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シンエイ通信【平成31年2月28日作成 111号】

平成31年2月28日作成 111号


■ 土地基本法を見直し
 国土交通省は土地基本法を見直し、所有者によって土地の適正な管理が行われないといった場合に所有権を一部制限し、土地の所有者以外が利用・管理できるようにする。

 地域の住民やコミュニティにも適正な管理に必要な役割を明示し、自治体や国がその役割を支える仕組みにする。

 人口が減少して土地を利用する人が絞られ、実際には所有者が土地を管理できない状況が生まれている。相続時に登記されない土地も増え、所有者が不明となることもあり、登記の義務付けも求めていく。
また、最終的に所有できない場合も想定。その受け皿づくりも進める。法改正によって、現代の社会問題に適応できるようにしたい考え。2020年の通常国会への改正法案提出を目指す。
■ ZEH等の推進施策合同説明会

 国土交通省は、経済産業省・環境省とともに、ZEH等の推進施策の動向に関する合同説明会を3月5日から全国6都市で開催する。ハウスメーカー・工務店、住設機器・建材メーカーのほか、ZEH等に関心のある人が対象。各省担当官がZEH等に関する最新の施策動向や支援措置等について説明する。
 【開催日程・場所】
3月5日=東京・千代田区(砂防会館別館)
3月6日=札幌(札幌コンベンションセンター)
3月8日=名古屋(ウィルあいち)
3月11日=大阪(グランキューブ大阪)
3月12日=福岡(福岡国際会議場)
3月15日=仙台(仙台国際センター)

時間は全会場13時30分〜15時30分。参加費用は無料。各会場とも事前の申し込みが必要。
■ 国産材の利用割合増加
 日本木造住宅産業協会は2月12日、同協会が2005年より3年ごとに継続して行っている木造軸組住宅の国産材使用割合などを調査してまとめた『木造軸組工法住宅における国産材利用の実態調査報告書』を公表した。
2017年度に完工した住宅が対象で住宅供給会社である協会員160社(6万2417戸)と協会員以外のプレカット会社66社(11万7023戸)から回答を得た。

 それによると、住宅供給会社の国産材の使用割合は、前回の2014年度調査より13.1ポイント増え45.4%となり、2005年の調査開始以来、最高となった。

 部位別でみると50%を超えているのは、土台、大引、羽柄材(間柱)、下地材(構造用合板)床・壁・屋根の6部位だった。特に下地材の床と屋根で国産材比率がそれぞれ77.1%(2014年度比14.8ポイント増)・79.7%(同24.7ポイント増)と大きく増加したが、これについては、集成材、合板等で一部でも国産材が使用されているものは国産材として調査したことも影響しているとみられる。プレカット会社についても国産材の使用割合は2014年度比で1.5ポイント増え33.0%となった。

■ 最先端AI・IoT導入マンション 


 大和ハウス工業(大阪府大阪市)とジュピターテレコム(J:COM、東京都千代田区)は2月22日、インフラサービスやエンターテインメントサービスにAIやIoTなどの技術を活用したインテリジェントマンションパッケージ「D’Jスマートサービス」を開発したと発表した。大和ハウス工業が東京都北区で建築を進める分譲マンション「プレミスト東京王子」をはじめ、今後同社が販売する全国の分譲マンションへ順次導入する。


「D’Jスマートサービス」は、J:COMが提供するインフラサービス(多チャンネルテレビ・インターネット・電話・モバイル・電力)やエンターテインメントサービス(ビデオオンデマンド、電子書籍・音楽配信)に、MEMS、エアコン・照明などの家電コントロール、スマートロック等の最先端テクノロジーを加えたサービスをパッケージとして、大和ハウス工業が販売するマンションに導入するもの。


 入居者はこれらのサービスを光インターネット標準装備の高速通信環境で利用できるほか、一括で契約・支払いすることができる。また、電気は電力会社等から高圧電力を一括受電して各住戸に配電することから、電力会社との個別契約の場合より電気料金を最大8%削減できる。

