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シンエイ通信【平成28年1月31日作成 75号】

平成28年1月31日作成 75号


■2015年1~12月の新設住宅着工戸数発表

国土交通省が発表した建築着工統計調査報告によると、

平成27年の新設住宅着工は、持家は減少したが、貸家及び分譲住宅が増加したため、全体で増加となりました。新設住宅着工戸数は90万9299戸で、前年に比べると1.9%増えました。
住宅の種類別にみると、持家は28万3366戸と前年比0.7%減で、2年連続の前年割れとなりました。

総戸数

平成27年の新設住宅着工戸数は909,299戸。前年比では1.9%増となり、
昨年の減少から再びの増加。

新設住宅着工床面積は75,059千㎡、前年比0.8%減、2年連続の減少。

利用関係別戸数

①持家 平成27年の持家は283,366戸(前年比0.7%減,2年連続の減少)

②貸家 平成27年の貸家は378,718戸(前年比4.6%増,4年連続の増加)

③分譲住宅 平成27年の分譲住宅は241,201戸(前年比1.6%増昨年の減少から再びの増加)
 マンションは115,652戸(同4.7%増昨年の減少から再びの増加)
 一戸建住宅は123,624戸(同1.4%減2年連続の減少)


■平成27年度補正予算案などが閣議決定

経済産業省が公表した平成27年度補正予算案および平成27年度予備費は計3,897億円となっています。

1.「総合的なTPP関連政策大綱」関連
2.一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連
3.その他

の3つを柱に予算案を計上しました。

この中で、省エネを通じた中小企業者等の生産性向上等を目的とした、中小企業等に省エネ設備の導入を支援する事業として442億円、また、住宅の省エネ化を図るリノベーションを促進するための支援事業として100億円が盛り込まれています。

主な省エネ・エネルギー関連の関連予算案の概要は以下になっています。

中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業

平成27年度補正予算案額 442.0億円


概要

導入する設備ごとの省エネ効果等で簡易に申請が行える制度を創設し、中小企業等の省エネ効果が高い設備への更新を重点的に支援する。
「長期エネルギー需給見通し」(平成27年7月)における省エネ量の根拠となった産業・業務用の設備を中心に対象とする。なお、対象設備がトップランナー制度対象の場合は、トップランナー基準以上の設備を補助対象にする。
高効率な省エネ設備への更新により、中小企業等の事業の生産性や省エネ性能を向上させ、競争力の強化につなげる。
本事業は「総合的なTPP関連政策大綱」関連で「省エネを通じた中小企業者等の生産性向上」として、一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連で「中小企業等への省エネ設備導入支援」として盛り込まれている。

成果目標

長期エネルギー需給見通しにおける、省エネ目標(5,030万kl)の達成に寄与することを目指し、省エネ設備の導入を支援することで、約1,200億円を超える国内設備投資を創出するとともに、エネルギーコストの削減を通じて、中小企業等の生産性を向上させ、企業の競争力を強化する。

補助対象者

全業種、事業活動を営んでいる法人および個人事業主で、補助率は1/3。


中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業
質の高いエネルギーインフラ詳細事業実施可能性調査事業

平成27年度補正予算案額 9.0億円

概要

相手国のインフラ計画の「川上」の構想段階から関与するため、民間企業等に対して詳細な事業実施可能性調査(F/S)を実施するための資金の一部を支援する。補助率は1/2。

本事業を通じて、採択後2年以内に採択件数の60%の案件について、入札が公示されること等を目指し、4年以内に採択件数の20%の案件が受注等に至ることを目指す。


質の高いエネルギーインフラ詳細事業実施可能性調査事業
住宅省エネリノベーション促進事業

平成27年度補正予算案額 100.0億円
-住宅の省エネを促進する断熱改修等の支援

概要

住宅の省エネ化を図るリノベーションを促進するため、高性能な窓、サッシ、断熱材等を用いた、住宅の所有者等による断熱改修を支援する。
戸建住宅においては、上記の断熱改修と同時に高性能な家庭用設備(給湯設備等)を入れ替える場合、同設備の導入費用を支援する。

成果目標

省エネ性能に優れた建材や家庭用設備を支援することで国内投資を促進し、高性能建材について2割の価格低減を目指すとともに、高断熱リノベーション件数の倍増を目指すことにより、長期エネルギー需給見通しにおける省エネ目標(5,030万kl)の達成に寄与する。

