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シンエイ通信【平成30年9月30日作成 106号】

平成30年9月30日作成 106号


 住宅用太陽光発電の調達価格 
 経済産業省資源エネルギー庁は、FIT(電力固定価格買取制度)における住宅用太陽光発電(10キロワット未満)の調達価格を、早ければ2025年度に、遅くとも27年度には1キロワットあたり11円にする方針を示した。これまで以上に調達価格を引き下げることで自家消費とFITからの自立を促す。
 既に設定されている2019年度の住宅用太陽光発電の売電価格は24円/kwh。この売電価格の算定にあたって想定されているシステム費用は約30万円/kwで、2017年設置案件の上位25%の水準となっている。一方、市場では既に20万円/kw台前半で取引されている事例も見られる。2025年から27年度をめどに、システム費用20万円/kwの実現を実現を促す。
■ 大和ハウス工業

 大和ハウス工業(大阪市北区、芳井敬一社長)は13日、記者会見を開催し、同社の分譲住宅や分譲マンションの販売状況などを説明した。分譲住宅事業は、本間生志同社住宅事業推進部営業統括部分譲住宅グループ部長が解説した。今年度4~8月の5ヵ月の受注実績は、土地1631区画(建売851棟)で、ほぼ前年並みの水準とした。エリア別でみると、首都圏が土地376区画(建売192棟)で、対前年比16%増(建売は同20%増)と好調で、大型案件がけん引しているという。


■ タマホーム タマホーム沖縄・日本の森と家 吸収合併

 タマホーム(東京都港区、玉木伸弥社長)は11日、ともに100%出資の連結子会社で木造軸組構法住宅を建築・販売するタマホーム沖縄(沖縄県那覇市)と木造の板倉工法住宅を建築・販売する日本の森と家(東京都立川市)を10月31日付で吸収合併すると発表した。両社はいずれも債務超過のため合併に先立ちタマホームが両社に対する債権を放棄、債務超過の解消後に合併する。タマホームは今回の施策について「グループ内の販売チャネル統一による販売体制の強化のため」と説明している。
■ すまい給付金給付額を拡充

 国土交通省は2019年度税制改正要望で、消費税率引き上げ時の住宅取得対策として、すまい給付金における給付額を現行の最大30万円から50万円にする拡充策を盛り込んだ。対象者の収入額も引き上げる。

 税率を10%にする際の拡充策として想定されていたもの。住宅ローン減税では、控除対象借入限度額を一般住宅では4千万円、長期優良住宅および低炭素住宅では5千万円としている措置の延長を求める。
■ 大建工業、伊藤忠商事と業務提携

大建工業(大阪市北区、億田正則社長)は3日、伊藤忠商事(大阪市北区、鈴木善久社長)を第三者割当先とする新株を19日に発行し、同株引受けをもって同日付で伊藤忠商事と資本業務提携を行うと発表した。

 伊藤忠商事が海外・国内で持つリソースを活用できる状況を作り、長期ビジョン「〝住宅用建材メーカー〟から〝建築資材の総合企業〟への成長」を支える基盤の構築が狙い。


 伊藤忠商事は現在、大建工業株式の29・89%を所有しており、新株引受けでその割合は35・02%へ高まるが、大建工業との関係性は従来の「関連会社」との位置づけを踏襲する。

■ 国土交通省は土地の所有に関する基本制度の見直し

 国土交通省は土地の所有に関する基本制度の見直しを進める。人口減少が進んでいる中、所有者不明の土地の発生抑制や解消を図るのが目的。9月20日から有識者会議での検討が始まった。来年2月までに4回程度会合を開き、制度の具体的な方向性をとりまとめる。

 現行の土地基本法は土地利用ニーズがあることが前提になっているが、日本では既に人口が減少しており、土地利用ニーズ自体が低下しているエリアも少なくない。ただ、利用価値の低い土地についても管理は必要になり、管理コストと需要のギャップが課題になっている。こうした課題の解消に向け、土地所有のあり方そのものを見直していく。

 所有者不明の土地の取り扱いに関しては、一定の条件の範囲内で公益性の高い事業などに利活用できる特別措置法が今年6月に可決・成立している。

■ 舞台「建てまん」

 工務店や建築家、コンサルタントなど、住宅業界の第一線で活躍する経営者らと、若手俳優や女優による異色コラボによって実現した舞台「建てまん」が、赤坂チャンスシアターで26日から開演する。昼と夜の部で全8回公演、30日まで。

 女優・こばやかわチエ。が演じる主人公、たてまんは「建築家」「棟梁」「不動産屋」の3つの顔をもつ。住まいのプロ、たてまんのもとに、さまざまな事情を抱えた人々が、“幸せな住まい”を求めて訪れる人間模様を描いたストーリー。新婚ホヤホヤにも関わらず「空気が合わない」とギクシャクする夫婦や、ギター親父と娘のよもやま話、風呂好き爺との2世帯住宅にまつわる話など、3つのオムニバス形式で展開する。

