方法」としては、「時短テクニックの実践」(37%)、「便利グッズの活用」(33%)、「自動掃除家電の活用」(25%)などが挙げられた。

 大掃除については、準備・洗浄・取り外しとさまざまな面で大変さ・面倒さを感じる人が多いことがわかった。

■ 熱中症を予防するシステム


 シミックヘルスケアは2020年5月、耳たぶ表面温度のセンシング技術により、建築現場での熱中症を予防するシステム「ロブセンス」の販売を始める。受注期間は11月26日〜2020年4月30日まで。

 

 東北大学との共同研究から派生した特許技術活用の「暑熱ストレス計測システム」。

これまでの実証試験によると、外気温と暑熱環境下における各人の身体ストレスは必ずしも相関せず、熱中症リスクは個人差が大きいことが確認されている。つまり、外気温のみを基準とした対策では熱中症を防ぎきれないのだという。

 今回製品化した「ロブセンス」は、熱中症リスクに関連する外気温や湿度、脳の温度上昇に相関する耳たぶ温度などの計測データをもとに、独自のアルゴリズムにより、熱中症リスクが高まった人にアラームで通知するもの。

 

 このアラーム機能により、各人にとって適切なタイミングでの熱中症予防対策の指導が可能となり、現場の安全管理体制の強化が図れるとする。

 

 システムは、センサー内蔵の「イヤークリップ」と「制御ボックス」で構成。作業者自身のヘルメット等に制御ボックスを取り付け、耳たぶをイヤークリップではさむとシステムが起動、計測を始める。

 

 現場監督は、専用アプリを使って作業者全員の暑熱環境下における身体ストレス状況を一覧で確認することできる。

■ プロを育成 住宅購入をサポート

 リビングライフは11月28日、

(1)不動産取引の専門家「宅地建物取引士」、

(2)家計の専門家「ファイナンシャル・プランナー」、

(3)住宅ローンの専門家「住宅ローンアドバイザー」、


の資格をすべて持つスタッフを「ライフ・エキスパート・プランナー」として認定する社内資格制度を導入したと発表した。現在、12人のスタッフがエキスパート・プランナーの資格を有しているという。

 

 同社は、売買仲介を専門に扱う全店舗に同認定スタッフを配置。物件の探し方や住宅ローンの申請、無理のない返済計画など、初めて住宅を購入する顧客のさまざまな疑問・要望に対応していくという。

 

 今回の資格制度を広く知ってもらうため、同資格者に認定バッジを授与するとともにポスターに顔写真を掲示。顧客だけでなく社内外からも頼られる存在となるよう人材育成に努めていくとしている。