■ TOTO IoT活用トイレ

 TOTOは、訪日外国人の「ウォシュレット」体験促進を目的として、IoT活用の“最先端のおもてなしトイレ空間”
「experienceTOTO(エクスペリエンス・トートー)」を、成田国際空港第1ターミナルビル南ウイング1階(到着ロビー)にオープンする。4月3日開設。成田国際空港とTOTOのコラボレーションによるトイレ空間は、「GALLERY
TOTO」(第2ターミナルビル)を2015年に開設して以来、2件目。
 
 「experience TOTO」では、“トイレ外側の正面壁面に設置した大型液晶パネルへの映像投影”と“専用タブレットリモコンの導入”といった2つの取り組みにより、訪日外国人の「ウォシュレット」体験を促す。大型液晶パネルには“おしりを洗う気持ちよさ”を表現したポップな映像などを投影。タブレットリモコンでは5言語対応による使用方法の説明に加え、「ウォシュレット」体験を誘引する動画も流すという。

 そのほか、IoTを活用したトイレ混雑状況の表示やトイレ器具のモニタリングに取り組むことでトイレ利用者の利便性向上を目指すとともに、さまざまなトイレ器具がある多機能トイレに音声ガイド機能を導入することで、不慣れな訪日外国人のストレス軽減を図るとする。また、TOTOの知見を生かした“おもてなしのプランニング”として、
“多機能トイレへの利用集中”解消を目的とした「機能分散」や、女性トイレの「洗面とスタイリングコーナーの分離」などの配慮がされているという。

■ 外国人技能実習制度
国土交通省は2月18日、第2回建設分野技能実習に関する事業協議会を開催し、外国人技能実習制度にキャリアアップシステム制度導入を義務化することを明らかにした。2月25日からパブリックコメントを開始する。早ければ7月から施行する。

 外国人技能実習では、監査・相談体制構築等の不履行や受け入れ企業における賃金等の不払いなどの不適正な実施が問題になっている。工事現場において工事従事者の顔写真が印刷されたICカード(建設キャリアアップカード)により、賃金の支払いや不法就労などをチェックできるとして、キャリアアップシステム制度を義務化することを決めた。

 入管法改正により4月から開始する特定技能制度は、外国人労働者の受け入れに関しキャリアアップシステム制度の導入を義務化している。外国人技能実習制度も特定技能制度との整合性をもった円滑な運用が必要として、技能実習生受け入れ基準の見直しが求められていた。

■ 太陽光発電の余剰電力を効率よく使う機能を搭載
 東芝キャリアは、太陽光発電の余剰電力を効率よく風呂の湯沸かしに使う機能を搭載した「家庭用エコキュートESTIA」6シリーズ計47機種を3月15日から順次発売する。

 従来のエコキュートは主に夜間電力を利用してお湯を沸かしていたが、今回の新シリーズには昼の時間帯に太陽光発電の余剰電力を使って沸き上げ運転ができる「昼の運転予約」機能を搭載。翌日の天気予報を確認して余剰電力の発生が予想される時間にあわせて、沸き上げ開始時刻と運転時間を30分刻みで設定できるほか、ライフスタイルにあわせて電力をお湯の沸き上げに自家消費することも可能。

 

 清潔な「銀イオンの湯」が付いたプレミアム、ハイグレード、求めやすい価格のスタンダード、ベーシック、機能を絞った給湯専用モデルを用意。70万8000円〜。

■ 長期優良住宅制度のあり方に関する検討会
 国土交通省は2月18日、第4回「長期優良住宅制度のあり方に関する検討会」を開催し、これまでの議論で出された主要な意見を整理して論点を整理した。制度のさらなる普及や適切な運用に向け、認定基準の見直しや適切な運用に向けた方策の論点を示した。

 長期優良住宅の認定について、緩和要望が多いマンション共同住宅の基準や住戸面積基準の見直し、現場検査により適合基準を確認するなどの認定の枠組みについて議論していく。


 適切な維持管理の実施に向けては、検査の実施を認定基準に位置付けることや、維持保全の実施を担保する制度・支援も検討していく。


 工務店からの要望の多い事務手続きに関しては、住宅性能表制度と長期優良住宅制度の一体的運用など合理化を進める方向で検討する。