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シンエイ通信【平成30年10月31日作成 107号】

平成30年10月31日作成 107号


■ 住宅省エネ規制
 
 国土交通省は10月29日、住宅・建築物の省エネルギー化推進に向けた施策のあり方を検討する建築環境部会の会合で、取り組みの方向性の具体的な論点を示した。新築住宅・建築物の省エネ基準適合の確保に向けては、現在、適合義務化の対象になっていない中・小規模の建築物や住宅について、区分別に対応していく考え方を提示。適合義務制度の対象としない区分を設ける場合、省エネ基準への適合を図る方策として、設計段階で建築主の省エネに関する意識の向上のための措置を講じることなどを例示した。大手住宅事業者を対象とした住宅トップランナー制度について、現行の制度で対象となっていない注文戸建て住宅や賃貸アパートを大量に供給する事業者の取り組みを促すための措置を講じるという方向性も示した。

■ アルヒ リクルートと業務提携

 アルヒ は10月31日、リクルートグループの関連会社であるリクルートファイナンスパートナーズ と業務提携し、リクルートが運営するWebサイト「スゴい速い住宅ローン審査で家探しがもっと便利に。」内で、住宅ローンの簡易事前審査サービス「家探し前クイック事前審査」の提供を開始する。

 同サービスでは、購入物件を決定する前に、運転免許証の写真アップロードと7項目の入力のみで「ARUHIフラット35」を基準とした借入可能額を把握できる。給与収入以外の自営業者や個人事業主からの申し込みも可能。また、今回から、夫婦や親子等で申し込む収入合算における審査も開始した。

■ KYBの免震・制振ダンパー

 KYBとカヤバシステムマシナリーが製造した免震・制振オイルダンパーで、大臣認定などへの不適合があることがわかった。同社からの国土交通省への報告で明らかになった。同製品は共同住宅、事務所、病院など986件に設置されているという。

 2社が2000年3月から2018年9月までに製造した免震・制振オイルダンパーの一部の製品が基準値を満たしていなかった。出荷に際し、検査データの書き換えが行われていたという。

 ただ、震度6強から震度7程度の地震に対しても建物が倒壊するなど構造の安全性については問題がないという見解を第三者機関から得ているという。同社は適合していない製品について、疑いのあるものを含め、すべて交換する方針。

 国交省は10月16日付で2社に対し、安全性の確認や該当製品の交換の徹底などを指示した。

■ 新たな住宅セーフティーネット制度

 国土交通省と厚生労働省は、2017年10月施行の「新たな住宅セーフティネット制度」について、各地域の取り組み状況や制度の仕組みに関する説明会を10月29日から全国9都市で開催する。今後制度の活用の際に参考となる取り組み事例等を中心に説明を行なう。対象は、賃貸人、宅地建物取引業者、賃貸住宅管理業者、家賃債務保証業者、地方公共団体など。

 同制度は、民間賃貸住宅や空き家などを活用した住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の登録制度。登録された住宅向けに、改修・入居への支援措置などが設けられている

【新たな住宅セーフティネット制度とは】今後増加が見込まれる子育て世帯や高齢者世帯などの住宅確保要配慮者のための住宅セーフティネットの機能の強化の必要性や空き家等の増加といった政策課題に対応するため、民間賃貸住宅や空き家等を活用した住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅の登録制度や登録された住宅の改修・入居への支援措置等を内容とする制度。

▼事前お申込みはこちら

https://krs.bz/koushuu-setsumeikai/m/30safetynet

▼国土交通省ホームページ

http://www.mlit.go.jp/report/press/house03_hh_000128.html

▼新たな住宅セーフティネット制度の概要

http://www.mlit.go.jp/common/001257890.pdf

■ 太陽光発電コスト低減加速へ 

 太陽光発電などの再生可能エネルギーの買い取り価格などについて検討する有識者会議「調達価格等算定委員会」が10月1日開かれ、今年度の検討方針が確認された。7月3日に閣議決定された第5次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーを主力電源化していく方向性が示されており、その実現に向けたコスト低減の推進強化策を中心に検討していく。

 住宅太陽光発電については、買い取り価格が2019年度分まで提示(出力制御対応機器設置義務なしの場合24円/kWh、同ありの場合26円/kWh)されている。また、蓄電池と組み合わせながら自家消費モデルを進め、FIT制度からの自立化を図っていくことが基本的な方針となっている。別の有識者会議では、2025年度~27年度に卸電力市場並み(11円/kWh)とする方針が示されている。

■ ZEH推進協議会 九州電力の出力制御について情報提供

一般社団法人ZEH推進協議会は、九州電力が10月に太陽光発電の出力制御を実施したことをうけ、同協議会の会員に向けて情報発信を行っている。

 今回の出力制御は、電力の需給バランスを保ち、大規模停電の発生を防ぐためのもので、住宅用の太陽光発電(10kW未満)は対象外となっている。資源エネルギー庁による「出力制御の公平性の確保に係る指針」では、10kW以上の制御を行った上で、さらに必要な場合に10kW未満の制御を行うとしている。

 現在の出力制御の対象地域は、東京電力、中部電力、関西電力を除く電力会社の管内。

 同協議会では、太陽光発電および出力制御について正しい情報を発信していくことで、風評被害の防止につとめたいとしている。

■ 9月の新設住宅着工戸数

 国土交通省が10月31日発表した9月の新設住宅着工戸数は8万1903戸だった。前年同月比1.5%減で、先月の増加から再びの減少となった。季節調整済み年率換算値は、94.3万戸で前月比1.6%減となり2カ月連続の減少。
■ スマートホーム市場総調査

 富士キメラ総研はこのほど、スマートスピーカーやスマートホーム対応照明の市場を調査し、その結果を「スマートホーム市場総調査

2018」にまとめた。2018年の国内市場は46億円(2017年比2.9倍)を見込む。音声アシスタント機能がスマートスピーカー以外の家電製品にも広く普及すると考えらえるため、伸長率は徐々に鈍化すると考えられるが、所有率がまだ低いことから市場は拡大していくとみられる。2025年には、2017年比12.5倍の200億円まで市場が拡大すると予測。

■ LIXILグループCEOに潮田氏

 LIXILグループ(東京都千代田区、瀬戸欣哉社長)は31日、11月1日付で瀬戸社長が兼任していたCEOを退任し、潮田洋一郎取締役(取締役会議長)が会長兼CEOに就任する人事を発表した。瀬戸氏は2019年3月末日まで社長職は継続する。

 合わせて11月1日付で、現在の独立社外取締役の山梨広一氏が代表執行役兼COOに就任。山梨氏は19年4月1日付で同グループの社長に就任する予定だ。社長を退任する予定の瀬戸氏は19年6月までグループの取締役を務める。