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シンエイ通信【平成27年4月30日作成 67号】

平成27年4月30日作成 67号


住生活総合調査から見えるリフォーム需要

国土交通省は4月9日、25年度の住生活総合調査の速報集計結果を公表しました。この公表では、家計主の年齢が55~64歳の世帯でリフォーム意向を持つ割合が大きいこと、家計主の年齢が高い世帯ほど住み替え意向を持つ割合が小さくなることなどが読み取れます。

つまり、若年層ではリフォームより建て替え、住み替えの要求が高いことに対し、50歳代を境にリフォームを検討することが増えるようです。

高齢者世帯でのリフォームの目的は、傷んだ部分の補修、高齢化に向けた安全や住みやすさの対策が際立って高いことがわかります。

平成25年住生活総合調査(速報集計)結果の概要
http://www.mlit.go.jp/common/001085718.pdf

危険な空き家の判断基準案を提示(国交省)

「空家等対策の推進に関する特別措置法」が2015年2月26日に施行されました(一部は5月26日に施行)。これに併せて、国土交通省と総務省は「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針」を告示されました。空き家の実態をどう把握するかなど、空き家対策を推進させるための基本的な指針が提示されています。

年間を通して居住実態がないなど判断基準や所有者を特定する具体的手段の事例を提示

居住していないことが常態化しているのが空き家ということになるが、より具体的な例を提示。居住していないことの基準としては、

 建築物の状況や管理の程度
 人の出入りの有無
 電気・ガス・水道の使用状況
 所有者の登記や住民票の内容
 所有者の主張など

から客観的に空き家かどうか判断すること、そして常態化の基準としては、年間を通して使用されていないことなどから判断することを挙げています。所有者が誰かを特定する方法としては、不動産登記や住民票、戸籍謄本などの利用に加え、これまで認められていなかった固定資産課税台帳も必要な限度において利用できるものとしています。

「特定空家等」は、固定資産税の軽減措置が対象外に

「空家対策特別措置法」では、適切な管理が行われていない結果、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす「特定空家等」として、次のような状態を挙げています。

 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
 その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

「特定空家等」と判断されれば、私的財産である個人宅などへの立入調査や必要に応じて行政代執行の対象となることから、その判断基準が重要となります。国がガイドラインを示すことになっていますが、具体的なガイドラインは今後明らかになる予定です。

「特定空家等」と判断された場合、「固定資産税等の住宅用地特例」の対象から除外することが平成27年度税制改正の大綱に明記されています。住宅などの敷地として利用されている土地は、固定資産税が課税標準額の1/6~1/3、都市計画税が1/3~2/3に軽減される措置が取られてきましたが、地価が高い地域では、建物を除却して更地にすると特例が使えなくなるため、管理状態の悪い空き家が放置されることにつながると指摘されていました。

現状の熊本では空き家で1万円程度の固定資産税が6万円程度になる上に「空き家の所有者の責務」が発生します。これは「周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないように空き家の適切な管理に努める」ことが必要になる訳です。日頃から住宅や敷地のメンテナンスや点検を実施する必要があるということで、植木の選定や雑草の駆除なども範囲に入ってくるかもしれません。

フラット35(リフォーム一体型)が始まりました

住宅金融支援機構は4月20日から中古住宅購入とあわせてリフォームを行う場合に、中古住宅購入資金+リフォーム工事資金を同時に借り入れられる全期間固定金利住宅ローン「フラット35(リフォーム一体型)」の取り扱いを開始しました。
借入額は100万以上8000万円以下で、中古住宅購入額+リフォーム工事費の合計以内。中古住宅購入と同時に行う工事であればリフォーム工事内容に制限はなく、水回りリフォームや内装リフォームなど自由な工事を行うことができます。ただ原則として既存住宅売買瑕疵保険の付保が求められます。

また、購入する中古住宅がフラット35の基準を満たさない場合でも、リフォーム工事により技術基準を満たせれば「フラット35」または「フラット35S」の利用が可能になりますので、これまで以上に中古住宅を購入してのリフォームがしやすくなるかと思います。