補助対象者

既築住宅の所有者等で、補助率は定額、1/3。

住宅省エネリノベーション促進事業
電力小売自由化の円滑実施のための情報普及事業

平成27年度補正予算案額 1.0億円

概要

平成28年4月の電力小売りの自由化に向けて、需要家に対して電力小売自由化に関する正確な情報を発信する。具体的には年度内に全国各地の大型ショッピングモール等56カ所で情報普及事業を集中的に行う。

■1月の木材価格・需給動向

国産材(北関東)

栃木の丸太生産は回復基調だが平年並みに届かず。製品需要の不振が続く中、スギ、ヒノキとも柱材のみが大手製材工場からの引合い強く好調な荷動き。丸太価格は製品市況の不振から弱気配で推移していたが、大手工場からの引合いで一部丸太は保合。スギは柱材が値戻しから横這い、中目材は引続き弱含み。ヒノキは柱材が底打ちから強保合に転じ、中目材は下げ止まりで横這い。群馬の製材工場の操業状況は引続き良好。構造材の注文は依然多いが年明け後一服感。荷動き良好で1月中は順調な模様。製品在庫は構造材、羽柄材ともに例年初荷用出荷のため少なめ。原木の入荷は降雪少なく順調だが、長引く出材不足から荷余り感なし。製品価格は低位安定で、スギ、ヒノキとも並製品で2-3千円の上昇は変わらず。年末に取引先の市売問屋が2店廃業、流通の変化により問屋はますます厳しくなると予測。

合板原料

丸太のうち国産材価格は、スギは横這いで供給も順調、カラマツはタイトで値上。ロシア材は横這いだがフレートが値上がり傾向、米材は内需好調で若干強い、南洋材は引続き横這いだが現地の強気姿勢変わらず。11月の国内総生産量24.8万㎥のうち針葉樹合板は23.2万㎥で今年最大、出荷量は24.3万㎥、6ヵ月連続で出荷が生産を上回る。在庫量は12.4万㎥に減少。国産針葉樹合板の1月販売価格は横這いでスタート、需要が強い中で値上げも考えられるが、デリバリーが追いつかない現状では賢明な選択といえる。国産針葉樹合板の需要は引続き旺盛だが、輸送が悪化し大幅な納期遅れに受注制限も起きている状況。プレカット工場の稼働が順調なことから、メーカーの極端な在庫不足は当分続くと予測。輸入合板の荷動きは、やや盛り上がりに欠ける状況だが、アイテムによっては在庫多く価格を引き下げる要因。先行き国産針葉樹合板は玉不足が暫く続く中で、仮需発生が懸念材料。輸入合板はコストに見合わない相場が続く中で、アイテムによって在庫量に差があり、入荷次第では反転もあり得る。荷余り品目は無く、品薄品目は針葉樹合板全般。

構造用集成材

各社とも生産順調でラミナ在庫は少ない。QTR1交渉でWWのオファー少なく、前四半期比で€5-10値上げ。RWは順調で価格は横這い。春先のWWラミナは不足と予想。国産集成材の受注は、WW柱は納期1ヵ月以上、RW平角も1月の受注状況良好。販売先行きは1月が例年より良好で、9月以降は消費税増税関連で更に好調と予測。在庫はWW柱が少なく、RW平角が品薄。価格はWW間柱が品薄のピークが過ぎ横這い。WW柱は国内、海外とも1,830-1,850円/本。RW平角は57千円/㎥で輸入品は千円安。スギ集成材は値上げ傾向。輸入集成材は大手のシュバイフォッファーの1月積のオファーがゼロとなり、マーケットがまた締まってきた状況。

木材

チップチップ用原木の出材は順調だが、市況悪く出荷量全体では減少。引続きFIT需要で原木確保が困難。解体材の入荷は例年並みだが、冬場のボイラー使用増とFIT需要で先行きタイト感。製紙用針葉樹チップの引合いは依然強く、燃料用は一部バイオマス発電所で確保困難。在庫は減少。針葉樹チップの生産は鈍く、価格は上昇中。輸入チップは割高感。チップ工場の稼働状況は、地域によって大きな格差。

