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シンエイ通信【平成31年1月31日作成 110号】

平成31年1月31日作成 110号


■ 「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」

 国土交通省は、2019年度予算案で275億円計上している「スマートウェルネス住宅等推進事業」において、新たに「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」を創設し、高齢者等が地域の中で孤立せずに多世代交流できる地域拠点づくりを推進していく。

 孤独がシニア層の精神と肉体に悪影響を与えるため、地域の人々と交流できる「共同リビング」等をイメージし、人生100年時代を支える住まい環境整備のテーマに沿った事業を募集する。現在想定している事業テーマは、多様な世帯の互助促進やIoTを活用した高齢者の見守りシステム、住み替えやリフォームの相談拠点など。


 地域の民間事業者からの事業募集や先導的取り組みに向けた調査に対しても支援していく。対象は事業者で、利用する施設が新築の場合は工事費用の10分の1、改修の場合は3分の2を補助する。


 早ければ4月から募集が始まる予定。

■ 住宅金融支援機構

 住宅金融支援機構は4日、長期固定型の民間提携住宅ローン「フラット35」における1月の金利水準を公表した。

 それによると、融資率9割以下で最も利用の多い融資金利は、1・33%となった。2017年10月に団体信用生命保険を含めた商品にしてからでは、最低金利となった。


 融資率9割超の場合も最頻値は1・77%と低下。融資期間20年以下の「フラット20」の最低融資金利および最頻値は融資率9割以下で1・26%。

■ 「東京ゼロエミ住宅」

 東京都は1月29日、住宅のエネ性能向上を目的に東京都独自の「東京ゼロエミ住宅」仕様を明らかにした。2019年度事業として予定している、補助事業と連動した施策。断熱性能の高い住宅を作りつくりたくてもQ値(熱損失係数)、U値(熱貫流率)などを計算することが難しく作業が進まない一部工務店への配慮をして、多くの木造住宅会社が高性能住宅を都民に提供できるようにしている。

 仕様概要は、木造住宅のみの仕様と木造住宅を含めたすべての構造の住宅の2種類を提示した。木造住宅のみの仕様は年間消費エネルギーや燃費を計算しなくても建材カタログを調べるだけで、「東京ゼロエミ住宅」を建てることができる工夫がされている。


 具体的には壁や天井、床材、土間などの断熱材については、各熱抵抗値(R値)で要件を提示し、窓は省エネ建材等級(窓ラベル)星4、玄関ドアはJISグレードH-3等級またはK3仕様。この仕様で住宅を建てると、国の省エネ基準よりも30%省エネできる住宅になるという。


 木造住宅を含めたすべての構造の住宅の場合の仕様要件は、Ua値0.7W/m・K以下としている。


「東京ゼロエミ住宅導入事業」に18億円


 東京都では2019年度予算案に「東京ゼロエミ住宅」を推進することを目的に新規事業として「東京ゼロエミ住宅導入事業」に18億円を盛り込んでいる。戸建て住宅で東京ゼロエミ住宅の仕様住宅に対し1棟当たり70万円を補助する。予算規模は1500戸分を見込む。集合住宅は1170戸で全室東京ゼロエミ住宅の仕様が要件になる。補助額は1戸あたり30万円。同事業は3月都議会での審議の上、順次募集する。

■ 2019年国土交通省予算

 政府が12月21日に閣議決定した2019年度当初予算案に、すまい給付金の拡充785億円と次世代住宅ポイント制度創設1300億円が盛り込まれた。

 消費増税に伴う需要変動のための臨時・特別措置。国土交通省予算(国費総額)は、前年度の18%増と大幅増となる6兆8609億円。このうち臨時・特別の措置は9393億円となる。


 三世代同居に向けた改修支援やサービス付き高齢者向け住宅といった子育て世帯や高齢者世帯のすまいの確保や、省エネ住宅・建築物の普及のほか、既存住宅流通の活性化や所有者不明土地の有効活用推進のための予算も盛り込まれている。

■ 2018年新設住宅着工戸数
国土交通省が1月31日発表した2018年(1~12月)の新設住宅着工戸数は94万2370戸で、前年に比べると2.3%減少した。2年連続の減少となった。

 住宅の種類別にみると、持家は28万3235戸と前年比0.4%減で、2年連続の減少。リーマンショック後の2009年よりも低く(2009年:28万4631戸)、平成に入ってからもっとも低い水準となった。貸家は39万6404戸で7年ぶりに減少した。個人向けアパートローン融資額の減少が響いた。分譲住宅は25万5263戸で4年連続の増加となった

■ 既存住宅流通量の推計値

一般社団法人不動産流通経営協会一般社団法人(FRK)は1月22日、既存住宅流通量の推計値(2017年暫定値)を発表した。全国ベースの流通量は前年比1万7952件増の59万6884件で、2011年から6年連続の増加、2008年との比較では1.36倍となった。既存住宅流通比率(2017年暫定値)は、既存住宅流通量の増加と新設住宅着工総数の微減により、同0.8ポイント増の38.2%となった。

 都道府県ベースの推計結果を見ると、流通量が最も多かったのは東京都(14万2000件、前年比7000件増)、次いで大阪府(6万件、同1000件増)、神奈川県(5万9000件、同3000件増)。流通比率が最も高かったのは京都府(55.3%、同4.9ポイント増)、次いで東京都(48.5%、同0.9ポイント増)となった。
 
■ 住宅展示場の来場者

 住宅宅展示場協会および一般財団法人住宅生産振興財団が1月16日発表した昨年12月の住宅展示場の来場者組数は、24万1756組で対前年同月比プラス6.45%の来場増となり、5カ月連続の増加となった

 エリア別では、東北エリアを除く7エリア全部で昨年同月比プラスとなった(東北エリアも前年比同率)。全国20の都道府県で住宅展示場を運営するライダース・パブリシティでは、来場増の要因として、「真剣に考えていた客が消費税増税が発表されたことで実際に動き始めた」ことを一要因に挙げている。


 各エリアの来場者組数及び前年対比は以下の通り。

北海道:4077組(対前年同月比12.27%増)、東北:3919組(同0.00%)、関東:13万2734組(同3.27%増)、信越・北陸:3364組(同6.46%増)、東海:5万7615組(同14.80%増)、近畿:3万2825組(同3.75%増)、中国・四国:1666組(同36.33%増)、九州・沖縄:5556組(同9.43%減)。


 ※数字は住宅展示場協議会に加盟する住宅展示場における数字※

■ 建築現場での転落防止のための安全帯

 厚生労働省による政省令の改正に伴い、2月1日から6.75メートルを超える高所作業では原則、フルハーネスの使用が必要となる。
 その後、3年の経過措置期間を経て2022年1月2日以降は新規格に適合したフルハーネスの使用が義務化される。
 背景には、高所作業で相次ぐ墜落・転落事故があり、2018年には214人の高所作業者が亡くなっている。また、欧米では主流となっているフルハーネスだが、日本では胴ベルトが主流で9割がたを占めるという。
しかし、胴ベルトは落下時に腹部の一点で衝撃を受け止めるため、墜落を回避できた場合でも、腹部や胸部を圧迫して安全帯をつけていながら死亡事故につながってしまう事例も相次いでいるという。
■ スピーカーを搭載したLEDシーリングライト

 パナソニックは2月下旬、スピーカーを搭載したLEDシーリングライト「AIR PANEL LED THE SOUND」の新製品を発売する。
 生活シーンに合わせて「光と音の一括操作」を可能にする機能を専用アプリに追加。あらかじめ設定したあかりのシーンと音楽にワンタッチで切り替えることができる。