■都市ガス全面小売自由化
電力の小売り自由化に続き、4月1日よりは都市ガスの小売全面自由化となります。都市ガスは輸入したLNGから製造され、気化したガスにLPGを添加し熱量を45J/Nm3に調整した上で、導管で家庭に送られるガスです。既に大口需要家については1995年から段階的に自由化されており、新たに自由化されるのは家庭用など小口(年間契約ガス使用量10万m3未満)は約34%にあたる112億m3(2015年度販売実績)となっています。
新たにガス小売事業者が参入することでポイントになるのが、誰がどこまでを責任を持って管理するか(保安責任区分)と言う部分です。現状では東京ガスなど一般ガス事業者が敷地の境界までの保安責任を持ち、その内側はガス供給事業者の保安責任となっていましが、4月以降はガスメーターを含むガス栓までをガス導管事業者が管理。それ以降(のガス機器)は新たなガス小売事業者の責任となります。
これまでにガス小売り事業者として経済産業省に登録されたのは、申請順に関西電力、東京電力エナジーパートナー(東京電力EP)、中部電力、九州電力、四国電力、東北電力の6社です。四国電力、東北電力に関しては現時点で小売り事業に参入する予定はないとしています。
すでにガス料金プランも公表されました。九州電力は販売エリアを福岡エリア・北九州エリアと範囲を決め、ガス単体での販売には乗り出さず、電気とガスのセットプランに特化する形で、西部ガスよりも安い料金としました。
全般的に見れば、各社とも大手都市ガス会社の新料金、一般料金よりも安く設定しています。ただ、ガスを多く使う家庭に関しては、都市ガスの料金プランの方が安くなる場合もあり、価格競争で劣勢のようにも見える都市ガス会社も、守るべきところは守っているといえそうです。
ちなみにプロパンガスはとっくに小売り自由化になっています。