市売問屋

国産材の構造材はスギ柱角が動き順調で年明けも期待、ヒノキは柱、土台とも動き良く滞留在庫増える。造作材はスギ・ヒノキとも引続きリフォーム需要が旺盛。外材の構造材は総じて動きが軟調。造作材は米ヒバ・スプルース建具用の入荷少なく対応に苦慮。年末の納市以降も市場への来場者多く、まずまずの荷動き感。消費税増税の影響で持ち家需要が増加しており、今年も駈込み需要に対する期待は大きい。

小売

国産材の構造材はスギKD柱・板、ヒノキKD土台・柱とも保合。外材はロシアアカマツ野縁保合、米ツガ角・平割とも保合、SPF保合、WW間柱保合。造作材はスプルース・ピーラー平割保合。集成材はWW柱弱保合、RW梁、柱保合。合板は国産針葉樹強保合、輸入保合。プレカット価格は保合、一部メーカーで納期遅れ。工務店は職人不足が続く


■平成28年1月度の熊本主要銀行の金利

詳しくは各行にお尋ねください。

■2月のフラット35金利、最低金利1.48%

住宅金融支援機構(東京都文京区)は民間金融機関が提供する「フラット35」の2016年2月の適用金利を公表しました。

融資率9割以下、返済期間21年以上35年以下の主力タイプの金利幅は1.48%(前月比マイナス0.06%)~2.03%(同マイナス0.06%)で、2カ月連続での下降となりました。

最頻金利は1.48%(同マイナス0.06%)となっています。


■電力自由化とZEH

4月から始まる電力の小売自由化に向けて、新規参入組やガス会社、電力会社などの顧客囲い込み合戦が激しくなっています。
今発表されているプランを見渡すと、約5%程度の電気代割引は実現できそうです。囲い込みに向けて3月までの申込みで特典をアピールするプランもありますが、来年にはガスの小売自由化もひかえており、いまだ様子見的なところもあります。

今後も様々なプランが出てくると思われ、本格的なエネルギー需要争奪戦はそれ以降ということでしょうか?

消費者のエネルギーへの関心は高まっていて、住宅展示場の来場者においても、電力の小売自由化や省エネ住宅についての質問が目立ったという声もあり、住宅会社としても改めて省エネ住宅提案を強化することが時代の流れということになるでしょう。

積水ハウスでは、2015年12月に「COP21(気候変動枠組条約 第21回締約国会議)」の結果を踏まえ、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に積極的に取組むことを発表しました。2013年から販売しているZEH対応商品「グリーンファースト ゼロ」は、2014年度60%、2015年度上半期74%までシェアが高まっており、2020年までに新築住宅の80%という目標は射程圏内ということでしょう。2016年度は、複層真空ガラスなども積極的に採用し、断熱性能をさらに向上させる見込みです。

トヨタホームでは、2015年11月に鉄骨軸組系「エスパシオ」、2016年1月に鉄骨ユニット系「シンセ・スマートステージZERO」として、ZEH対応の新商品を相次いで発売しました。「エスパシオ」では、ニューハイブリッド断熱工法と称して、断熱材の厚さを最大25mm増したほか、高断熱ペアガラスを採用するなどで断熱性能の向上を図りました。「シンセ・スマートステージZERO」では、複層真空ガラス、高断熱玄関ドア、基礎断熱などで断熱性能を向上した他、独自の全館空調システムも標準化しました。

三菱地所ホームでは、2016年1月に、3つの新商品を発表しました。そのひとつである「WIZE-H(ワイズエイチ)」は、企画型ゼロエネルギー住宅を標榜しており、太陽光発電、全館空調システム、エネファーム、樹脂サッシなどを採用しつつ、1,980万円からという値頃感をアピールしています。これらの新商品により、2016年度は前年度1.5倍の販売棟数目標を掲げており、今年はZEHを軸とした販促強化がポイントとなりそうです。

2016年度はZEH、電力自由化といったキーワードが特にピックアップされていくことと思われます。これ以外でもスマートハウス、スマートメーター、蓄電池といったエネルギーが重要なポイントになると思われます。


