シンエイ通信【平成27年 1月 31日作成 64号】
2015年今年もよろしくお願いいたします
新年明けましておめでとうございます。本年も住宅・建築業界の最新情報を鋭意発信していきます。また、今年はウェブと連携した新SHIN‐EI通信を展開してきますので、よろしくお願いいたします。
2020年の省エネ基準適合義務化に向けた準備はお進みですか?
14年度予算では、
○国民の安全・安心の確保として住宅の耐震化率を2015年までに90%、2020年までに95%とするための耐震化促進
○環境・ストック活用推進事業では住宅のゼロ・エネルギー化推進
○中古住宅流通・リフォーム促進などの住宅市場活性化では、2020年までの市場倍増に向けた市場環境の整備促進
が推進される形で動いてきました。
これに対し、15年度の国土交通省の概算要求では、経済政策的な側面も含めての省エネ基準義務化へ向けて「地域型住宅ブランド化事業」から「域型住宅グリーン化事業」と名称変更と、その補助の範囲が広げられる模様です。
ゼロエネルギー住宅の定義
ゼロエネルギー住宅とは、使うエネルギーをゼロにする住宅ではなく、家庭で使う電気やガスのエネルギーを家庭の太陽光発電システムなどでつくるエネルギーで賄う住宅のことを言います。つまり、ゼロエネルギー住宅の概要は、
『断熱性能や気密性能を向上させた家』+『高効率な住宅設備』+『創エネ設備』
と言えます。
ゼロエネルギー住宅の建築には200万円~400万円ほどの費用を要し、これを省エネ・創エネで「償却」することから、長期的なコストパフォーマンスの確認も必要となってきます。
国からの補助としては、今までの二分の一の補助(上限350万円)から定額の130万円程度になる模様です。
省エネ基準に関わる各種の数値
①熱貫流率(K値)
②熱損失係数(Q値)
③地域ごとに熱損失係数(Q値)の基準
日本は、亜寒帯から温帯、亜熱帯までの地域があり、自然条件の異なる地域ごとの基準が必要であることから、熱損失係数(Q値)もIからVIまでの地域区分で基準が定められています。1992(平成4)年に改正された省エネ基準は「新省エネルギー基準」と呼ばれているが、「次世代省エネルギー基準」はそれを大幅に強化するものです。また、昭和55年基準に比べて約半分の熱損失に抑えることを求めています。しかし、それでも日本の水準は多くの先進諸国に比べても最低水準となっています。
④隙間相当面積(C値)
「隙間相当面積」とは建物全体の隙間面積を延床面積で割った数値
(1㎡当たり隙間面積:c㎡/㎡)
で、建物全体の気密性能を表し、数値が少ない方が気密性能に優れ省エネ効果があります。
住宅の隙間を直接計ることは難しいことから、気密測定器により住宅の相当隙間面積を測ります。
次世代省エネ基準(平成11年基準)では、地域の区分ⅠⅡで2.0、ⅢⅣⅤⅥの地域で5.0とされました。
(平成21年の省エネルギー基準の改正で、相当隙間面積の基準値は削除されました)
また、気密は、細かい部分の隙間を塞ぎ、かなり緻密な工程を重ねて高気密を実現するものであり、雑な工事では実現できないことから、この全棟気密測定は、施工工務店の成績評価でもあると言えます。
低気密は結露を起こす要因ともなり、室内外の温度差が大きい冬には、冷えた壁の中に、室内の湿気が入り込むと結露を起こし、柱や土台が腐朽する原因となります。内部結露は、壁の中や床下、天井裏など目に見えず、気が付いた時には問題が相当深刻化してることも多くみられます。
⑤開口部の熱損失と床、壁、天井の熱損失
熱損失について、各部分の詳細では、サッシや玄関ドアなどに、そのメーカーが規格に基づく試験方法で解明した、熱貫流率(K値)が仕様書に記載されています。
一般的なアルミサッシの単板ガラス仕様で約6.0、ペアサッシ仕様約3.0、高性能サッシで約2.0(単位はW/m2K)がおよその目安とされる。この点で近年注目され始めているがLowーEガラス(Low Emissivity:低放射のガラス)です。
一般的なガラスが放射率0.85程度なのに対し、LowーEガラスは0.1以下で、この放射率が低いほど赤外線を反射させ、断熱性が高くなっています。このガラスは、ガラス面に薄く色が付く程度の金属膜をコーティングしたものですが、欧米では住宅用窓の半数程度はLowーEガラスとされています。
弊社では最新のシステムで認定低炭素・改正省エネ基準・新省エネ等級となる「平均μ値η値」での新省エネ計算が可能です。また構造チェッカー、耐震チェッカーも取り揃えております。詳しくは弊社営業担当までお気軽にお問い合わせ下さい。
省エネ住宅に関するポイント制度
省エネ住宅の新築やエコリフォームの普及を図るとともに、消費者の需要を喚起し、住宅投資の拡大を図る事を目的とした、一定の省エネ性能を有する住宅の新築やエコリフォームに対して、様々な商品等と交換できるポイントを発行する制度が発表されました。
従来の住宅エコポイントとの違いは下の表の通りで、大きな違いとしては完成済新築住宅が対象になったこと、設備エコ改修が対象となったことでしょうか?
