シンエイ通信【平成28年8月31日作成 81号】
■ZEH普及など省エネ推進予算を倍増要求、経産省 経産省は来年度の予算の概算要求で、前年対比9.5%増の1兆4457億円をまとめました。住宅関連として、ZEHや省エネ型リフォームの補助等に1140億円を要求を盛り込んでいます。 今年度の予算額515億円ですから、およそ倍以上の要求額となっていてZEHや省エネリフォームに対する国の本気度がうかがえます。この予算は来年度の住宅市場傾向を見ながらの事業配分となる見込みです。 これ以外では、エネファーム等導入補助要求として104億円(今年度95億円)が要求されています。初期投資が高いものの、「炭素」は使わず「水素」だけで給湯できるエネファームを国として推進していく方向性が見られます。 |
■エネファームの特徴と国の狙い エネファーム(ENE・FARM) とは、家庭用コージェネレーションシステム(コージェネ)の一種です。 コージェネというのは、 本来取り出そうとする動力エネルギーや電力エネルギーと同時に、
その時発生する熱エネルギーも取り出し、総合エネルギー効率を高める といった理論で作動する装置のことです。 家庭用コージェネレーションシステムには、 ・エンジンで発電機を回して発電するもの の二種類があり、 ・エンジンを利用したものを「エコウイル」 という分類になっています。 燃料電池とは「水素」と空気中の「酸素」と反応させて発電するようにした装置のことで、燃料となる「水素」が必要となります。つまり水素を燃料とした電池と言うことになります。燃料電池は「炭素」は使わず「水素」だけしか使っていないので、排出するのは「水」だけです。だから環境にやさしいといわれています。 この炭素排出量を少なくすることができるメリット、自家発電による送電ロスがない事による省エネ効果は非常に大きいものです。 ところが、エネファームには大きな弱点があります。それは初期費用がほかの省エネ給湯システムに比較して非常に高価という部分です。 工場などからの炭素排出量を押さえることはもとより、各家庭からの排出量を押さえることは、国の低炭素化計画で非常に重要なポイントとなっていて、上の記事にあるエネファーム等導入補助要求として104億円という要求に繋がったのでしょう。 |
■長期優良住宅化リフォームに税制優遇を要求、国交省 国土交通省は来年度の税制改正要望をまとめました。住宅関連では、リフォームに対する減税措置の拡充を盛り込みました。具体的には長期優良住宅化リフォームによる、建物の劣化対策など耐久性向上につながる改修を行った場合の減税額を拡充を要望しています。 この減税対象は、増改築により、耐震・省エネ改修と併せて耐久性向上工事を行い長期優良住宅の認定を受けることが要件となっています。 拡充策としては、 ○工事費などの10%を所得税から控除できる措置の最大控除額を現行の25万円から40万円に拡充
○ローンを使った場合に、ローン残高の一定割合を税額控除できる措置でも最大控除額を現行の62.5万円から70万円に引き上る ○工事翌年の固定資産税を減額する措置でも、減額割合を現行の2分の1から3分の2に引き上げる となっています。 そのほかの住宅関連では、子育て世帯や高齢者などを支援する新たな住宅セーフティネット制度の構築に向けた改修費補助や家賃補助に必要な事業費を計上したほか、地方自治体が進める近居や若年子育て支援を住宅金融支援機構の長期固定ローン「フラット35」の仕組みを使ってサポートするための予算も盛り込んでいます。 |