【フラット35(リフォーム一体型)】のご案内
http://www.flat35.com/loan/reform/index.html

3月の省エネ住宅ポイント申請状況

国土交通省が4月17日発表した3月末時点の省エネ住宅ポイントの申請状況は、新築が2188戸、リフォームが4137戸でした。

省エネ住宅ポイントの実施状況について(平成27年3月末時点)
http://shoenejutaku-points.jp/implement/1503

2015年度の民間住宅投資は前年度比3.7%増の予測

建設経済研究所が発表した2015年4月度の建設経済モデルによる建設投資の見通しでは、2104年度の民間住宅投資は消費増税前の駆け込み需要の反動により前年度に比べ8.8%減少し、2015年度は前年度の反動減からの回復と国の市場活性化策によって3.7%増加するとされています。

2014年度の着工戸数は前年度比△11.0%の87.9万戸、2015年度は同4.4%増の91.7万戸と予測されています。

「建設経済モデル」とは、建設投資活動を需要動向、金利などと関連づけた方程式体系で表し、マクロ的な景気の動きと整合する形で建設投資の見通しを描くことを目的としたマクロ計量経済モデルです。


「建設経済モデルによる建設投資の見通し」(2014年度・2015年度見通し(3次改訂))
http://www.rice.or.jp/regular_report/pdf/forecast/MOdel20150422.pdf

注文住宅の太陽光発電装備率は、42.7%に

平成22年度調査で24.6%だったが平成26年度調査では42.7%と2倍弱にまで上昇しており、平成27年度あるいは平成28年度には半数を超えるのではと予測されます。

分譲一戸建て住宅も装備率が上昇する流れとなっており、平成22年度では8.1%に過ぎなかったが、平成26年度では15.4%と上昇し、約6戸に1戸は太陽光発電装置が装備されていることがわかります。

太陽光発電の買い取り価格が引き下げられたり、電力会社が買取を中止するといったマイナスイメージのニュースが多い中、家の必要装備としての地位を確実に築いているようです。

反面、二重サッシや複層ガラスの装備率は、この5年、大きな変化見られないようです。注文住宅の装備率は80%前後で推移しているほか、分譲一戸建て住宅ではこの3年は50%前後で推移しています。

まだまだ「窓」後進国ニッポンを抜け出す日は遠いようです。

プリン体に作用する乳酸菌「PA-3株」を使ったヨーグルト

明治では、プリン体に直接作用し、腸管から吸収されるプリン体量を低減させる可能性を持つ乳酸菌「Lactobacillus gasseri PA-3(以下PA-3株)」を発見し、これを用いたヨーグルト「PA-3」を4月7日より発売開始しました。

高尿酸血症モデルラット(薬剤投与によって尿酸値が上昇)に8日間毎日摂取させたところ、5日目以降においてPA-3株を含まないヨーグルト(コントロールヨーグルト)と比較して、プリン体の最終代謝産物である尿酸の量(血清尿酸値)が減少したそうです(右図)。怖い通風の予防にいかがですか?

明治プロビオPA-3
http://www.meiji.co.jp/dairies/yogurt/meiji-pa3/#top

2015年4月の住宅ローン金利情報
(4月7日現在)
4月度の熊本県主要銀行の住宅ローンの金利情報です。
詳しくは各銀行へお問い合わせください。

4月の木材価格・需給動向

国産材(北関東)
栃木の丸太生産は順調だが、このところの降雨で悪路となり、材の搬出に若干の影響。入荷量は平年並。好調だったスギ柱材は通常の引合いに戻り、中目材は当用買いの様相が強く、目粗材に応札なしが見られた。ヒノキは生産調整されている中で全体に引合いは弱い。価格は製品の需要不振が続く中で、堅調に推移していたスギ柱材も含めて全面安の展開。スギ、ヒノキともに柱材が弱保合で、中目材は値下がり弱含み。群馬の製材工場の操業状況は、3月に入り若干の荷動き感。操業は順調だが製品の先行き不透明で生産調整が必要。製品販売は1月中旬から悪くなり、公共物件の3月完了に伴い、製品市場の多くで荷動き感はない。製品在庫は増加、特にヌキなど羽柄に荷余り感。原木の出材は順調で入荷も多いが、年度末に若干減少。原木在庫は十分な手当が進み、山土場や原木市場、工場でも増加傾向。製品価格は変動少なく安定、一部で安売り感。

