シンエイ通信【平成27年10月31日作成 73号】
■「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」の
事業者向けの概要説明会開催
国土交通省は13日、2016年4月と17年4月の2回にわけて施行予定の「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)の事業者向けの概要説明会「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(建築物省エネ法)の事業者向けの概要説明会を11月4日から12月18日まで、全国17ヵ所で24回開催すると発表しました。 対象者は建築・設備の設計・施工、設備機器製造業、エネルギー供給業、その他、建築物の事業に関連する業界の方々となっていて、申し込みはFAXまたはWEBからの申し込みとなります。 熊本県での説明会は 12/15(火) 10:30~13:00 くまもと県民交流館パレア 10階 パレアホール 定員200人
となっています。お申し込みは、 https://krs.bz/kentikubutsu-shoeneho/m/shinsei-gaiyousetsumei |
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■建築物エネルギー消費性能基準等の整備の方向性(案) 最近のキーワードでもある省エネ基準、住宅部分に係る基準は、平成25年10月1日から施行されました。 ただし、平成27年3月31日までは経過措置期間として、改正前の基準を用いることができました。これをいわゆる「平成25年省エネ基準(25年基準)」といいます。 2016年4月と17年4月の2回にわけて施行予定の建築物省エネ法に関し、国土交通省と資源エネルギー庁は、住宅を含む建築物の省エネ基準の整備などを進めています。同法では、住宅についての基準を現行の「平成25年省エネ基準(25年基準)」をベースにしていますが、今年9月には「25年基準」の告示に代わる省令と告示の素案が提示され承認されています。 その大きな部分として、住宅の開口部の断熱性能について「25年基準」は仕様基準の適用要件に開口部比率の制限があるため、開口部比率の高い住宅では同基準が使えず、また、同基準の適用に際して、開口部比率の計算に要する各部位の面積算定に手間がかかるなどの課題がありましたが、開口部の熱貫流率が一定以上の場合は開口部比率の制限をなくす具体的な案が示されました。この場合、開口部比率の計算も不要になります。 |
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■経産省「ZEH普及に向けたロードマップ案」公表
経済産業省は「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及に向けたロードマップ案」を公表しました。これまで具体的にされていなかった ZEHの定義確立
建設補助制度や消費者への普及啓発方策 など、2020(平成32)年までに標準的な新築住宅をZEHにするための今後5年間のスケジュールが示されています。中には中小工務店向けの建築ノウハウ確立など道内工務店に直接関連する項目もあります。国の住宅施策がリフォームや既存住宅流通にシフトしていく中にあっても、新築住宅に対するZEHに関連施策は目まぐるしく打ち出されていくことになりそうです。 ■ニアリー・ZEH 同検討委は、政府が2014(平成26)年に閣議決定した「エネルギー基本計画」に掲げた「2020(平成32)年までに標準的な新築住宅、2030(平成42)年までには新築住宅の平均でZEHを実現する」という政策目標の達成に向けたロードマップ作成のために4月に設立。ZEHの現状と課題の整理、これらの対応に向けた方向性の検討・検証を実施しています。 今回の中間とりまとめ案では狭義・広義のZEHを新たに示しました。 狭義のZEHは、これまでゼロ・エネルギー住宅等の補助制度に、用いられてきた、年間の1次エネルギー消費量が正味でゼロまたはマイナスの住宅。 広義のZEHは、「狭義のZEH」を見据えた先進住宅として外皮の高断熱化及び高効率な省エネ設備を有し、再生可能エネルギーにより年間の1次エネルギー消費量をゼロに近づけた仮称「Nearly(ニアリー)・ZEH」 としました。 ■中小のZEH化支援 ロードマップ案では、今年度末までに定義を確立し、2016(平成28)年度以降は必要がある場合に定義を見直していく予定としています。 補助事業などのインセンティブを与えることは「ZEHが消費者に普及していくきっかけとして有効」と判断。2016年度までは補助事業を実施していく方針。それ以降は不透明ですが、ロードマップ案では「補助事業を実施するのは遅くとも2018(平成30)年度末まで」と言及しており、2017年度以降は「(補助事業を)延長したとしても限定的」としています。 補助事業を並行して、中小工務店等が行う省エネ性に優れた住宅の建築に係わる取り組みへの支援も実施。2016年度中に中小工務店向けの建築ノウハウ確立を目指します。 消費者の認知度向上のために、今年度から官民一体となったZEHの広報活動やブランド化を進めるほか、ハウスメーカー等にZEH標準仕様化を働き掛けていく模様で、既に大手メーカーは全てがZEH標準化に動き始めており、商品ラインナップも厚くなってきています。 |
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■エネルギーの見える化はなぜ必要か?
最近の住宅業界はエネルギー、低炭素、断熱と最新の技法が必要になってきていますが、その中でもなぜ省エネを促進する為にエネルギーの見える化が必要なのかを考えてみましょう。 |
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■住生活基本計画の見直し議論 国土交通省は2016年3月に予定する住生活基本計画(全国計画)の見直しに向けた社会資本整備審議会住宅宅地分科会(分科会長=浅見泰司東大大学院教授)を開催しました。 今回の議論の中で同省が空き家の現状について細かく分析した報告内容によると、820万戸の空き家のうち、賃貸用・売却用・二次的住宅を除く「その他空き家」320万戸について、耐震性を有し、構造・躯体に腐朽・破損がなく簡易な手入れだけで活用可能、かつ駅から1キロメートル以内に立地する利活用が有望な空き家は全国でわずかに48万戸と推定したと発表。この結果から空き家対策に関しては除却に重点が置かれる可能性も浮上してみました。 また、これに関連して、一般社団法人住宅生産団体連合会は『「豊かな住生活と持続可能な社会の実現」に向けた提言』を公表しました。この提言は2016年度に見直す予定の住生活基本計画に対してのもので、6つの提言で構成されています。特に取得時や保有時に課税される「住宅税制の抜本的な見直し、金融・財政措置の充実・強化が必要」とし、住宅ストックの改修による質向上とともに不良な住宅を除却して良質な住宅建設を進めていくのが重要との認識を示しています。 提言内容は、 (1)ストック型社会の実現にむけ、不良住宅の除却、優良ストックへの建て替え・改修を
着実に推進すべき (2)長期優良住宅ストックの拡充に向け、適切な政策目標の設定、 (3)持続可能な社会の実現に向け、住宅の省エネ化(断熱化)やZEHに対する (4)リフォーム市場・既存住宅流通マーケットを拡大・活性化すべき (5)豊かな住生活の実現にむけ、税制・金融・財政措置を充実強化すべき (6)安心して暮らせる持続可能な街づくり、コミュニティづくり、誇りを持てる となっています。2020年に向けたZEHの浸透や不良住宅の除却、優良ストックへの建て替え・改修はこの内容からも取り入れられることが確実視されています。 |
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■(株)SHIN-EIは12月14日より新事務所にて業務を行います。
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