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シンエイ通信【平成29年5月31日作成 90号】

平成29年5月31日作成 90号



■新耐震木造住宅検証法が公表されました

 国土交通省は、2000年以前に建築された木造住宅を中心に耐震性を検証するための「「新耐震木造住宅検証法」を公表しました。

(一財)日本建築防災協会のホームページで公開されています。今後、地方公共団体、建築関係団体等を通じて所有者、リフォーム業者、設計者等に幅広く周知し、耐震診断の専門家等を対象とする講習会を実施を計画しています。

「新耐震木造住宅検証法」は、熊本地震において、新耐震基準の在来軸組構法の木造住宅のうち、接合部等の規定が明確化された2000年以前に建築されたものでも倒壊等の被害が見られたことから、リフォーム等の機会に実施する耐震診断よりも効率的な確認方法として同協会に検討を依頼して新設したもので検証フローは。

■所有者等による検証
建物所有者やリフォーム業者などがスクリーニング的に耐震性能を確認する方法

■専門家による効率的な検証
所有者等による検証で専門家による検証が必要であると判定されたものを対象に、
耐震診断の専門家が、現地調査を行わずに、図面や所有者等による建物調査の
結果等を活用し、一般診断法に準じた方法で耐震性能の確認する方法

の2段階の構成となっています。

これに伴い、登録耐震診断資格者・耐震改修技術者の申し込みも始まっています。

登録耐震診断資格者・耐震改修技術者の申し込みシステム
https://kenbokyo.jp/jbdpa/entry.php

既に東京会場は申し込み多数で申し込みは一時中断していて、2回目以降の講習も企画されるようです。


新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法(新耐震木造住宅検証法)

造住宅の耐震性能チェック(所有者等による検証)※暫定版

新耐震木造住宅検証法 結果表

但し、協会では本検証法による個別の住宅の検証は行っておりませんのでご注意下さい。

■4月の新設住宅着工戸数は
      前年同月比1・9%増、2ヵ月連続で増加

国土交通省が発表した2017年4月の新設住宅着工戸数は、前年同月比1・9%増の8万3979戸で、2ヵ月連続で増加しました。すべての利用関係別でプラスとなり、季節調整済み年率換算値では100万4千戸と好調でした。マイナスが続いていたマンションがプラスとなったことに加え、引き続き貸家、分譲戸建てが伸びました。

持ち家も先月の減少からわずかに伸びたが、首都圏では2・3%減の4890戸でした。持ち家は0・8%増の2万3751戸で、2ヵ月ぶりの増加。貸家は1・9%増の3万6194戸で、18ヵ月連続で増加しました。分譲住宅は、2・9%増の2万3708戸。このうち一戸建ては5・2%増の1万1504戸で18ヵ月連続で増加し、マンションも1・3%増の1万2097戸でした。


■2016年度ZEHビルダー実績報告

2016年度における各社のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)報告によると、ビルダー5659社のうち46・5%にあたる2632社で実績がゼロであることがわかりました。

環境共創イニシアチブが15日に公表したZEHビルダー登録制度の実績によると、自社が受注する住宅のうちの割合で、1~49%が987社であるのに対し、50~100%が392社のみ。

15日時点で実績が公開に至らなかった事業者も1600社あまりあった。また、大手住宅メーカーでも実績は10%台が目立ち。16年度目標は各社で異なるものの、ZEHビルダー登録制度を導入した16年度の実績は、各社の受注割合では低調という結果になりました。


■2030年度の新設住宅着工戸数は54万戸に減少
         ~リフォーム市場規模は6兆円台で横ばいに~

野村総合研究所(以下「NRI」)は、2016~2030年(度)までの新設住宅着工戸数およびリフォーム市場規模を予測しました。


一方、広義のリフォーム市場規模*2は、2030年まで年間6兆円台で横ばいに推移すると予測されます(狭義の市場はそれより1兆円前後少ない規模)。


■2017年度の住宅着工見通しは93万4千戸

シンクタンクや金融機関など11機関が公表した住宅着工戸数見通しを住宅産業新聞で集計したところ、2017年度は11機関の平均では前年度比2・5%減の93万4千戸との予測とのことです。

4~6月の住宅着工戸数の増加ぶりから16年度については昨年度実績の92万1千戸を4・0%上回る95万8千戸との予想しました。
その後は落ち着くとの見通しが多勢を占めるものの、低金利などを背景に住宅着工戸数全体は堅調に推移するとの見ているようです。

ちなみに、屋の経済研究所の推計では93万4959戸と約1000戸ほど住宅産業新聞の推計と差がありますが、93~94万戸という大筋ではないでしょうか?