シンエイ通信
シンエイ通信【平成31年4月26日作成 113号】
- 2019.04.26 | シンエイ通信
■「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の募集
国土交通省は4月10日、既存住宅の性能向上や良好なマンション管理に資する優良なリフォームを支援する2019年度「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の募集を開始した。 また、4月15日から全国9都市で開催する同事業に関する説明会の参加受け付けも開始した。
同事業は、良質な住宅ストックの形成や、若者による既存住宅の取得環境の改善、子育てをしやすい環境の整備等を図るため、既存住宅の長寿命化や省エネ化、三世代同居など複数世帯の同居の実現等に資するリフォームに対する支援を行うもの。戸建住宅、共同住宅とも補助対象となる。
主な事業要件は、(1)リフォーム工事前にインスペクション(建物の現況調査)を実施すること、(2)一定の住宅性能を有するようリフォーム工事を実施すること、(3)リフォーム工事の履歴と維持保全計画を作成すること。
補助対象費用は、性能向上リフォーム工事等に要する費用と、インスペクション、履歴作成、維持保全計画作成等に要する費用。補助率は3分の1、補助限度額はリフォーム工事実施後の住宅性能に応じて100~250万円/戸。三世代同居対応改修工事を実施する場合は50万円/戸を上限に加算する。
交付申請のタイプと期間は、「通年申請タイプ」(事業者登録受付期間=4月10日〜11月29日)、(2)「事前採択タイプ(良好なマンション管理)」(提案受付期間=4月10日~5月17日)、「事前採択タイプ(安心R住宅)」(同=4月10日~5月17日)、(4)「事前採択タイプ(提案型)」(同=4月10日~5月17日)
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■「熊本既存安心住宅」を創設
安心R住宅推進協議会(東京都中央区)は、熊本銀行(熊本市)、すがコーポレーション(同)と連携し、熊本県内における既存住宅の認定制度「熊本既存安心住宅」を創設した。同様の認定制度は、2018年11月に富山県内の主要金融機関3行と連携した、既存住宅向けの認定制度「富山既存安心住宅」に続く2件目。
安心R住宅推進協議会熊本支部(支部⾧:
管聖すがコーポレーション代表取締役)が中心となり、地域における「良質な住宅」を定義付け。「熊本既存安心住宅」の認定基準をクリアした既存住宅に対して熊本銀行が金利優遇を行う。熊本既存安心住宅に認定された既存住宅を購入した場合、一般の金利より年率0.1%低くなる。 熊本既存安心住宅」認定基準は、2016年に発生した熊本地震での被災状況等、熊本県の地域性を考慮したものになっている。「良質な住宅」の定義や認定基準の検討段階から熊本銀行が関わっている。
3系統9条件30項目の考課基準が設けられており、インスペクション等を実施し、価格妥当性等の加点条件に基づき算出された点数によってレベル1~5に分けて認定する。
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■東京五輪・パラリンピックの選手村のマンション
三井不動産レジデンシャルなど不動産会社10社は、2020年東京五輪・パラリンピックの選手村を活用したマンションを販売する施設「HARUMI FLAGパビリオン」(東京都中央区)を4月27日にオープンする。23日、報道関係者向けに先行公開した。「HARUMI FLAG」は、東京都中央区晴海にある約13haの土地に、東京五輪・パラリンピックの選手村としても使われる分譲住宅・賃貸住宅と商業施設など24棟を建築し、保育施設や介護住宅などを取り入れた街。約1万2000人が住む予定。東京五輪・パラリンピックの選手村のマンションは、大会中は選手が宿泊し、大会後に改修して24棟・5632戸のマンション群に生まれ変わり、分譲されることになっている。5632戸のうち、分譲が4145戸、賃貸が1487戸。入居開始時期は大会後に改修する中層棟が23年3月、大会後に建設するタワー棟が24年9月を予定する。7月から販売を開始する。すでにマンション見学予約数は3000人を超えており、6月中旬まで予約が埋まっているという。
計画では全戸に家庭用燃料電池システム「エネファーム」と蓄電池、HEMSを完備する。全棟に太陽光発電システムを設置し、つくった電気を蓄電池に蓄積し、HEMSで家庭内エネルギーを管理する。エネルギー事業者によって、街区5カ所に純水素型燃料電池(PEFC)を設置。晴海5丁目に設置する水素ステーションと街区をパイプラインで結び、供給される水素で発電し、街区毎の電力ピークに合わせて使う。MEMS(マンションエネルギーマネジメントシステム)で街区エネルギーを管理するほか、地域全体のエネルギーを一元管理するAEMS(エリアエネルギーマネジメントシステム)も導入。住宅はHEMSで、街区はMEMS、エリア全体はAEMSで管理する計画で、エネルギー効率の最適化をめざす。
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■新居にいらないものは?