■ 提案型賃貸住宅「プレミアムガレージハウス」

サンヨーホームズ(大阪市)はこのほど、同社の提供する暮らし提案型賃貸住宅「プレミアムガレージハウス」の1棟目が東京都足立区に竣工したと発表した。 相続税増税などの影響で賃貸住宅の着工戸数が減少しているいま、同社では土地オーナーの立地にあわせた提案ができるよう、賃貸ガレージハウスの販売を始めた。
 同商品は、ガレージと居住スペースを一体にした賃貸住宅で、自動車やバイクなど趣味のためのスペースが欲しいという入居者ニーズに対応。一般的な賃貸住宅とは異なるニーズに応え付加価値を与えることで、安定した入居率を維持し家賃下落を起こりにくくするという。駅から遠い、変形地など、有効活用の難しい土地にも利用できるという。
 同社と業務提携しているバリュープランニング(東京都調布市)協力のもと、立地調査から入居者募集を実施することで、オーナーと入居者の満足度を向上。専用サイトの会員数は、8月末の時点で2700人を超えている。
■ エネルギー消費量の可視化と住まい環境の最適化

 デルタ電子(東京都港区)は、IoT/AI技術により、エネルギー消費量の可視化と住まい環境の最適化を実現するHEMS「CONSCIOUS」を発表した。
 住宅内のエネルギー消費量を可視化。クラウドには各機器の動作状況を集積して消費電力量を制御するだけでなく、稼働状況や生活パターンをAI学習することで、費用対効果の高いエコな暮らしをサポートする。また、同社開発の太陽光発電ハイブリッド蓄電システム「SAVeR-Hシリーズ」との連携によ、り電気の「創る」「蓄える」「使う」「売る」を可能にする。
 このほか、7つのセンサーで温度、湿度、照度、花粉、ハウスダスト、タバコの煙、CO、TVOCなどを数値で可視化。電気自動車とも連携できる。
■ 「建設パーソナルキャリア検定」

 一般財団法人 職業技術振興会(東京都渋谷区)はこのほど、建設業界に特化したビジネススキルの資格検定「建設パーソナルキャリア検定」の応募受け付けを開始した。


 同振興会と一般社団法人TEAM SUSTINA(東京都新宿区)により新設された検定で、建設業に関する基礎知識や、品質・工程・原価の基礎スキルなど、建設業のすべての業種に必要な基礎的なビジネススキルを確認。業界に特化したスキルを幅広く習得することで、適正な評価・待遇が受けられることを目的としている。


 受験料は1万3000円。試験は、第1回10月1日~10月31日、第2回2019年2月1日~2月28日、第3回2019年6月3日~6月28日に実施。


 今回の検定は初級であり、今後、中級・上級資格も実施していく予定。

■ 2018年の都道府県地価調査結果を公表
国土交通省は9月18日、2018年の都道府県地価調査結果を公表した。各都道府県が7月1日における設定地点、2万1578地点(内、福島第一原子力発電所の事故の影響による15地点では調査を休止)の正常価格を調査し、国土交通省がとりまとめたもの。

 住宅地、商業地を合わせた全用途平均は、バブル期の1991年以来27年ぶりに上昇に転じた。住宅地は2017年の調査と比べマイナス0.3%で下落はしているものの下落幅は縮小し続けている。商業地はプラス1.1%で2年連続で上昇した。東京、大阪、名古屋の三大都市圏では、住宅地、商業地ともいずれもプラスとなり上昇基調を強めている。


 地方圏は、地方四市(札幌市、仙台市、広島市、福岡市)を中心に回復傾向が強まった。四市は住宅地、商業地とも三大都市圏を上回る上昇率となった。その他の地域でも下落幅は縮小している。


 住宅地では、雇用・所得環境の改善が続く中、低金利の継続で需要の下支え効果もあり交通の利便性の高い地域を中心に堅調に推移した。商業地でも景気回復や低金利による資金調達の良好な環境のもと、オフィス需要、インバウンドによる店舗・ホテル需要が高まった。


 住宅地変動率が最も高かったのは北海道倶知安(くっちゃん)だった。ニセコ観光圏のスキーリゾートとして外国人による別荘地需要のほか、滞在型宿泊用のコンドミニアムへの投資も見られ地価は上昇。リゾート施設従業員等、市街地の人口増加や北海道新幹線の駅もあることで倶知安は商業地でも変動率1位とった。また、商業地では、インバウンド需要により京都が5カ所ランクインした。