合板
原料丸太のうち国産材価格は、スギが横這いだがカラマツは品薄で強含み。ロシア材はルーブル安や他国の引合い弱く下げ相場。米材は内需弱く弱含み。南洋材は集材難が続き、高値で張り付いたまま。2月の国内総生産量22.6万㎥のうち針葉樹合板は21.4万㎥、出荷量は17.9万㎥で生産量が出荷量を大幅に上回る。在庫量は24.4万㎥で依然高水準の状態。販売価格は、メーカーは4月値戻しを唱えるも、現状の需要環境や在庫量を考慮すると厳しい状況は変わらず。国産針葉樹合板の相場は3月を通して下がり続けた。大手メーカーの値戻し宣言で一時的に受注増となったが、需要環境や過剰在庫を背景に先行き不透明な展開。輸入合板は一部では3月商社決算による安値販売を期待したが、小安い展開で大きな乱れなし。荷動きはおとなしい状況が続く。先行き針葉樹合板は大手メーカーの4月値戻し唱えもマーケットは同調しないと予測。輸入合板はコスト割れが言われる中で、入荷量も低水準が続く。流通在庫は針葉樹、輸入ともに潤沢。荷余り品目は針葉樹全般と輸入12mm。品薄品目はラワン構造用9mmとウレタン2×6サイズ。

構造用集成材

原料ラミナの入港は順調。€為替が円高時の玉が入港し、円貨ベースでは下がってきた。QTR2ラミナ価格は交渉中だが、前回比で5~10€高が多い。国産集成材の受注はプレカットの勢いなく通常の20%減少。3月の荷動きは悪く、減産までは至っていないが、安値を出すメーカーも出始めた。販売先行きは夏までは厳しい状況続くと予想。在庫は適量に戻りつつある。価格は1-3月のプレカットの稼働率が予想以上に低く、荷動きも悪かった。集成材の需要不振が続き、価格はジリ安基調で底値が見えにくい状況。輸入集成材は、高いもので58,000~60,000円/㎥。5月からシュバイ社のRW梁桁が入港予定。WW柱はジリ安基調。間柱は不足感があるものの順調な入港で、若干売りづらい状況。
市売問屋
国産材の構造材は、新築需要が不振のためスギ、ヒノキの動きは依然低調。造作材はリフォーム、増改築で小動き続くが、全般に荷動きは低迷し、先行きの不透明感が増す。外材の構造材はベイマツKD平角が動き悪い。WW集成管柱も在庫意欲少なく動き悪い。造作材は米ツガ、スプルース、ピーラーの建築用材の動きも鈍る。販売動向は、買方の見積もりはあるが成約率は低い。市場へ来場の買方も手持仕事量少なく、特殊品を除き必要当用買い。4月に入り春需本番を迎えるが、今のところその気配は感じられない。

小売
国産材の構造材はスギ、ヒノキ土台・柱とも保合。外材はロシアアカマツ垂木保合、米ツガKD角、平割保合、SPF保合、WW間柱保合。造作材はスプルース良材、ナラ、タモ保合。集成材はWW、RW梁、柱とも保合。合板は針葉樹合板が3月の安値販売が無くなり幾分の値上げ、ラワン合板は保合。床板・フロアの低価格品強保合。工務店は幾分明るさが出てきたが、仕事にバラツキがあり苦戦。

2015年04月の木材価格・需給動向 ( 2015/04/30)
http://www.jawic.or.jp/kakaku_jyukyu/kiji/siky1504.pdf

認定低炭素への道 第3回
実際の認定低炭素として申請するには?