SUVACO(スバコ、東京都港区)は4月24日、同社が運営する家づくりマッチングサービス「SUVACO」に登録している建築家など専門家131人を対象に行った「住まい」に関するインターネット調査の結果を発表した。それによると、「やがて必要がなくなるのに、つけたがる/作りたがる施主が多い設備や部屋、性能」でもっとも回答数が多かったのは「子供部屋」であることがわかった。フレキシブルに使える部屋・スペースを一時的に子供部屋とするなど、子供はいずれ独立して出ていくことを理解した家づくりが必要だとアドバイスしている。
一方、「意外と見過ごされがちだけれどもつけた/作ったほうが良い設備や部屋、性能」として挙げられたのは、「断熱」「パントリー」「耐震」など、構造や収納に関するものが多かった。
住まいの満足度を高める要素」については、「間取り」「予算と完成形のバランス」「立地条件/周辺環境」が上位となった。間取りについては、家族の人数で部屋の数を決めるのではなく、そこでどういう暮らしがしたいのかを考えることを提案している。 |
■特許庁「デザイン経営」の普及を推進
特許庁は、顧客目線でサービスを刷新して利便性を向上させる「デザイン経営」の普及を推進している。特許庁では、2018年8月からデザイン統括責任者とデザイン経営プロジェクトチームを設置。ユーザーと特許庁との接点を改善するための施策の検討などを通じて、デザイン経営を実践した結果をまとめ、2019年4月4日にレポートにした。
デザイン経営とは、デザインの力をブランドの構築やイノベーションの創出に活用する経営手法で、見た目のデザインだけでなく、広義のデザインを、経営に取り入れることを示す。すでにアメリカやヨーロッパの多くの企業で取り入れられ、売り上げや利益に貢献する実績があがっている。国内においても良品計画やメルカリ、マツダなどがデザインを経営戦略の中心に据え、利益に結びつけるなど実績を上げている。
企業視点からのプロダクトアウトのビジネスモデルだけでなく、顧客視点からのマーケットアウトのビジネスモデルの重要性が指摘される中、中小企業においても今後、自社ブランド力とイノベーション力を向上させ企業競争力をつけるため、顧客目線に立った「デザイン経営」がますます重要になってくる。
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■「住むと健康になる」という『0宣言の家』
住医学研究会(名古屋市)は、同研究会の推奨する家に住む約5000人を対象として大学教授や医学博士が調査・研究し、「住むと健康になる」というエビデンスを蓄積した『0宣言の家』の新規会員工務店を募集している。新規会員には、加盟金・ロイヤリティー0円、月会費1万円で、人気商品を会員価格で提供する。
『0宣言の家』は、断熱材による調湿効果で体感温度が一定に保たれ、夏は涼しく、冬は暖かく年中快適に過ごすことができるという住宅。 同研究会では、エアコン等よりも心地よい輻射式冷暖パネルを会員価格20万円台、また、PM2.5や花粉もカットする加温・冷却・除湿・除粉機能付きの熱交換型換気システムを同10万円台で用意する。 |