■増税後の2つの優遇策

住宅業界は今年、増税前駆け込みで上向きへ進むという見込みですが、再増税の再延期ということも、一つの可能性として頭に置いて動かねばなりません。

増税後に、メリットが大きくなる2つの優遇策があります。

贈与税非課税枠の拡充

現在の1,200万円から3,000万円まで拡充されるので、高額の贈与があるケースには10%後の方がお得になります。

すまい給付金の給付額拡充

年収450万円~600万円くらいの世帯にとっては、30~40万円程度給付額が増えるので、増税分のデメリットをいくらか緩和してくれるケースも多く出ると考えられます。

あまり焦って買う必要がなければ、10%後であってもそれほど大きなデメリットはないという説得もアリということですね。

前回の増税時の反省点を活かしら、より有効な増税対策を練りながら6月までの前半戦に勝利しましょう。


■省エネルギー基準適合義務化に向けて

2020年度までの新築戸建住宅への省エネルギー基準適合義務化に向けて、中小工務店も、もはや行動を起こさないわけにはいかない状況となっています。ベースとなる「平成25年省エネルギー基準」をクリアし、認定低炭素住宅、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)へとレベルを上げていくための施策をどう構築するか?
大手ハウスメーカーはZEHを標準商品ラインナップとして取り入れ、中小工務店へも基準適合化対策の〝待ったなし〟の状況をとなっています。

断熱性能の向上が不可欠

国が高気密・高断熱を推すにはいろいろな思惑がありますが、断熱性能向上により冷暖房のランニングコストが減り、ヒートショックなどの健康リスクは低下します。これが後の医療コスト削減にもつながるという発想もその一つとなっています。

国土交通省の資料によれば、木造軸組構法の戸建注文住宅の約5割は中小の工務店が供給しています。その全ての新築住宅が平成25年省エネ基準をクリアし、そのうちの何割かが認定低炭素住宅となり、ZEH対応になれば、多くの人の健康に有効となると考えられいます。

もちろん2015年12月に「COP21(気候変動枠組条約 第21回締約国会議)」の結果を踏まえ、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に積極的に取組むことを発表ていますから、CO2削減にも貢献できます。

約50%を担っている中小の工務店である我々も積極的な取り組みで省エネルギー基準適合義務化に取り組んでいきましょう。(株)SHIN-EIは全力でバックアップします。


■SHIN-EI新社屋で営業開始

かねてより建設中だった新社屋が完成し27年12月14日より新社屋での営業を開始しました。
新社屋では様々な新機能を取り入れています。ぜひ一度ご覧になりに来てください。

■ハウスガードシステム

国産無垢材の加圧注入により、腐らない木に生まれ変わらせた「緑の柱」を使用する、安心して永く住まうことのできるハウスガードシステムを採用しています。

■イノーバフロア

新事務所の床にはイノーバフロアを使用しています。イノーバフロアは釘・接着剤を使用しない置床式ラミネートフロアで、耐傷性、防汚性、耐衝撃性に優れどんな使用環境にも対応可能です。
表面コーティングによりワックスは不要、煙草を落としても焦げず、お手入れも簡単でメンテナンスは非常に簡単です。

通気断熱WB工法

WB工法は、夏は自然におこる上昇気流を利用して建物内の無駄な熱を排出し、冬は暖房した空気を逃がさないよう開口部を閉じることで、冷暖房に使う電力を出来るだけ減らせるよう工夫したエコで通気と断熱を両立した工法です

夏と冬の切り替えを行う際に必要となる換気口の開閉も電力を使用しないよう、熱感知式形状記憶合金を採用しております。自然の温度を感知して自動的に開閉できる仕組みは、これからの節電対策として重要な仕組みです。

■Building Energy Management System(BEMS)

Building Energy Management System(略してBEMS)はベムスと読みます。ビル全体のエネルギー使用量の削減やエネルギー関連設備の制御を目的として導入されるシステムで、「電力使用量や水道使用量やガス使用量の見える化」、「照明や空調やエネルギー設備などの制御」の以上の2点がBEMSの重要な役割となっています。

■薪ストーブ

新社屋ではエントランスに薪ストーブを設置しています。通気断熱WB工法との相乗効果で外気が10度くらいなら薪ストーブだけで新社屋全体の暖房を賄うことが出来ます。このストーブは世界最小の排気煙量を誇り、2次、3次燃焼を効果的に行えるストーブです。

それぞれの機能の詳細についてはお気軽に弊社営業担当までお問い合わせください