シンエイ通信【平成28年1月31日作成 75号】
■平成27年度補正予算案などが閣議決定 経済産業省が公表した平成27年度補正予算案および平成27年度予備費は計3,897億円となっています。 1.「総合的なTPP関連政策大綱」関連
2.一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連 3.その他 の3つを柱に予算案を計上しました。 この中で、省エネを通じた中小企業者等の生産性向上等を目的とした、中小企業等に省エネ設備の導入を支援する事業として442億円、また、住宅の省エネ化を図るリノベーションを促進するための支援事業として100億円が盛り込まれています。 主な省エネ・エネルギー関連の関連予算案の概要は以下になっています。 中小企業等の省エネ・生産性革命投資促進事業 導入する設備ごとの省エネ効果等で簡易に申請が行える制度を創設し、中小企業等の省エネ効果が高い設備への更新を重点的に支援する。
「長期エネルギー需給見通し」(平成27年7月)における省エネ量の根拠となった産業・業務用の設備を中心に対象とする。なお、対象設備がトップランナー制度対象の場合は、トップランナー基準以上の設備を補助対象にする。 高効率な省エネ設備への更新により、中小企業等の事業の生産性や省エネ性能を向上させ、競争力の強化につなげる。 本事業は「総合的なTPP関連政策大綱」関連で「省エネを通じた中小企業者等の生産性向上」として、一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策」関連で「中小企業等への省エネ設備導入支援」として盛り込まれている。 成果目標 長期エネルギー需給見通しにおける、省エネ目標(5,030万kl)の達成に寄与することを目指し、省エネ設備の導入を支援することで、約1,200億円を超える国内設備投資を創出するとともに、エネルギーコストの削減を通じて、中小企業等の生産性を向上させ、企業の競争力を強化する。
補助対象者 全業種、事業活動を営んでいる法人および個人事業主で、補助率は1/3。
平成27年度補正予算案額 9.0億円 概要 相手国のインフラ計画の「川上」の構想段階から関与するため、民間企業等に対して詳細な事業実施可能性調査(F/S)を実施するための資金の一部を支援する。補助率は1/2。
本事業を通じて、採択後2年以内に採択件数の60%の案件について、入札が公示されること等を目指し、4年以内に採択件数の20%の案件が受注等に至ることを目指す。
平成27年度補正予算案額 100.0億円 |
■1月の木材価格・需給動向 |
■電力自由化とZEH 4月から始まる電力の小売自由化に向けて、新規参入組やガス会社、電力会社などの顧客囲い込み合戦が激しくなっています。 今後も様々なプランが出てくると思われ、本格的なエネルギー需要争奪戦はそれ以降ということでしょうか? 消費者のエネルギーへの関心は高まっていて、住宅展示場の来場者においても、電力の小売自由化や省エネ住宅についての質問が目立ったという声もあり、住宅会社としても改めて省エネ住宅提案を強化することが時代の流れということになるでしょう。 積水ハウスでは、2015年12月に「COP21(気候変動枠組条約 第21回締約国会議)」の結果を踏まえ、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に積極的に取組むことを発表しました。2013年から販売しているZEH対応商品「グリーンファースト ゼロ」は、2014年度60%、2015年度上半期74%までシェアが高まっており、2020年までに新築住宅の80%という目標は射程圏内ということでしょう。2016年度は、複層真空ガラスなども積極的に採用し、断熱性能をさらに向上させる見込みです。 トヨタホームでは、2015年11月に鉄骨軸組系「エスパシオ」、2016年1月に鉄骨ユニット系「シンセ・スマートステージZERO」として、ZEH対応の新商品を相次いで発売しました。「エスパシオ」では、ニューハイブリッド断熱工法と称して、断熱材の厚さを最大25mm増したほか、高断熱ペアガラスを採用するなどで断熱性能の向上を図りました。「シンセ・スマートステージZERO」では、複層真空ガラス、高断熱玄関ドア、基礎断熱などで断熱性能を向上した他、独自の全館空調システムも標準化しました。 三菱地所ホームでは、2016年1月に、3つの新商品を発表しました。そのひとつである「WIZE-H(ワイズエイチ)」は、企画型ゼロエネルギー住宅を標榜しており、太陽光発電、全館空調システム、エネファーム、樹脂サッシなどを採用しつつ、1,980万円からという値頃感をアピールしています。これらの新商品により、2016年度は前年度1.5倍の販売棟数目標を掲げており、今年はZEHを軸とした販促強化がポイントとなりそうです。 2016年度はZEH、電力自由化といったキーワードが特にピックアップされていくことと思われます。これ以外でもスマートハウス、スマートメーター、蓄電池といったエネルギーが重要なポイントになると思われます。 |
■増税後の2つの優遇策 住宅業界は今年、増税前駆け込みで上向きへ進むという見込みですが、再増税の再延期ということも、一つの可能性として頭に置いて動かねばなりません。 増税後に、メリットが大きくなる2つの優遇策があります。 贈与税非課税枠の拡充 現在の1,200万円から3,000万円まで拡充されるので、高額の贈与があるケースには10%後の方がお得になります。
すまい給付金の給付額拡充 年収450万円~600万円くらいの世帯にとっては、30~40万円程度給付額が増えるので、増税分のデメリットをいくらか緩和してくれるケースも多く出ると考えられます。
あまり焦って買う必要がなければ、10%後であってもそれほど大きなデメリットはないという説得もアリということですね。 前回の増税時の反省点を活かしら、より有効な増税対策を練りながら6月までの前半戦に勝利しましょう。 |
■省エネルギー基準適合義務化に向けて 2020年度までの新築戸建住宅への省エネルギー基準適合義務化に向けて、中小工務店も、もはや行動を起こさないわけにはいかない状況となっています。ベースとなる「平成25年省エネルギー基準」をクリアし、認定低炭素住宅、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)へとレベルを上げていくための施策をどう構築するか? 断熱性能の向上が不可欠 国が高気密・高断熱を推すにはいろいろな思惑がありますが、断熱性能向上により冷暖房のランニングコストが減り、ヒートショックなどの健康リスクは低下します。これが後の医療コスト削減にもつながるという発想もその一つとなっています。 国土交通省の資料によれば、木造軸組構法の戸建注文住宅の約5割は中小の工務店が供給しています。その全ての新築住宅が平成25年省エネ基準をクリアし、そのうちの何割かが認定低炭素住宅となり、ZEH対応になれば、多くの人の健康に有効となると考えられいます。 もちろん2015年12月に「COP21(気候変動枠組条約 第21回締約国会議)」の結果を踏まえ、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)に積極的に取組むことを発表ていますから、CO2削減にも貢献できます。 約50%を担っている中小の工務店である我々も積極的な取り組みで省エネルギー基準適合義務化に取り組んでいきましょう。(株)SHIN-EIは全力でバックアップします。 |
■SHIN-EI新社屋で営業開始 かねてより建設中だった新社屋が完成し27年12月14日より新社屋での営業を開始しました。 |