ポイントは即時交換を活用することにより、当該工事の追加施工に充当する事が出来ます。ただし、この制度を利用するには、ポイント申請と同時に即時交換申請をする必要があり、途中から即時交換に切り替えることは出来ません。また、即時交換で使用したポイント相当の代金支払は工事完了後となります。
省エネ住宅ポイントの申請等もお気軽に弊社営業までおたずねください。
2015年1月の住宅ローン金利情報(1月13日現在)
11月度の熊本県主要銀行の住宅ローンの金利情報です。
詳しくは各銀行へお問い合わせください。
1月の木材価格・需給動向
国産材(北関東)
栃木の丸太生産は、皆伐施業が増加し引続き順調。入荷量は平年並。荷動きは年末から一部材種の応札数が増加するなど好転の兆し。スギは柱材・中目材ともに堅調な引合いが続く。ヒノキも弱かった柱材の引合いが戻りつつあり中目材も順調。丸太価格は年末に一部製品で品薄感が出るなど、製品相場の潮目が変わる動きが見られ、丸太についても年末の市では引合いが強まり、今後の市況動向に期待が持てる状況。スギは柱材が強保合で中目材は保合、ヒノキが柱材は弱保合で中目材は保合。群馬の製材工場の操業状況は順調。製品の販売は、製品市場への出荷が初市及び年末の在庫整理で一巡。プレカットへの販売は年末の受注残も含め順調。製品在庫は多少増えたが、スギ柱・母屋、ヒノキ母屋など角類が品薄。原木は年末に出材が増え手当は順調だが、一部で雪の影響が懸念。例年、この時期の原木市況は下落傾向だが今年は比較的安定。原木在庫は十分な手当が進み、運搬も順調に進行。製品価格は変動少なく安定しているが、一部柱、母屋で多少の値上観。
合板
原料丸太のうち国産材価格は横這いだが、大雪の影響で供給は今後ややタイトと予測。ロシア材はルーブル安が反映されず横這い、米材は強含み横這い、南洋材は現地の賃金上昇と集材難から強含み。11月の国内総生産量22.9万㎥のうち針葉樹合板は 21.4万㎥、出荷量は 20.6万㎥で、搬送トラックの不足から 3か月ぶりに出荷量が生産量を下回った。在庫量は 22.7万㎥と増え、再び生産量、出荷量を上回る。販売価格は、12月に小幅値上げとなったが、今後の需要動向や在庫量を勘案すると大きな値戻しは期待できず、暫くは綱引き状態が続くと思われる。
国産針葉樹合板は 11月を底値に小幅ながら価格は上昇。しかし、11 月の値上げアナウンスによる仮需発生に物流停滞が加わり、12月価格のデリバリーはこれから。例年に比べ受注残は少ない状況。輸入合板は円安による更なるコストアップで値上げは浸透しているが、需要が低迷しており流通は厳しい商いが続く。先行き針葉樹合板の物流停滞は、需要動向から予想外に早く収束すると予測。価格はメーカーが唱えるほどの値戻しは難しく、小幅の上昇で止まると予想。輸入合板は今後も強めの推移となるが、スピード感は無くゆっくりと進む模様。ラワン合板の 2.5㎜B 品、ノン JAS 品、5.5㎜ で品薄感続く。
小売
国産材の構造材はスギ、ヒノキ土台・柱とも保合。外材はロシアアカマツ垂木保合、米ツガKD角、平割保合、45×105×3m、4mは品薄で強保合、SPF保合。造作材はスプルース良材、ナラ、タモ強保合。集成材はWW、RW梁、柱とも保合。
合板は針葉樹、ラワンともに保合、輸入合板は強保合。床板・フロアの低価格品強保合。プレカット工場の受注状況は多少改善。工務店は新築物件少なく厳しいが、リフォーム需要で小口ながら動きあり。
(財)日本木材総合情報センター
約90%超の住宅で耐震性不足
日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(略称:木耐協)から、耐震診断の結果が発表されました。診断の対象としている“平成12年5月~昭和25年”の木造在来工法2階建て以下の住宅20,676棟を耐震
診断した結果をみると、91.7%の住宅で耐震性が不足していることがわかります。
フラット35制度拡充
フラット35Sの金利引下げ幅の拡大が26年度補正予算成立で1年間実施されます。フラット35Sにおける当初5年間(長期優良住宅等の特に性能が優れた住宅については当初10年間)の金利引下げ幅を、現行の年▲0.3%から年▲0.6%に拡大されます。
木材製品の規格の種類などについて
木材の規格には主なものとして「JAS(日本農林規格)」「JIS(日本工業規格)」「AQ(優良木質建材等認証)」の3つがあり、それぞれの規格に適合した製品にはその文字を記したマークが表示されます。
このようなマークは木材製品の取引が公正におこなわれ、生産の効率を高め、消費者の信頼を得る事などを主な目的として制定されました。AQマークは(財)日本住宅・木材技術センターによって認証されるもので、「品質性能」、「製造技術」、「品質管理」などの基準で判定され、結果、優良とされた製品のみに表示されます。また、木材には「グリーン材」、「MSR材」、「KD(Kiln dry)材」と呼ばれる物がありますが、このグリーン材とは未乾燥の木材を指す名称で、MSR材とはグレーディングマシンという強度を調べる測定器で強度区分された木材です。測定結果により、頭にEのアルファベットがついた数字で強度のランクを表示します。最後のKD材とは人工的に乾燥させた木材の事を指します。