住宅性能評価・表示協会のHPには以下の表記があります。

所管行政庁への低炭素建築物新築等計画の認定申請に先立って、技術的審査を登録住宅性能評価機関等が行います

登録住宅性能評価機関等は、 都市の低炭素化の促進に関する法律に基づき所管行政庁が行う低炭素建築物新築等計画の認定を支援するため、認定申請に先立って、申請者の依頼に応じて、当該計画に係る技術的審査を行い、申請者に対して適合証を交付することとしています。この場合、認定申請をしようとする方は、認定申請書に適合証を添付して、所管行政庁に提出していただきます。

ということで、実際には技術審査を先に行わなければならないようです。

低炭素建築物新築等の計画の認定を受けるためには、低炭素化のための建築物の新築等計画を作成して所管行政庁へ 認定申請することとなります。提出された計画が次のとおり基準に適合する場合に認定されます。

建築物のエネルギーの使用の効率性その他の性能が、省エネ法の判断基準を超え、誘導基準(経済産業大臣、国土交通 大臣及び環境大臣が定めるもの)に適合するものであること。

都市の低炭素化の促進に関する基本方針に照らして適切なものであること。

資金計画が低炭素化のための建築物の新築等を確実に遂行するため適切なものであること。

実際の認定低炭素の申請と認可の状況は?

認定低炭素の技術的審査実績は2月末時点で以下の状況のようです。

県単位で見た場合、熊本ではまだ殆ど実績がないことがわかります。

■認定低炭素に関する便利なサイト

住宅・建築物 省エネルギー基準等 算定・届出の総合サポート
http://lowenergy.jsbc.or.jp/top/

「住宅・建築物の省エネルギー基準及び低炭素建築物の認定基準」をリニューアルされたもの、外皮性能計算シートなどが公開されています。

部位別仕様の検索
http://www2.hyoukakyoukai.or.jp/gaihikeisan/app/listing/

外皮計算で利用可能な、システムに登録されている部位別仕様を検索できます。

低炭素認定住宅の一次エネルギー消費量を計算する際に必要となる住宅部品等の情報
https://www2.hyoukakyoukai.or.jp/teitanso/info/category.php

住宅・建築物の省エネルギー基準及び低炭素建築物の認定基準に関する技術情報
http://www.kenken.go.jp/becc/#AboutProgram

下記プログラムについての解説などもあります。

住宅・住戸の省エネルギー性能の判定プログラム
http://house.app.lowenergy.jp/

一次エネルギー消費量が計算できます。

住宅・住戸の外皮性能の計算プログラム
http://envelope.app.lowenergy.jp/

皮基準の判定と一次エネルギー消費量算定に必要な外皮性能の出力を行います。
計算には外皮の仕様を記述した入力ファイル(XMLファイル)が必要になります。

住まいをリフォームするきっかけは?

最も多かったのは「設備の老朽化対策」。
一般的に築10年を超えると各所の劣化が散見されるようになり、リフォームを検討する必要が生じるといわれています。特に、基礎や土台部分、そのほか構造体のダメージを放置すると、建物の生死にかかわる重大な損傷につながる危険もあります。

2位の「ユニバーサルデザイン・バリアフリー」や、4位の「間取りの変更」などは、子どもの独立後、夫婦だけの老後生活を見据えて実施されるリフォームの最たるものといえます。

一方、3位の「省エネ」、5位の「断熱」は、いずれも昨今の住宅トレンドを反映したもの。東日本大震災以降、エネルギーへの関心・危機意識は高まる一方。エネルギー効率の高い設備や最新の断熱技術の導入といった、ムダを省くためのリフォーム需要が伸びている模様です。

リフォームの部位別 平均予算はおおよそ上の図のような傾向にあるようです。

リフォームトレンド事情とは?
http://rebornhouse.oshiete.goo.ne.jp/reform_column/1

5月のフラット35金利、3カ月ぶりに下降

住宅金融支援機構(東京都文京区)は5月1日、民間金融機関が提供する「フラット35」の2015年5月の適用金利を公表しました。4月は2カ月連続で上昇しましたが、5月はいずれも下降しています。
 
融資率9割以下、返済期間が21年以上35年以下の主力タイプの金利幅は1.46%(対前月比▲0.08%)~2.08%(同▲0.04%)。最頻金利は1.46%(同▲0.08%)で、3カ月ぶりの下降となりました。

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